2015年11月10日火曜日

言論の自由への介入だ「谷垣幹事長がBPOを批判するのは、権力の横暴」

余りに「露骨に過ぎる」発言だ。NHKの「ヤラセ」疑惑について、自民党の谷垣幹事長が「報道の自由があるから一切やらせに対して口をつぐんでいるのが良いとは私は思わない」とのべた。この発言は「言論の自由への介入」であり、権力の横暴だ。


★ 「口をつぐんでいるのが良いとは、思わない」

自民党の谷垣禎一幹事長は9日の記者会見で、報道番組のやらせがあったとされるNHKから事情聴取した自民党を放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が「圧力」と批判したことに対し、「報道の自由があるから一切やらせに対して口をつぐんでいるのが良いとは私は思わない」と反論した。

 谷垣氏は党情報通信戦略調査会によるヒアリングについて「NHKとして一応調査をされた後、やらせがあるかどうかの結論がどうだったのかを聴いた会で、事前にこうしろああしろと申し上げたわけではない」と説明。その上で、「そのようなご批判に当たるのかどうか。放送は新聞などと違って貴重な電波資源を使っていることもある。影響力も極めて大だ」とBPOの指摘に疑問を呈した。≫


 「表現の自由」は、国民としての基本的権利

「報道の自由があるから一切やらせに対して口をつぐんでいるのが良いとは私は思わない」という反論こそ、誤りである。

「やらせ」があろうとなかろうと、それは政権が関与する問題では、ない。もちろん、Г事前にこうしろああしろ」というようなことがあったとしたら、大問題である。


政権が関与できるのは、人事についてのみ、だ。番組内容に関与することは、いかなる理由があろうと、許されることではない。

貴重な電波を使っていようと、影響力が大きかろうと、それは関係がない。むしろ、影響力が大きいからこそ、時の政権がロをだすことは許されないのである。

「言論の自由」、「表現の自由」は、国民としての基本的権利である。民主主義社会にとってもっとも、重要な権利である。

これが保証されてこそ、はじめて民主主義が、機能する。
それが、政権の都合で歪められるようなことは、断じてあってはならない。

リベラルと言われる谷垣氏の言葉とは思えないほど、「タカ派」的発言だ。最近の谷垣氏は、どうかしているとしか思えない言動が、多い。一体、どうしてしまったのか。

まだ、権力に未練があるのか。一度、総理大臣を経験したのだから、もういいのではないか。政治家が、権力をめざすのは、別に悪いことではない。

だが、それにしがみついているのも、どうかと思う。

(2015年11月10日)