2015年11月8日日曜日

韓国の深慮遠謀「米中、南シナ海の緊張高める行為を自制すべき」

これこそ、韓国の深慮遠謀といえるだろう。韓国の中央日報(日本語版)が、社説で、「米中、南シナ海の緊張高める行為を自制すべき」という記事を載せた。記事は、 南シナ海をめぐる米国と中国とのあいだで「葛藤」が深まっている、と指摘する。


中国は、南シナ海の大部分を自国の領海だと主張する。そして、人工島の建設を強行した。一方で、米国は、これに反対し「競争的な武力示威」を行っている。

その結果、緊張が高まり、「偶発的な衝突の可能性」に対する懸念も強まって来ている、と述べる。


 偶発的な衝突の可能性に対する懸念=「中央日報」 

南シナ海をめぐる米中間の葛藤が深まっている。南シナ海の大部分を自国の領海だと主張して人工島の建設を強行している中国と、これに反対する米国の葛藤が競争的な武力示威の様相に拡大している。緊張が高まり、偶発的な衝突の可能性に対する懸念も強まっている。

  カーター米国防長官は5日、南シナ海で米海軍の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」に搭乗した。先月末に米海軍駆逐艦を中国が建設した人工島周辺12カイリ以内を航行させて実力を行使したのに続き、今回は国防長官が対中国武力示威をした。中国は主権と安保利益を脅かす深刻な挑発行為だと規定し、自国の領海を侵犯する仮想敵国の艦艇に対する実弾射撃訓練を警告した。 ≫


 「米中、南シナ海の緊張」も、韓国の国益が「優先」

この社説が言いたいことは、要するに「中国は人工島の建設を自制し、米国は武力示威を自制することで、これ以上緊張が高まらないようにするべきだ」ということにある。

それを、「クジラの争い」と「魚」に例える。それは、二頭のクジラ同士の戦いに、「韓国」を巻き込まないでほしい」という主張に思える。

もちろん、批判をさけるために、用意周著に「両強大国だけの問題」ではなく、東アジア諸国の、全体の問題だ」と、表現するが。


さらには、末尾において、「両国が韓国に圧力を加えることも正しいことではない」と、米国と、中国を牽制することも忘れては、いない。

韓国にとっては、「米中、南シナ海の緊張」も、自国に安全保障にとっての観点からの視点が中心になっている、ように思える。 それは、当然のことかもかもも知れない。


 「朝日」と「産経」の主張

さて、では、わが国のマスコミは、いかなる論評を行っているのだろうか。

朝日新聞は、6月2日に「中国は埋め立てを中止せよ」とのべ、10月28日の社説では、「各国、共通の利益を守れ」という記事を掲載した。

どちらも、有料記事になっており、書き出しに部分のみの閲覧しかできない。

タイトルから察するに、「米国の立場」を擁護する傾向が強い内容になっているいるように思える。それは、同時に安倍政権に対場を擁護するものである、ということでできるだろう。

産経は、「航行の自由作戦 平和の海へ日米連携せよ」と言うタイトルで、同じく10月28日に、「主張」を掲載した。
その記事において、
南シナ海で中国が「領海」と主張する人工島の周辺12カイリ内の海域を、米イージス駆逐艦が航行した。米哨戒機も上空を飛んだとみられる。
この作戦は国際法にもかなうものだ。何よりも中国の南シナ海支配を防ぐために欠かせない。
 アジアの平和と秩序を守る意思を、米国が行動で示した意義は大きい。今後も人工島周辺での航行や飛行は随時、行うという。
 安倍晋三首相は「国際法にのっとった行動であると理解している」と述べた。より明確に支持を表明すべきだろう。」
と主張している。


 「戦争をする覚悟」があるのか

私は、中国の立場も分かる。「自国の庭先」に、多数の米軍の基地を作られれば、当然、それに対抗したくなるだろう。自国の安全保障を考えれば、中国としては、当然の対応だろう。

まして、台湾が「親米的」で、「反中国」の政策を掲げている以上は、中国が太平洋に出ていくための航路を確保したいと思うのは、無理もないことだ。

米国は、日本をはじめ、フィリピンやオーストラリアなどと連携して、軍医訓練を中国の庭先で盛んに行っている。これこそ、――私には――挑発行為に見える。

何でも、自分の思うようにしたい」という志向は、「わがままな子供」と同じである。言うことを聞かないのなら、「武力」に訴えてでも、――相手に――「いうことを聞かす」という発想は、もう今日の時代にはそぐわない。

「戦争をする覚悟」があるのなら別だが、「無用な挑発」は、するべきではない、と私は思う。


(2015年11月8日)

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