これは、安倍政権による教育の「国家統制」が、本格始動を開始した、ということだろう。
財務省が、全国の公立小中学校の教職員定数を、2024年度までの9年間に原則として約3万7千人削減するよう、文部科学省に求める方針を固めた、ようだ。
バラまき外交で税金の無駄遣いをしながら、国の根幹である教育行政の財源を削減する。これこそ、「反国家的行為」にほかならない、と思う。
◆ 約3万7千人削減を要求へ=「佐賀新聞」(共同配信)の記事から
【財務省は22日、全国の公立小中学校の教職員定数を、2024年度までの9年間に原則として約3万7千人削減するよう文部科学省に求める方針を固めた。定数全体の約5%に当たる。いじめ問題などに対応して政策的に上乗せしている人員枠も例外扱いせず、少子化で児童・生徒数が減ることを反映させた。
財務省は26日の財政制度等審議会の分科会に示し、16年度予算編成に臨む。歳出抑制が狙いだが、文科省や教育現場の反発は確実で、厳しい折衝となりそうだ。
15年度の小中学校の教職員定数は約69万4千人。財務省の試算では、このうち学級数などに応じて決まる「基礎定数」は子どもの数を踏まえると9年間で約3万3千人減る。さらに、政策的に配分する「加配定数」も、学級数に対する人数の割合を維持した上で少子化の影響を当てはめると約4千人減る。財務省は、この見通しを基準に定め、追加の人材配置は教育効果が確実に見込まれる場合に限る姿勢だ。】
◆ 国家権力による教育の「国家統制」が、本格化へ
この記事で、注目すべきところは、「財務省は、この見通しを基準に定め、追加の人材配置は教育効果が確実に見込まれる場合に限る姿勢だ」という、箇所である。
「教育効果が確実に見込まれる場合」が、どういうことを想定しているのか。どうやってそれを判定するのか。これらのことを別としても、要するにこれは「国の方針に従う自治体や学校」には、追加予算をだす、ということだ。
「霞が関文学」の表現を読み取ると、そうなる。
このことは、安倍政権が、本格的に、国家権力による教育の「国家統制」を開始した、ということを示すものだ。
予算措置に制限を設けることで、公立学校の現場を「統制」しようとするものだ。これは、今後は「有無を言わせない」ということであり、「問答無用」の対応をする、ということを示したものである。
このことは、安倍首相のこれまでの学校教育への、一連の対応に示されてもいる。安倍首相は、教員採用試験を統制し、教員養成を統制する「施策」を打ち出してきた。
公立学校の教員の削減は、それと「軌を一にする」ものである、ということができる。
国会の審議において、自分の席から「日教組どうするの」という「ヤジ」を飛ばしても、「テンとして恥じない」安倍首相のことである。日教組の教師が、「充満している」今の学校現場が、「お気に召さない」のだろう。
そういう教師らを、「一掃したい」のだろう。そのための「公立学校の教員の削減」なのだろう。
(2015年12月22日)
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