天国になるのか、それとも、地獄を見ることになるのか。『日本政府のあらゆる尽力にも関わらず、日本経済は全く蘇生する気配を見せていない。大規模支援の甲斐なく状況はますます下降線をたどっており、先週発表された統計は二重のショックを国民に与えた。 先週、日本の失業率が今までの3.1%から3.3%に上昇したことが明らかにされた。この数値は今年1月からの間で最高で、これにより主婦の財布の紐が引き締められた。』
このように、「スプートニク」は、アベノミクスを評価した。
◆ アベノミクスは死んだ=「スプートニク」の記事から
【ところが今、明らかにされていることはそれよりも更にひどい。小売業の売り上げも当初の予測の0.6%ダウンを上回り、最新の調査では1%減少していることが明らかになった。2014年に行われた消費税増税による、その前後の影響を考慮しない場合、この売り上げダウンは2011年の東日本大震災以来、最大となっている。
【ところが今、明らかにされていることはそれよりも更にひどい。小売業の売り上げも当初の予測の0.6%ダウンを上回り、最新の調査では1%減少していることが明らかになった。2014年に行われた消費税増税による、その前後の影響を考慮しない場合、この売り上げダウンは2011年の東日本大震災以来、最大となっている。
沖縄県VS国、基地問題はどちらに軍配?
工業生産の景気もいまひとつ。11月、指標は3ヶ月間で初めて落ちたが、これは世界第3位の経済大国の復興は少なくとも2016年の初めに持ち越されたことを示している。
メーカーは近い将来にも生産拡大を考慮しているものの、弱弱しいデーターは期待された輸出と需要の増加で経済は押し上げられ、2%の目標レベルまでインフレを速めるという日本銀行の予測に疑問を呈すものとなった。
個々の指標が物語るのは、異常高温気象による冬物の被服販売に大きな損失が出て、これにより小売販売が年間で1%落ちこんだ事実。
エコノミストらは輸出における再生の兆候はすでにあることから、工業に方向転換が起きることは期待できると指摘している。一方で需要は依然として低いままで、とても経済復興に力を貸すどころではない。】
◆ 第1のアベノミクスは失敗
安倍首相にとっては、「目をふさぎたくなる」指摘である、ことだろう。現実だろう。たが、この「スプートニク」の観方は、間違いではない。恐らく、正鵠を得るものだろう。
なぜなら、安倍首相は、安保法制を成立させた後、第2のアベノミクスと称して、「1億総括」なるものを、全面に打ち出し、第1のアベノミクスについては、何も言わなくなった。
「1億総括躍」という言葉で、国民の目を第1のアベノミクスから反らそうとした。国民の目を塞ごうとして、躍起になっている。このことは、第1のアベノミクスが、失敗に終わった、と言うことを証明するものだ。こう断定しても、当たらずと言えども、遠からず、ということになろう。
そもそも、第1のアベノミクスが成功したのなら、わざわざ、1億総括躍」などという目標を打ち立てる必要がない。こういうことに、なる。
◆ 利己的で、無能な官僚
また、第1のアベノミクスは、公共投資をして、経済を活性化させると、言うものである。
だが、公共投資が成功するためには、前提となる条件がふたつ、ある。
それは、官僚が、清廉潔白である、こと。もう一つは、金利が十分に高い水準にあるということ、が必要だ。
官僚が「無欲」で、かつ、有能で正しい判断が出来る人々である、ことが必要なのである。
だが、現実には、このふたつとも、成立しない。
官僚が国民の暮らしを考えずに、自分たちの利益だけを考えて行動するということを、れわれわは、イヤというほど見せつけられてきた。
また、1990年のバブル以後、3・11、オリンピック(新国立競技場)関係の「不手際」などの出来事の中で、官僚がいかに無能で、正しい判断をすることが出来ない人々である、のかということもはっきりとした。
また、1990年のバブル以後、3・11、オリンピック(新国立競技場)関係の「不手際」などの出来事の中で、官僚がいかに無能で、正しい判断をすることが出来ない人々である、のかということもはっきりとした。
◆ 天国と地獄
一方で、金利は、――皮肉を込めて言うのだが――十分過ぎるほどに「低い」、しかも、その状態が長年続いている。低いどころか、「ゼロ金利」という状況にある。
これでは、だれも、銀行にお金を預けようという気持ちになる訳がない。みんな、「タンス預金」にまわる。つまり、投資に向かわない。
これでは、有効需要の原理は働かず、経済が活性化しないし、消費も伸びない。公共投資が成功しなければ、民間企業の活動を活性化させることは、出来ない。
このことは、すなわち、アベノミクスが失敗した、ということになる。――年の瀬に「暗い話」なるが――これは、新年があまり「良い年になること」は、ない、であろうということを暗示するものだろう。
マスコミは、休養中の安倍首相が、ゴルフで「大活躍」をした。「非常に気持ち良く、首相就任以来一番良いスコアが出た」という安倍首相の「談話」を記事にしている。
これは、先日、慰安婦問題で「”日韓の合意”が出来た」ということが関係しているのか。しかし、これが「凶と出るか、吉と出るか」は、まだ未定だ。
これは、先日、慰安婦問題で「”日韓の合意”が出来た」ということが関係しているのか。しかし、これが「凶と出るか、吉と出るか」は、まだ未定だ。
(ただ、現状をみるかぎりは)どうやら今の日本では、安倍首相の「ひとり勝ち」の状態にある、ようだ。この状態が来年も続くのか。もし、続くのなら、それは安倍首相にとっては、「天国」だろう。
だが、日本の国民にとっては、「地獄」が待っている、ということになる。私は、そう思う。
(2015年12月31日)
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