2014年9月21日日曜日

菅官房長官がテレビで発言  「消費税率の引き上げの判断時期は、GDP発表後に」_

この菅官房長官の発言は、自民党の谷垣幹事長の認識とは、明らかに違う。
だから、長官は、自民党の谷垣幹事長の発言の「火消し」をした、とみるべきであろう。

1) 西日本新聞の記事より__

菅義偉官房長官は、消費税率を、引き上げるかどうかの判断時期について、国内総生産(GDP)改定値発表後になる、との見通しを明らかにした。


GDPの改定値は、12月8日に行われる。


『菅義偉官房長官は20日午前の読売テレビ番組で、来年10月に消費税率を10%へ引き上げるかどうかの判断時期について、ことし12月8日に予定される7~9月期の国内総生産(GDP)改定値発表後になるとの見通しを明らかにした。

 これまで甘利明経済再生担当相は12月初めがめどになるとの認識を示していた。

さらに時間をかける姿勢を見せた発言で2015年度予算編成作業に影響が出る可能性もある。菅氏は「状況を客観的に見据えて安倍晋三首相が慎重の上にも慎重に判断する」と述べた。 』=西日本新聞 9/20


2) 内閣の閣僚だけでなく、自民党内までも、従わせようとしている

9月8日に菅長官は、内閣の改定後に、新たに任命された、閣僚に対して、
「内閣の方針は、すべて総理と官房長官が示すので、閣僚にはそれに統一するよう伝えた。閣僚として問われるのだから、あくまで安倍内閣の閣僚として発言すべきで、個人としての発言は許されない」と述べた。

この事は、実は、単に安倍内閣の閣僚に対してだけではなかったようである。
この西日本が報じた、昨日の記事の、菅長官の発言は、そのことを証明している。

何故なら、それは、次のような理由による。

谷垣自民党幹事長は、18日に都内で開かれた日本商工会議の総会において、次のように述べていた。

__消費税率を10%に引き上げることについて__「法律上からも自明のことだ」
つまり、事情がどうであれ、予定通り201510月に実施すべきだ、と述べた。

そのうえで、__日本の経済が、「失速しない」ためには、__ 「7~9月の経済状況も十分勘案し、14年度補正予算の編成を念頭に経済対策を検討」するように、とも述べていた。

つまり、これは、安倍首相や、菅長官の考えとは、明らかに、違う。
だから、20日の、長官の発言は、「こういうことを言っては困る」という、___谷垣幹事長への__メッセージだ。

もちろん、直接的には、そうは言っていない。

菅長官の考えは、あくまでも、国内総生産(GDP)の発表を見て、「安倍晋三首相が慎重の上にも慎重」に判断する、という認識だ。


再引き上げが、先送りされる可能性を含んだ、発言だ。
場合によっては、再引き上げを実施しない、ということもあり得る。
こういうことも、勘案しての、発言と見る事が出来よう。

だから、菅長官は、遠回しに、「内閣の方針は、すべて総理と官房長官が示す」から、余計な事は言わずに、それに従がえ」と述べたのだと、思う。

このことは、菅長官が、安倍政権の閣僚だけでなく、自民党の幹事長や、他の議員までも、「政権の意向に従うべき」だと、考えていることを示唆しているように、私には思えるのである。



なお、麻生財務相は、G20において、「仮に消費税を10%に増税しても基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字が解消されないと厳しい財政状況を説明」している。

この発言からすると、消費税の引き上げは、10%では済みそうにない。
15%、20%にまで、引き上げられる可能性がある。

            ≪関連サイト案内≫

麻生氏、G20で財政再建約束 再増税は年内判断と説明”
=信濃毎日    9/20
http://www.shinmai.co.jp/newspack3/?date=20140920&id=2014092001001663

(2014/9/21)