2015年12月22日火曜日

フクイチ事故、その後「環境省が森林除染の”放置”を決定」

これは、「あとは野となれ山となれ」ということだ。環境省が、「フクイチ事故の放射性物質で汚染された森林のうち、住民の生活圏から離れた場所では間伐にとどめ、除染で土や落ち葉を取り除かない方針」を決定した。



無責任極まる、発想であり、決定である、と思う。また、これは、安倍政権には、「フクイチの事故を解決する能力がない」と認めたに等しい、ということでもある。

 住民の生活圏から離れた場所での除染をなおざりに=「読売新聞」

環境省は21日、東京電力福島第一原発事故の放射性物質で汚染された森林のうち、住民の生活圏から離れた場所では間伐にとどめ、除染で土や落ち葉を取り除かない方針を決めた。
東京都内での21日の有識者会議で、同省は、森林から生活圏に影響を与える放射性物質の飛散は調査で確認されなかったと主張。取り除こうとすると土や落ち葉が広がり汚染を拡大させると説明し、流出防止の柵を取り付けるにとどめることを提案して了承された。
同省は、生活圏から約20メートルの範囲以外では原則的に森林で除染を実施していない。自治体は森林から流れ出した放射性物質で生活圏が汚染されているとして国に森林除染を求めていた。・・・】

 これで「国民の安全」が守れるのか

これが、「国民の命と暮らしを守る」と述べる安倍首相が行っている政治の実態である。これで、本当に胸を張って、国民の安全を守る、と言えるのか。

守っていると、明言できるのか。「守っている」と安倍首相が明言できるのなら、これほど「能天気」な話はない。我々は、安倍首相の「精神が正常化どうか」疑ってみる必要がある。

「間伐にとどめ、除染で土や落ち葉を取り除かない方針」を決めた理由が、「取り除こうとすると土や落ち葉が広がり汚染を拡大」することになるからだと、言う。

その一方で、「森林から生活圏に影響を与える放射性物質の飛散は調査で確認されなかった」と述べる。もし、本当にその通りなら、「汚染を拡大」する心配をする必要がない、と言うことになるではないか。 

除染をすること自体、「無駄なこと」ではないか。

しかも、「流出防止の柵を取り付ける」ことで、「対策とする」のだという。彼らは、本当に放射性物質がどういうものであるのかということが、解っているのか。

本当は、「解っていない」のではないか。それとも、解っているけれども、「手の施しようがない」ので、ごまかしているのか。

これでは、まるで「水鉄砲で、潜水艦」を沈めるようなものである。何も知らない、「幼児の発想」だ。これで、「対策になる」と真剣に考えているとしたら、そら恐ろしいことである。


 有識者会議が認めれば、いいのか

それを有識者会議が了承した、と言う。この有識者会議なるものが、どのような人びとで構成されているのか知らないが、安倍政権や自民党は、学者の説を信じない、人びとではなかったのか。

「学者は世間のことも、学問も知らない」と言ったのは、安倍政権であり、自民党の高村氏らだ。

その人びとが、今度は、彼らが否定した「学者ら」を認めるのか。彼らが認めるから、了承するから、それでいいのか。許されるのか。不思議なことだ。

安倍政権の方針について、福島県の内堀知事は、「住民生活と密接に関わる大切なエリアで、しっかり対応してほしい」と話した、と記事は書く。

当然の反応だろう。

(2015年12月22日)

0 件のコメント: