『戦後最悪の火山災害となった長野、岐阜県境の御嶽(おんたけ)山(三、〇六七メートル)の噴火で、死亡が確認された五十一人のうち、少なくとも十九人は頭や首に噴石が当たり、致命傷を負っていたことが五日、検視を担当した医師や警察官への取材で分かった。
火山の専門家は、火口から飛び出した噴石は時速約三百キロで地面に落下したと推測しており、頭などに直撃を受けた人の多くは即死状態だったとみられる。
火山の専門家は、火口から飛び出した噴石は時速約三百キロで地面に落下したと推測しており、頭などに直撃を受けた人の多くは即死状態だったとみられる。
長野県警によると、五十一人のうち五十人の死因は噴石の直撃などによる「損傷死」で、一人は熱風を吸い込んだことによる気道熱傷だった。検視した医師らによると、五十人のうち十六人は頭に噴石が当たり、脳挫傷などを引き起こし、三人が首に致命傷を負っていた。それ以外の人は、体のあちこちに噴石が当たったことによる「多発性外傷」の所見がみられた。
遺体を検視した木曽医師会会長の奥原佐(たすく)医師(65)は「筋肉が断裂するくらい深い傷ややけどを負った人もいた。熱を持った石がものすごいスピードで雨あられのように飛んできたのだと思う」と話した・・・』 ◆ 中日新聞
◆ 吹き上げてきたガスによる窒息死ではない
犠牲になった五十一人のうち、五十人の死因が、噴石の直撃などによる「損傷死」のようだ。
吹き上げてきたガスによる窒息死ではない、ようだ。
火山灰の上に、噴石が落ちてできた「クレーター」状の穴の分布を調べた結果、噴石は、最長約一キロ先まで到達していた。
火口から一キロ先まで到達した場合、噴石の初速は時速約三百六十キロで、標高差を考慮すると、人のこぶし大から頭の大きさぐらいの噴石が、時速約三百キロで地面に落下した。
これは、「筋肉が断裂するくらい深い傷ややけどを負った人もいた。熱を持った石がものすごいスピードで雨あられのように飛んできたのだと思う」と言う医師の判断と符合する。
当初考えられていたよりも、強力な破壊力を持った噴火であることが解る。
水蒸気爆発だからと言って、安易に見過ごすことが出来ない。
(2014/10/6)
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