2015年12月21日月曜日

“泥舟”に見切りか「豊田社長が五輪組織委副会長を辞任へ」

「沈みゆく」泥舟に、「見切りをつけた」か。
トヨタ自動車の豊田章男社長が、2020年東京五輪・パラリンピックの組織委副会長を辞任した。近くに正式決定される。




毎日新聞は、トヨタの生産方式として知られる「見える化」などを導入する組織運営改革案が今月18日の理事会で承認されたことから、改革に一定の道筋が付いたと判断し、この時期での辞任を決めた、との見方を示した。

一方、共同通信は、「現在の組織委の運営態勢に疑問を持っていたとの見方も出ており、財界の実力者の退任が波紋を広げる可能性もありそうだ」と、言う見方の記事を配信した。


 トヨタ自動車の豊田章男社長が、組織委副会長を辞任=「毎日新聞」

【 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は21日、トヨタ自動車の豊田章男社長(59)が組織委副会長を辞任したと発表した。本人から今月18日に申し出があり、21日付で了承された。後任にはパナソニックの津賀一宏社長(59)が就任する予定で、近く、理事会・評議員会を開いて正式決定する。

 豊田氏は経済3団体でつくる「オリンピック・パラリンピック等経済界協議会」会長を務めており、組織委によると、経済界として五輪に要望する側と、要望を受ける側の「兼任」は望ましくないと判断した。


 「沈みゆく」泥舟に、「見切りをつけた」か

冒頭にも書いたように、毎日新聞は、記事の中で「改革に一定の道筋が付いたと判断し、この時期での辞任を決めた」と、言う判断をした。

東京新聞は、共同が配信した記事を、そのまま掲載している。共同に記事は、豊田氏が「現在の組織委の運営態勢に疑問を持っていたとの見方」も出ている。

今後、この辞任が波紋を呼びそうだ、という見方を示した。


それは、豊田氏が、大会公式エンブレムの白紙撤回問題を受けて発足した組織委の改革チームの座長を務めたなかで、組織の体質改善に取り組んできた。

それが、「突然の辞任となった」からだ、と書く。



「毎日」の記事と、共同の記事を読み比べると、まったく正反対の「観方」、「受け取り方」をしているように感じられる。

以前に森会長は、「本当の会長は豊田さん。もしも私に何かあったら、きっと代わりに務めてくれる」と、語ったことがある。

これで、森会長は「後継者」を失った、という事態になった、といえる。

マスコミの観方と違い、豊田氏の辞任は「森会長に愛想を尽かした」というのが、「真相」ではないかと、私は思う。

先日には、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が試算した、大会運営に必要な費用が、当初見込みの3013億円から約6倍となる1兆8000億円に増大することがわかった、と報じられた。

新国立競技場で、「ケチがつき」、また、今度は運営経費が、「水増し」されようとしている。それも、3013億円が、2兆億円近い金額にになる、という「とんでもない」試算が出された。

それで「沈みゆく」泥舟に、「見切り」をつけた。これが、豊田氏の「本心」のように思えるのだ。

そうでなけば、今の、このタイミングは、不自然である。


(2015年12月21日)

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