2014年9月1日月曜日

LS:第186回 参議院予算員会質問 安倍首相が、沖縄県外に向けた努力を十二分に行うべき

こんな姑息なやり方は、沖縄の県民を愚弄するものである。


1≫ 沖縄タイムス の記事より__。

記事は、「内閣府の今回の概算要求の特徴は、
「安倍首相の振興予算確保発言」
知事の埋め立て承認」
「11月の県知事選」
この三位一体にある、と書いている。

仮に、この記事が書く通りであるとすれば、これらの内の「11月の県知事選」の結果如何で、予算も変わってくる、という事に成る。


『内閣府は、2015年度の沖縄振興予算として3794億円を財務省に概算要求した。14年度当初予算に比べ293億円(8・4%)の増となる。
 内閣府の後藤田正純副大臣は29日、那覇市内で開かれた会合に出席し、「財政的に厳しい県もある中で、沖縄はうらやましがられている」とのたまった。
 後藤田副大臣は何が言いたかったのだろうか。「沖縄県民は政府の温情にもっと感謝すべきだ」と言いたかったのか、それとも「これも仲井真弘多県知事のおかげだから、知事選は一つよろしく」と言いたかったのだろうか。
 内閣府幹部に至っては、新基地建設に反対する知事が誕生した場合、「予算の蛇口は絞る」と露骨に脅しをかける
 昨年12月25日、安倍晋三首相と会談した仲井真知事は、会談のあと記者団の取材に答え、「有史以来の予算」「いい正月になる」と言ってのけた。名護市辺野古の埋め立てを承認したのは、その2日後の27日のことである。
 内閣府の今回の概算要求の特徴は、昨年12月の安倍首相の振興予算確保発言と、知事の埋め立て承認と、11月の県知事選の三つが、深く連動して浮上したことである。
 普天間飛行場の返還合意以降、「基地マネー」がさまざまな形で沖縄に投入され始めた。基地と振興策の「リンク論」が公然とささやかれるようになり、沖縄振興予算は基地受け入れの「見返り」「懐柔策」としての性格を帯びるようになった。・・・』(沖縄タイムス 8/31)

2≫ 安倍首相は、米軍基地が沖縄県民を苦しめてきたことを、解っていない

まさしく、これは、「アメとムチ」の政策にほかならない、といえる。
誰にでも、すぐに理解できることだ。

この事は、別の面から見れば、安倍首相が、心から、沖縄の事を考えているのではない、という事を示すものだ。

「太平洋戦争」で、沖縄の住民が、どれ程の犠牲を払い、多くの命を捧げ、郷土を焼野原にされ、苦しんだのかを、全くわかろうとしない態度のように見える。

そして、戦争が終わった後も、日本の中において、もっとも、長く占領され続けた。
今なお、郷土の多くを、米軍に取られ、占領されていることを、見ようとしない。

沖縄に、米軍基地があることで、どれだけ、沖縄の人々が、傷つけられ、苦しめられてきたかを、理解しようとしないものだ。

幼い、若い心と体が、蹂躙され、辱められてきた苦しみを理解しようとしないものだ。

3≫ 沖縄こそが、安全保障政策の負担と犠牲を、どこよりも負ってきた

安倍首相は、7月23日には、米軍普天間基地の移設に関して、
「沖縄の負担軽減のために政府としてできることは全て行う。これが安倍政権の基本的な姿勢だ」
「基地負担をみんなで分かち合うことが大切だ。そのことを理解してもらえるように丁寧に努力していきたい」
と述べた。

だが、それは、「空手形」であった。

今、安倍首相は、多くの、沖縄の県民の反対を押し切り、__巡視船を19隻も動員して__辺野古の海上基地の建設を急がせている。

これが、安倍首相のいう「理解してもらえるように丁寧に努力」するという事なのだ。
「巡視船を19隻も動員して」、基地の建設のための調査をすることが、__安倍流の__理解してもらえるように丁寧に努力」する方法なのだ。

これで、どうして、沖縄の県民の理解が得られると思えるのか。
それこそ、理解できないことである。

この事について、沖縄タイムスの記事は、次のように言う。

『このような予算の付け方は、沖縄内部の対立を助長し、誇りや自立心を失わせ、地域の健全な発展を妨げるだけである。

だが、安全保障政策について、ほんとに甘えているのは誰なのか。
 戦後この方、安全保障政策の負担と犠牲をどこよりも負ってきた地域はどこなのか。
 理不尽な圧力に屈してはならない。
 政府が、金と基地をセットにして新基地の受け入れを迫るようであれば、のしをつけてお返ししよう。』(同上)
と。

(追加の記事)

第186回 参議院予算員会の質問
脇雅史議員の質問次のような質問に対して。

『・・・・政府を挙げてこれから普天間の移転の問題と沖縄の基地負担の軽減ということについて取り組んでいかなければならないので、これは是非一歩でも進めていただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。何か答弁がありましたら』。

安倍首相は、以下のようにように答弁していた

『具体的には、地元の皆様の目に見える形で負担を軽減することが重要であ

ると考えておりまして、そのためには、沖縄県外におけるそれに向けた努力

を十二分に行うべきであると考えています。仲井眞知事からは普天間飛行

場の五年以内の運用停止を含む御要望をいただいております。これは沖縄

県民全体の思いとしてしっかりと受け止め、米国を始め、これは相手がある

ことではありますが、政府を挙げてその実現に向けて全力で取り組んでまい

る考えであります。
そして、具体的な取組といたしましては、現在、普天間飛行場に所在する空

中給油機、KC130でありますが、十五機については本年六月から九月の

間に全機、これは全てでありますが、岩国飛行場への移駐を進めてまいりま

す。そして、オスプレイについては、まずはその訓練等の約半分を県外で行

こととしました。また、牧港補給地区については返還までの期間を最大限

短縮をいたします。このため、防衛副大臣をヘッドとする沖縄基地負担軽減

推進委員会を設置をして、具体化に向けた作業を現在精力的に進めている

ところであります。
また、これは環境に関してでございますが、これは日米地位協定を補足する

新たな政府間協定を作成するため日米交渉を開始することで米側と合意を

したところでございまして、これは日米のこの地位協定発効後初めてのこと

になるわけでございます。しっかりとこの取組においても結果を出していきた

と考えておりますし、負担軽減に向けて政府一丸となって取り組んでまいり

ます。』
 (2014/9/2)
             ≪関連サイト案内≫
*”参議院予算委員会の質問”=脇雅史ホームページ  2/5
  http://www.waki-m.jp/diet/20140205-p005.html

*”普天間問題「私の切なる願い」仲井真知事”=産経ニュース 1/4
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140104/plc14010412010005-n1.htm

*”県、岩礁破砕を許可 年度内に辺野古埋め立て着工”=琉球新報 8/29
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-230798-storytopic-3.html

*”知事、国に補償要請へ 辺野古移設 久辺3区18項目”=琉球新報 8/30
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-230850-storytopic-3.html

辺野古沖で海保が一時市民20人拘束 浮具内カヌーで航行”=琉球新報 8/31
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-230881-storytopic-3.html

(2014/9/1)