2014年9月14日日曜日

LS:日本の政府が、沖縄県民を軽視し、民意を無視し続ける理由  

沖縄の名護市の市会議員選は、基地移転反対派が過半数を占めた。
それでも、菅長官は、沖縄の民意に関係なく、辺野古の移設工事を進めるという。

一体、何故そこまでして、辺野古の移設工事を急ぐのか。
米国との約束と言えば、どんなことでも通用するのか。


1) 東洋経済online の記事より__。

名護市議会選挙では、辺野古移設に反対する市議が過半数を占めた。
政府はこの民意に逆らい、美しい海を埋め立て米軍に提供する方針を変えない。
公明党沖縄県本部は、「名護(市政)では中立の立場だが、争点となった辺野古問題では反対の世論が明確となった」と判断している。

ところが、仲井真知事は、「名護だけが沖縄ではない」と言う。


『7日の名護市議会選挙で、米軍普天間飛行場の同市辺野古移設に反対する市議が過半数を占めた。これで2010年の名護市長選市議選、今年の市長選市議選と、反対派が「4対0」で勝ったことになる。しかし政府はこの民意に逆らい、美しい海を埋め立て米軍に提供する方針を変えない。沖縄情勢は11月の知事選に向けてますます混沌としていく。・・・
公明党沖縄県本部の金城勉幹事長は「名護(市政)では中立の立場だが、争点となった辺野古問題では反対の世論が明確となった」と語っている。選挙公約をあっさり反古にした自民党沖縄県連とは一線を画していることが、知事選をめぐる大きな注目点となる。
仲井真弘多知事は名護市議選の結果について、「(同日行われた)他市町村議会の選挙をご覧になればわかるとおり、私の政策に賛成する方向が多いと思う。名護だけが沖縄ではない」と言い切った』
=東洋経済online 9/11

2) 無責任な日本の安保政策は、多くの無関心によって成立

ここまで分析してから、沖縄生まれのジャーナリストの屋良 朝博氏は、__この記事の著者__次のように語る

『・・・日米同盟は大事、米軍駐留も必要だが、基地は沖縄でね、という無責任な日本の安保政策は、多くの無関心によって成立している。多くの関心事ではない基地問題について、日本外交は米国と交渉するつもりはさらさらない・・・

日本の対米交渉はどうですか」。大御所が尋ねた。すると、米軍普天間返還をめぐる交渉にも深く関わったキャリア外交官はこう答えたそうだ。「米政府が考えていることを言い当てることです」。
キャリア外交官は「米側の意向に沿って大筋決まります」と淡々と語ったらしい。・・・
 米外交官は合理的だと歓迎してくれた。筆者は「なぜフレッシュな発想が日米間に生まれないのか」と問うた。米外交官は「安保政策で日本側の議論はゼロか100かで、建設的な提案がない。あと30年ほど待たなければならないでしょう」と言った。

沖縄の民意は繰り返し反対を明示するが、日本の政治はそれを受け止めきれない。在沖米軍基地の7割を占める海兵隊は、実は沖縄に駐留する絶対的理由がないにもかかわらず、政府も安保専門家もこぞって「虚構の抑止力」を作り上げる。安保問題で日本外交力はお寒いばかりで、日本は沖縄を差し出すしか選択肢を見出せない沖縄の一部保守政治はそれに同化する事大主義に陥る。』=同上

3) これでは、初めから、沖縄の民意など、問題にはならない訳だ

屋良 朝博氏によると、日本の政府は、「基地問題について、日本外交は米国と交渉するつもりはさらさら」にないのだということななる。

日本の対米交渉は、「米政府が考えていることを言い当てること」であり、「米側の意向に沿って大筋決まります」というのだ。

米国の高官でさえ、「「安保政策で日本側の議論はゼロか100かで、建設的な提案がない。あと30年ほど待たなければならないでしょう」と答えている。

『実は沖縄に駐留する絶対的理由がないにもかかわらず、政府も安保専門家もこぞって「虚構の抑止力」を作り上げる』のだと分析する。

もし、この通りだとすると、初めから、沖縄の民意など、問題にはならない訳である。


そして、屋良氏は、最後に、以下のように締めくくる。

『翁長市長の出馬について、菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で、「昨年暮れに仲井真弘多知事が埋め立てを承認し粛々と工事を進めている。この問題はもう過去の問題だ」と言い切った。

政府は普天間問題の争点外しに躍起だ。県民の辺野古反対は各種世論調査で明らかだが、政府は新知事が誰であっても普天間問題はもはや“解決済み”と言い張る構えのようだ。知恵のない政府にとって沖縄の民意は邪魔なものでしかない

4)米国の政府と、外交を展開しないのか。その原因の追究こそが、重要

屋良氏は、このようにして、沖縄の民意が、常に無視つづけられることについて、検討を加えている。
だが、それは、現象面をなぞっているだけで、その本質に迫っているとは、言い難い。

問題は、何故、優秀であるとされる日本の外務官僚らが、米国の政府の意向を斟酌する事にのみ、こだわり、米国の政府と、外交を展開しないのか。

米国の政府にたいし、、 安保政策での日本側の議論を、正面切っておきなうことで出来ないのか。
その原因がどこにあるのかを、追究する事こそが、重要な事ではないかと思うのである。

              ≪関連サイト案内≫
*”名護市議選の民意 政府淡々「見て見ぬふり」”=沖縄タイムス 9/9
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=82548
*”「沖縄に配慮ない」後藤田副大臣を批判”=沖縄タイムス 8/31
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=81571
*”辺野古「過去の問題」 菅氏、知事選の争点化否定”=琉球新報 9/11
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-231429-storytopic-3.html

(2014/9/14)