2015年12月1日火曜日

白井聡氏と島田雅彦氏「幼稚な与党と、セコい野党」

「十把ひとからげ」的な議論には、賛成できない。もっとも、「気軽な対談である」、ということなら、それも「許される」かもしれない。白井聡氏と島田雅彦氏が、対談。今の日本の政治を、「幼稚な与党と、セコい野党」と表現し、批判した。

その島田雅彦氏と、白井聡氏の「対談」を「現代ビジネス」が掲載している。

そのタイトルは、「なぜ日本の政治はこれほど「劣化」したのか?  幼稚な権力欲を隠さぬ与党とセコい野党 特別対談 島田雅彦×白井聡」である。


 「政治のリビドー分析」=「現代ビジネス」の記事より

政治の劣化というのは昔から言われてきましたが、これまでとは全然レベルが違う何かが起こっているのは確かです。そんな状況で、「立憲主義というのは基礎の基礎なので守ってもらわないと困りますよ」という話をいろいろな学者がしているのですが、僕としてはその中でも、政治のリビドー分析のようなことが自分の仕事だと考えています。

・・・

小選挙区制になって権力が党中央に集中するようになったという事情もあるんですけど、制度論だけではつまらないし、結局は制度がどうであろうが、最終的には人の根性の問題なんです。要するに、こんなものすごく近視眼的な状況でいいんでしょうか、ということですね。

野党の方はどうなのかというと、島田さんは彼らの権力欲が弱いとおっしゃいましたが、僕はどうもセコいと感じます。】


 「十把ひとからげ」的な議論

白井氏は、今を時めく、40歳前の新進気鋭の「論客」でもある。上に「引用した」文章は、その白井氏の発言の一部を抜粋したものである。

白井聡氏は、「早稲田大学総長を務めた白井克彦の子として東京都に生まれる。浅野中学校・高等学校を経て、2001年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。2003年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。2006年一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。2010年一橋大学博士(社会学)。論文の題は「レーニンの政治思想 比較思想の試み」である、と「wikipedia」には紹介されている。

2013年『永続敗戦論――戦後日本の核心』で、第4回いける本大賞をとった。

『永続敗戦論――戦後日本の核心』で、白井氏は、「戦後日本は対米従属的な政治体制により、日本人の歴史的意識から敗戦の事実を追いやり戦争責任を否定することが可能となり、それにより(対米従属的な)政治権力の正当性を保つことができた」という分析を「試みている(=投稿者)」(「wikipedia」の記事)。

実は、この記事は、「相当に長い」ものであるので、すべての文章について、「検討」を加えることは、「大変」である。(すくなくとも、私にとっては。)

そういう事情であるので、この記事においては、一部分のみを取り上げた。
私が気になった箇所は、マーカーで印をして置いたとおりである。

ちなみに、リビドーとは、「性的衝動を発動させる力」のことである。これも「wikipedia」の記事から、引用した。

「政治の劣化」ということは、何を意味するのか、ということについての「説明」がないように思える。仮に、もし、それが「政治家」の劣化ということであれば、あまりに「粗雑」な議論である、と思う。

「最終的には人の根性の問題」である、という説明も、私には納得がいかない。だからといって、ここで、反論するほどの「論理」を、私が持ち合わせているわけでもない。

ただ、「根性論」というのは。「感情論」を持ち出すのは、「ちょっと、どうか」と思うだけのことである・・・・。

さらに、野党が「セコい」という「判定」には、同意しかねる。兎に角、「十把ひとからげ」的な議論は、いただけない。そう思う。

別に機会に、じっくりと「検討」を加えてみたい、と思っている。この記事では、これぐらいにしておきたい、と思う。

(2015年12月1日)

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