これは、イスラム統一への動きとなるか。
イラク情勢が、混とんとしてきている。
アメリカの責任は大きい。
1) 47ニュースの記事が伝えたこと。
『イラク北部の主要都市を制圧したイスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリアのイスラム国」は29日、ウェブサイト上に出した声明で、バグダディ指導者を世界のイスラム共同体を率いる「カリフ」と仰ぐ政教一致国家の樹立を一方的に宣言した。
イラク情勢が、混とんとしてきている。
アメリカの責任は大きい。
1) 47ニュースの記事が伝えたこと。
『イラク北部の主要都市を制圧したイスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリアのイスラム国」は29日、ウェブサイト上に出した声明で、バグダディ指導者を世界のイスラム共同体を率いる「カリフ」と仰ぐ政教一致国家の樹立を一方的に宣言した。
イラクでの電撃的な進撃成功を受け、従来の活動領域のイラクとシリアにとどまらず、世界のイスラム教徒の指導者がバグダディ氏だと主張。組織の名称も単なる「イスラム国」に改めた。(47ニュース 6/30)
2)カリフとは、何か。
すこし説明しておこう。(もっとも、これは、投稿者が理解し得たかぎりにおい手の事である)
カリフとは、「イスラム教団」のトップにいる人物のこと。
決して、王様という訳ではない。
ここが肝心な所。
イスラム教においては、マホメットより偉いものは、存在しない。
それは、マホメットの死後の現在においても、変わらない。
従って、カリフと言っても、「予言者に代理人」にすぎない。
そして、マホメットこそは、「最後の預言者」
つまり、カリフとは、「マホメットの代理人」である。
3) 「イスラム教団」とは、何か
さて、では、教団とは、何か。
これは、イスラム教の分派のこと。
だから、その基礎は、あくまで、イスラム教にある。
ということは、その教義に大きな違いは、ない、という事である。
これは、当然のことである。
イスラム教を離れては、イスラム教団は、存在しえない。
そうなれば、もはやイスラム教団ではない。
では、イスラム教とは、何か。
それは、コーランである。
コーランを信じる事。
マホメットは、「アッラーの使い」である。
しかも、「最後の使い」である。
この二つの事を信じる事。
この事が、イスラム教を信じることに他ならない。
だから、イスラム教団に、大きな違いはない、ということになる。
これを日本で例えてみれば、本願寺に西と東があるようなもの、である。
4) スンニ派とシーア派の起源
この教団は、上の説明で分かるように、マホメットが生きていた時には、存在しなかったもの。
マホメットの死後に産まれた。
原因は、「跡目相続」(いわゆる「ヤクザ」の話ではない)
マホメットが、突然死んだ。それも、肝心の跡目を指名せずに。
それで、マホメットの子孫こそ、跡目を継ぐにふさわしい、と考えた組と、
「血筋」は関係がない、と考えた組が、対立した。
「マホメットの子孫」こそ、相応しいとしたのが、シーア派。
「そうではない」、としたのが、スンニ派。
だから、先に述べたように、大きな違いはない。
5) 「イラク・シリアのイスラム国」の宣言に、正当性があるか
問題は、イスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリアのイスラム国」が、「イラクとシリアにとどまらず、世界のイスラム教徒の指導者」として、バグダディ氏を指名したことに正当性があるか、ということである。
この正当性は、何も持って測られるか。
それは、コーランである。
コーランを初めとする、イスラム法である。(この事の、これ以上説明は、省く。最後に参考書を示す)
イスラム法学者である。
はたして、イスラム法学者が決定したことなのかどうか。
ここが、肝心な所である。
単に声明文を出しただけでは、正当性を持つことは出来ない。
こんなことを述べるものの筆は、呪われかもしれない。
しかし、これが、真実である。
≪参考文献≫
『日本人のためのイスラム原論』 小室直樹著 集英社 2003年刊
(2014/6/30)