2014年9月22日月曜日

LS:嘉田前滋賀県知事  「広島の土砂災害は、自民党政権による人災」_

広島での災害では、74人の尊い命が、犠牲になった。
また、多くの人々が、住む家を失い、今も、不自由な暮らしを余儀なくされている。

本来であれば、総理大事の首の、「一つや二つ」飛んでも、おかしくはない。





1) 日刊ゲンダイの記事から__

前滋賀県知事の嘉田氏が、この度の広島での土砂災害は、自民政権の人災であると、述べた。

それは、「政府が国民に自然災害を受けるリスクを十分知らせず、危険な場所に住宅や福祉施設を拡大してきた」からである、と述べる。

先進国では当たり前の、「「ハザードマップ」がないから、こういう事故が起きる、と説明する。

そして、それを長年、放置してきた。
しかも、それは、土地所有者の利益を守るためであった、と言う。

さらに、滋賀県の場合も、流域治水条例には、「多くの自民党県議が反対」し
た、とも述べる。



『・・・日本では、政府が国民に自然災害を受けるリスクを十分知らせず、危険な場所に住宅や福祉施設を拡大してきたのです。

私は環境社会学者として滋賀県内や近畿圏の過去の水害被災地を調査しました。その結果、水害は社会現象の側面が強いということがよくわかりました。

旧住民が経験で知っている水害リスクなどを新住民に知らせることなく、土地を売却して新しい宅地開発などをしているのです。海外の先進国との決定的な違いにも愕然とし、それが2006年、知事選に立候補した動機でもあるのです。・・

先進国では災害危険区域を地図に示した「ハザードマップ」が当たり前になっていました。アメリカではハザードマップを参考にして水害保険が運用されていますし、フランスでは「それぞれの土地で過去100年間、どういう水害があったのか」ということを反映したハザードマップが作成され、不動産取引における重要事項説明になっています。

ところが、日本はハザードマップを持っていない。

大きな河川のハザードマップは平成10年代にようやくでき始めました。しかし、一部の大河川だけで、小河川や農業用水や下水道などがあふれるリスク、あるいは土地が低い場合のリスクをも織り込んだ統合的リスクマップはなかった。滋賀県では流域治水条例を成立させ、「地先の安全度マップ」を作りましたが、これが全国で初めてでした。


当初、流域治水条例に多くの自民党県議が反対していました。実はハザードマップは、地価が下がるので土地所有者には不都合なのです。大量の土地を持っている人たちは、どちらかというと古くから住んでいる地主側です。

この人たちは水害リスクの高いところは経験的に知っている。知っていて宅地開発業者などに売る。最近は福祉施設などが、リスクが高い地域にできる傾向にあり、大きな問題をはらんでいます。

水害のリスクがあるのに知らされずに土地を買わされるというのは不良品をつかまされるようなものです。行政としても責任を持って安全管理をしないといけない。それで、フランスでは当たり前の「土地取引でのリスクマップの提示」を流域治水条例に盛り込みました。

土地取引時には「地先の安全度マップ」を提示する。これを宅地建物業者に努力義務化したのです。9月1日から施行しています。・・・』=日刊ゲンダイ 9/16
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/153334/6

2) 地価が下がるから、土地所有者には、不都合である

嘉田氏の、広島での土砂災害は、「自民党の歴代の政府に責任がある」、という主張についてである。


「大量の土地を持っている人たちは、どちらかというと古くから住んでいる地主側である」事が多い。

だから、ハザードマップを作る事には、反対する。
それが公表されれば、「地価が下がる」かも知れないので、「土地所有者には不都合」だからである。

しかし、買わされる方にすれば、「水害のリスクがあるのに知らされずに土地を買わされるというのは不良品をつかまされるようなもの」である。
その通りである。

さらに、次のように述べる。(ここに引用した中には、出てこないが・・・)

「・・・ハザードマップが十分に活用されていない日本の実情はあまりにひどい。これは地主や不動産開発業者ら利害集団に対する迎合政策としか言いようがありません。歴代の政権与党は危険地域に人が住むのを野放に(した結果にほかならない)」

続けて、舌鋒するどく、「歴代の政権与党は、支持者である地主と業界団体のために人命軽視で非効率な防災政策を続けてきた」とも述べる。

これは、嘉田氏の正直な気持ちで在ろう。
今までは、知事という立場もあり、ここまでは言えなかったのであろう。

3) 何故、同じことが、くりかえされるのか

季節が来れば、日本に台風が来ることは、自明のことである。
それなのに、何故、同じことが、くりかえされるのか。

地球温暖化で、気象の変化が、「大きく変わっている」というのは、理由にはならない。
何故なら、本当は、地球は、温暖化はしていないからである。
むしろ、寒冷化している。

それは、今年の、気温を見ても良く解る。
四国では、__暑いはずなのに__ この夏の電力の消費量が、大幅に減った。
猛暑日が、「一日もなかった」、と報告されている。


(2014/9/22)