<小室 『イスラム原論』(1)>
世界が解る。イスラム教が分かれば、ユダヤ教もキリスト教も分かる。小室直樹氏の「発見した」ことである。混迷の日本にあって、イスラム教の理解こそが、重要である、
と強調された。
本日より、新たに、「イスラム教」に関する本を読んでいきます。
現在、イスラム教に関する本は、少なくないと思われるのですが、この本こそ、基本中の基本というべき「解説書」である、と私は思います。
★ イスラム教が分かれば、ユダヤ教もキリスト教もわかる
【イスラムを知る者は祝福される。
世界の宗教を理解するからである。
世界そのものを知るからである。
世界は一つになったといわれるが、日本人には宗教が腑に落ちないので、外国人がどうにも分からない。世界の人々と付き合ってもらえなくなってしまう。これには困る。
世界の人びとは、誰しも宗教によって行いが決まる。宗教が違えば、当然、行いも違ってくる。
しかし、「宗教が違っても人間は皆同じである」と思い込んでいるのが日本人で、「宗教が違えば、エトス(行動様式)が違う」という”世界の常識”が、どうしても理解できない。
何も考えないで、どこまでも日本流で押し通すから、世界の人々はすぐさま面食らって、「日本人とは付き合いにくい」と思う。かくて日本人は世界で孤立し、海外との交流にも困難を覚えることになった。
振り返ってみれば、無宗教こそ現代日本の宿痾(慢性的な病)に他ならない。
宗教がないから、カルト教団にとっては信者から大金をむしり取るのも、信者に命じて人殺しをさせるのも自由自在。ころほどたやすくカルト教団がはびこれる国は、日本と旧ソ連など一部の無宗教国家しかない。
無宗教の弊害はこれに止まらない。
宗教がなきがゆえに、日本では学校も崩壊し、子どもたちは人を殺しても平気になりきってしまった。しかも、誰もそのことに気が付いてない。
また、経済が破たんすると闇雲に絶望してしまい、自殺が急増するのも宗教なきがゆえである。
さらに言えば、今の大不況も無宗教病の結果とも言えなくはない。
そもそも西洋を起源とする資本主義やデモクラシ―、近代法はすべてキリスト教に深く根ざしている。その根底にはキリスト教の論理がある。
そのキリスト教の理解が不充分だから、資本主義とは名ばかりの、官僚による統制経済がのさばり、政府が七転八倒しても経済は活性化しない。
デモクラシーとは言いながら、今日の日本では司法・行政・立法の三権はすべて役人に簒奪(うばい取る)されてしまっている。その経済無知の役人たちは、近代法が機能していないのをいいことに、市場経済を壟断(わがものにする)し、日本をは今日の淵に追い込んでいる。
それ、全て無宗教のもたらした結果と言っても過言ではない。
・・・・・・・
この地球上に宗教はざまざまあれど、イスラム教ほど日本人にとってありがたい宗教はない。
何となれば、イスラム教が分かれば宗教が分かるからである。
まず第一に、イスラム教ぐらい、宗教らしい宗教はない。宗教の模範と言っても、けっして褒めすぎではない。
無宗教病の日本人が、宗教の本質を理解しようと思えば、イスラム教ほど好個の(もってこい)材料はないのである。
そもそも、イスラム教一神教として先行するユダヤ教、キリスト教に中にある不合理性や毛点を徹底的に研究して生まれた宗教なのだから、その教理は実によく整理されていて、きわめて合理的である。
したがって、その内部論理は宗教オンチの日本人にとっても、ひじょうに理解しやすいのである。
第2に、イスラム教が分かれば、ユダヤ教もキリスト教もわかる。
現代日本人が抱える最大の困難の1つは、キリスト教分からないことである。】
★
この本は、全ページ数、447と言う膨大なものです。挿絵、写真もほとんどなく、活字で埋まっています。
もっとも、非常に丁寧に解説されているので、大変わかりやすい内容になっています。
ただ、宗教についても基本的な本を読んどことがない、と言う向きには、「多少は読みずらい」かも分かりません。
しかし、何事でも、多少の「辛抱強さ」を必要とします。
ガマンをして読み進めて、慣れてくれば、理解が早くなってきます。何度も、同じようなことが繰り返し出てきますから、分かりやすくなっています。
それは、著者が意識して、そうされているように感じます。
今の世界は、まさにキリスト教とイスラム教とのあいだの「宗教戦争」の様相を呈しているように思います。
「イスラム原理主義」という言葉が、マスコミの記事でもよく出てきます。
しかし、小室氏は、そもそも、イスラム教には、「イスラム原理主義」などと言うものは存在しないのだ、と言っておられます。
それは、一体、どういうことなのでしょうか。
このあたりのことも、詳しく解説されています。
(2015年11月26日)
世界が解る。イスラム教が分かれば、ユダヤ教もキリスト教も分かる。小室直樹氏の「発見した」ことである。混迷の日本にあって、イスラム教の理解こそが、重要である、
と強調された。
本日より、新たに、「イスラム教」に関する本を読んでいきます。
現在、イスラム教に関する本は、少なくないと思われるのですが、この本こそ、基本中の基本というべき「解説書」である、と私は思います。
★ イスラム教が分かれば、ユダヤ教もキリスト教もわかる
【イスラムを知る者は祝福される。
世界の宗教を理解するからである。
世界そのものを知るからである。
世界は一つになったといわれるが、日本人には宗教が腑に落ちないので、外国人がどうにも分からない。世界の人々と付き合ってもらえなくなってしまう。これには困る。
世界の人びとは、誰しも宗教によって行いが決まる。宗教が違えば、当然、行いも違ってくる。
しかし、「宗教が違っても人間は皆同じである」と思い込んでいるのが日本人で、「宗教が違えば、エトス(行動様式)が違う」という”世界の常識”が、どうしても理解できない。
何も考えないで、どこまでも日本流で押し通すから、世界の人々はすぐさま面食らって、「日本人とは付き合いにくい」と思う。かくて日本人は世界で孤立し、海外との交流にも困難を覚えることになった。
振り返ってみれば、無宗教こそ現代日本の宿痾(慢性的な病)に他ならない。
宗教がないから、カルト教団にとっては信者から大金をむしり取るのも、信者に命じて人殺しをさせるのも自由自在。ころほどたやすくカルト教団がはびこれる国は、日本と旧ソ連など一部の無宗教国家しかない。
無宗教の弊害はこれに止まらない。
宗教がなきがゆえに、日本では学校も崩壊し、子どもたちは人を殺しても平気になりきってしまった。しかも、誰もそのことに気が付いてない。
また、経済が破たんすると闇雲に絶望してしまい、自殺が急増するのも宗教なきがゆえである。
さらに言えば、今の大不況も無宗教病の結果とも言えなくはない。
そもそも西洋を起源とする資本主義やデモクラシ―、近代法はすべてキリスト教に深く根ざしている。その根底にはキリスト教の論理がある。
そのキリスト教の理解が不充分だから、資本主義とは名ばかりの、官僚による統制経済がのさばり、政府が七転八倒しても経済は活性化しない。
デモクラシーとは言いながら、今日の日本では司法・行政・立法の三権はすべて役人に簒奪(うばい取る)されてしまっている。その経済無知の役人たちは、近代法が機能していないのをいいことに、市場経済を壟断(わがものにする)し、日本をは今日の淵に追い込んでいる。
それ、全て無宗教のもたらした結果と言っても過言ではない。
・・・・・・・
原著の表紙 |
この地球上に宗教はざまざまあれど、イスラム教ほど日本人にとってありがたい宗教はない。
何となれば、イスラム教が分かれば宗教が分かるからである。
まず第一に、イスラム教ぐらい、宗教らしい宗教はない。宗教の模範と言っても、けっして褒めすぎではない。
無宗教病の日本人が、宗教の本質を理解しようと思えば、イスラム教ほど好個の(もってこい)材料はないのである。
そもそも、イスラム教一神教として先行するユダヤ教、キリスト教に中にある不合理性や毛点を徹底的に研究して生まれた宗教なのだから、その教理は実によく整理されていて、きわめて合理的である。
したがって、その内部論理は宗教オンチの日本人にとっても、ひじょうに理解しやすいのである。
第2に、イスラム教が分かれば、ユダヤ教もキリスト教もわかる。
現代日本人が抱える最大の困難の1つは、キリスト教分からないことである。】
★
この本は、全ページ数、447と言う膨大なものです。挿絵、写真もほとんどなく、活字で埋まっています。
もっとも、非常に丁寧に解説されているので、大変わかりやすい内容になっています。
ただ、宗教についても基本的な本を読んどことがない、と言う向きには、「多少は読みずらい」かも分かりません。
しかし、何事でも、多少の「辛抱強さ」を必要とします。
ガマンをして読み進めて、慣れてくれば、理解が早くなってきます。何度も、同じようなことが繰り返し出てきますから、分かりやすくなっています。
それは、著者が意識して、そうされているように感じます。
今の世界は、まさにキリスト教とイスラム教とのあいだの「宗教戦争」の様相を呈しているように思います。
「イスラム原理主義」という言葉が、マスコミの記事でもよく出てきます。
しかし、小室氏は、そもそも、イスラム教には、「イスラム原理主義」などと言うものは存在しないのだ、と言っておられます。
それは、一体、どういうことなのでしょうか。
このあたりのことも、詳しく解説されています。
(2015年11月26日)
0 件のコメント:
コメントを投稿