2015年11月22日日曜日

何という約束をするのか「安倍・プーチン会談で、オバマ氏の同意を求める」


こんなバカなことが、許されていいのか。あっていいのか。何という約束をするのか。米国は、日本の「宗主国」なのか。
安倍首相が、安倍・プーチン首脳会談は、オバマ氏の事前の同意をえてから、行うと約束した。
ロシアの「スプートニク」が、安倍首相に関する記事を載せた。




記事のタイトルは、「安倍、プーチン首脳会談にオバマ氏の許可がいるのか?」と言う刺激的なものである。

だが、この記事の内容は、タイトルとは裏腹に、米国とロシアの関係などの分析にその大半を費やされている。

しかし、その内容がどうであれ、今の日本、米国、ロシアの間の関係について、興味ある指摘をしている。

以下、その内容について、観ていくことにしたい。


1) プーチン大統領の訪日期日の許可

「スプートニク」のよると、安倍首相はマニラでのAPECサミットのさいに、オバマ米大統領に対して、プーチン大統領の訪日期日については、(オバマ大統領の)同意を取り付けてから行うと約束した、ようだ。

さらには、安倍首相は、それより少し前に実現した「プーチン大統領との会談の内容」についてもオバマ大統領へ報告している、のだという。 

以下の考察は、「モスクワ国際関係大学、国際調査研究所の上級研究員、アンドレイ・イヴァノフ氏」によるものである。


2) 対露政策に関する不一致

イヴァノフ氏は、日米関係は、「対露政策に関しては双方の関心が完全には一致していないことは明白」だと述べる。

「安倍首相がオバマ大統領との連合国関係に向ける忠誠心自体、あまり尊敬の念を呼び起こさない。日本と米国が連合国どおしであれば、二国は国際舞台における行動を協調する必要がある。この観点からは安倍氏がオバマ氏との間でプーチン大統領の訪日期日を合意しようという姿勢は全く自然なことのように思える。
合意しようとするのが期日にとどまらず、日本の対露姿勢もそうであることは明白だ。またオバマ大統領は日露関係の今後に対する自分のビジョンを安倍氏に押し付けようとすることもまた、・・・落ち着いた雰囲気、状況のなかでプーチン大統領に会い、二国間関係のあらゆるスペクトルや日本、ロシア両国ともに憂慮の念を抱く焦眉の国際問題を話し合いたいとする安倍首相の意欲を米政権はあらゆる方法で押さえ込もうとしてきた。日米は今、軍事政治的協力を強化してはいても、対露政策に関しては双方の関心が完全には一致していないことは明白だ。」
はたして、イヴァノフ氏が言うように安倍首相にそこまでの「意欲」があるのだろうか。私には、到底、そうとは思えない。

これまでに、安倍首相は、プーチン大統領の政策にことごとく「反対の意思」を表明してきた。

現に米国と一緒になって行っている、ロシアへの経済制裁を解除していない。
プーチン大統領の招き――ロシアの戦勝70周年記念――にも応じることをせずに、米国の訪問を優先させた。


3) ロシアの挑戦

次に、米国の立場を分析し、「ロシアの挑戦を米国は欧州で中東で受けて立つわけにはいかない」と述べる。

「米国は今、中国と並んでロシアを世界での米国のヘゲモニーを脅かす最たる敵と捉えている。EUや日本のほか、全世界の一連の独立国がするのと同じように、ロシアが米国の方針に従おうはしないことが2008年のグルジアで、2014年、2015年のウクライナ、クリミアで、そして今、シリアで示された。
ロシアが自国の国益を擁護するため、つまりこれはシリアに残るソ連の威光を維持し、『IS(イスラム国)』などのテロリストを殲滅することにほかならないが、そのために武器を手に取ると決意したことは米国にとっては好ましくないサプライズだった。・・・
ケリー国務長官はロシアが空爆しているのはまさにIAであることを初めて認め、ロシアを褒めてまでいる。
だがこれは米国がロシアを危険視しなくなったというわけでは全くない。かといってこのロシアの挑戦を米国は欧州で中東で受けて立つわけにはいかない。
 この2つの地域はテロと難民問題に直面しているため、ロシアとは対立ではなく、協力を必要としているからだ。」
ロシアの「空爆」を非難していた米国が、一転して、ロシアへの非難を「取り下げよう」としている。それは、「パリのテロ事件」がきっかけだ。

これで、フランスが、「重い腰」を上げた。その意味では、「パリのテロ事件」は、逆効果となった、と言う気がする。だから、私は、このテロ事件には、「深い闇」が存在すると思う。

それはともかくとして、今の米国は、「欧州や中東」でロシアと張り合う訳にはいかない、というのがイヴァノフ氏の見立てである。


4) 米ロの「代理戦争」

その代わりに「持ち出されてきた」のが、アジアである、と述べる。しかも、それは、ロシアと米国
ではなく、「日本と中国との対立」として「計画」されようとしてしている、という。
「このため米国の行うロシアとの対立はアジアへと場を移されている。アジアでは米国はすでに中国との完全対立を築き上げている。しかもこうした対立における連合国の主たる役割を米国は日本へと押し付けている
 このためオバマ大統領は安倍首相に、プーチン大統領とは一切真面目なコンタクトを取らぬよう説得するか、それとも日露関係を悪化させる路線を押し付けるか、おそらくそのどちらかだろう。たとえば、領土論争の解決をより積極的に図れとか、ロシアにウクライナのことは忘れろ、クリミアも返してやれと言えと助言するか、またはもっと非現実的なことを思いつくに違いない。」
私には、オバマ大統領が、安倍首相に「領土論争の解決をより積極的に図れ」と、言うとは思えない。

米国にとって、オバマ大統領にとって、日本とロシアが「領土問題」で争い続けてくれるほうが、都合がいいと思うからだ。

「ロシアにウクライナのことは忘れろ、クリミアも返してやれと言えと助言」するかどうかについては、解らない。

もちろん、これは「例えば」のことである

「もっと非現実的なこと」が何を指すのかわからないが、――オバマ大統領は、安倍首相に対して―― 米国の国益に叶うことなら「どんなこと」でも、「命令」するだろう。

そして、おそらく、安倍首相はその「命令」に従うことであろう。


5) 日露関係は良好

最後に、イヴァノフ氏は、日本とロシアの関係について、日本が対露制裁に参加しても、現在の関係は、良好なのだという。そのように評価されていると述べる。

「こうした一方でロシアでは、対日関係は非常に重要で、日本が対露制裁に参加し、二国間の貿易経済協力の全体量が縮小したにもかかわらず、現在の状態はそう悪くないと評価されている。この関係がこの先発展していくか、それともロシアは極東で代替的なパートナーを探さざるをえなくなるか。これはすべて安倍氏がプーチン大統領の訪日期日を決め、対露関係における日本のアプローチを決める際に、オバマ氏のいうことにどれだけ注意を払うかにかかっている。」
さて、では、「対露関係における日本のアプローチを決める際に、オバマ氏のいうことにどれだけ注意を払うか」にかかっているという、イヴァノフ氏の観方について、安倍首相はどういう評価を下すのだろうか。


6) オバマ大統領こそ、「わが命」

「スプートニク」の、この記事のタイトルからすると、そこからは安倍首相に「オバマ大統領に言いなりになるな」、「なって欲しくはない」という気持ちが読み取れる。

私もそう願いたいが、―おそらく―それは「無理な願い」であろう。安倍首相にとっては、米国こそ、オバマ大統領こそ、「わが命」である、と考えているように思えるからだ。

それは、日本の国民として、日本人として、とても「残念」なことであり、「腹立たしい」ことでもあるが、現在の状況下では「如何ともしがたい」ものがある。

それは、野党である民主党内からでさえ、「安倍首相の応援団」が出てくる現状があるからだ。本来は、安倍首相を批判すべき立場にありながら、そうせずに、かえって「助ける」ような行動をとる人々が、民主党の中枢にいる。

今の日本の状況からは、安倍首相の暴走を止めることが難しい。日本の大手マスコミは、スクートニクが書くような記事を載せることは、決してしない。

今やマスコミまでもが、安倍首相に取り込まれている。これが日本の現状である。


(2015年11月22日)

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