2014年9月14日日曜日

LS:オバマ大統領の選挙公約破りの暴挙  イラクに続きシリアへの空爆を開始へ

この攻撃の決定は、オバマ大統領にとっては、明白な選挙公約破りの暴挙である。
それでも、米国の国民は、オバマ大統領を支持し続けるのであろうか。


それで、米国の大義や、民主主義は、成り立つのであろうか。
世界の民主主義のリーダーとしての役目を果たしたことになるのか。

1) WSJの記事より__。

オバマ米大統領が、国民向けに演説し、過激派「イスラム国」への空爆を、イラクに続き、シリアにも拡大する意向を、表明した。

それについて、英国とフランスは、「米国の戦略に参加する可能性もあり得ると明らか」にした。

また、アジアと中東の大半の国の反応は、「控えめ」
ロシアは、「米国の意図を批判した」


『オバマ米大統領は東部時間10日夜(日本時間11日午前)、国民向けに演説し、過激派「イスラム国」への空爆をイラクに続きシリアにも拡大する意向を表明した。これを受けて、欧州の同盟諸国はオバマ大統領の戦略を慎重ながら支持する姿勢を示した。特に英国とフランスは、米国の戦略に参加する可能性もあり得ると明らかにした。
 一方、アジアと中東の大半の国の反応は控えめで、ロシアは米国の意図を批判した。
 欧州の複数の当局者は、「イスラム国」に対する米軍による空爆をイラクからシリアに拡大することで、欧州の同盟国の中には困惑を感じざるを得ない国もあると明らかにした。
 まず、こうした戦略がどの程度効力を発揮するかだ。欧州の当局者によると、空爆は地上作戦を伴ったほうが効果的だ。そして、イラクなら、こうした地上作戦は同国軍やクルド人民兵組織によって実施されることも可能だろう。
 しかし、シリアでは地上での状況は非常に不透明で、敵と味方の区別がつきにくいという。さらに、イラクと異なり、シリアでは空爆に使用される軍用機はシリアの防空システムに対処しなければならないと先の当局者らは指摘する。
 また、一部諸国は法的な障害も懸念している。イラクでは同国政府の要請を受けて空爆が実施されている。一方、欧州当局者らによると、シリアでは、アサド政権からそうした要請が出されることはなさそうだ。
 それでも、フランスはシリアでの米軍による空爆作戦に参加する可能性も排除していない。だが、フランス政府は、米主導の連合軍による空爆実施に法的根拠があるかどうかなど、数多くの問題を調査している。同国の当局者が明らかにした。・・・
  一方、キャメロン英首相は、シリアのアサド政権は戦争犯罪のために合法性を失っていることから、軍事介入に際しシリア政府からの法的な要請を英国は必要としない、と表明している。
 フィリップ・ハモンド英外相は11日、ドイツの外相と会談後、「昨夜、米大統領の説明に非常に注意深く耳を傾けた。その結果、イラク政府を支援するための国際的・地域的連携を構築しようとしている米国の戦略を完全に支持する」とし、その上で英国はどう貢献できるかを検討している。』=WSJ 9/12
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970203714004580149293957891522?mod=WSJ_article_EditorsPicks

2) オバマ大統領は、米国における政治家の持つ、選挙公約の重さを忘れ去ってしまったのだろうか

かって、ルーズベルト大統領は、この公約があるばかりに、日本に対して、「戦争を仕掛けざる」を得なかった。

時、あたかも、英国の命運は、風前の灯となっていた。
英国が、占領されれば、やがては、米国の運命も決まる。

だが、ルーズベルト大統領は、米国の国民に対して、「重ねて、重ねて、何度でも繰り返す。あなた方の夫や、息子を戦場には、決して送らない」と述べて、大統領選に勝利した。

この公約ある限り、ルーズベルト大統領は、手も足も出せない。
そこで、考えついたのが、日本を戦争に引きずり込むことであった。

日本側から、米国に戦争を仕掛けざるを得ないようにした。
だが、それは、「いかにして彼らに最初の一発を撃たせるかが問題なのである。これはむずかしい話だ。」


その難しい話を、可能にするために取られたのが、「ハルノート」だ。
それは、次の様な内容を含むものであった。

① 四原則の無条件承認。 
② 支那及仏印よりの全面撤兵。 
③ 国民政府(汪兆銘政権)の否認。 
④ (日独伊)三国同盟の空文化。

その後、ルーズベルト大統領は、アメリカの在米日本資産を凍結し、8月には石油の全面禁輸に踏み切った。

石油が入らなければ、日本の国民の生活はもちろんの事、戦艦ひとつ、飛行機一つ動かすことが出来ない。

それで、日本は、米国との戦争を決意した。
その結果が、日本軍による真珠湾攻撃である。

これで、ルーズベルト大統領にとっての、大義名分はなった。
「リメンバー・パールハーバー」の合言葉の元、米国も、戦争に突入していった。

これほどまでに、ルーズベルト大統領は、公約を守ることに苦労した。

3) オバマ大統領の選挙公約は、「あってもない」、と同然である

WSJ は、8月23日付で、次のような記事を載せた。
 
 シリアへの攻撃はオバマ大統領の大きな方針転換を意味する。大統領はイラク戦争の終結を公約に就任し、中東地域での軍事力の行使に消極的だった。」=WSJ  8/23

「イラク戦争の終結」こそ、オバマ大統領にとっては、米国の大統領として、「死んでも守らなければならない」公約だ。

そのためにこそ、イラクからの米軍の撤退を完遂すべく、努力を重ねてきていたはずである。

さらに、「米国への直接的な脅威に対しては武力行使を辞さないものの、外交と、対話により」、問題を解決することを目指す、と宣言をした。

イラクへの空爆、それに続く、シリアへの空爆は、「米国への直接的な脅威」を前提にしてはいない。

イラクもシリアも、直接的には、米国に攻撃を加えた訳ではない。
直接的には、「米国に攻撃を加えた」訳ではないが、米国の安全にとっては、「脅威である」というなら、それは、際限のない解釈を産む。

それでは、オバマ大統領の選挙公約は、「あってもない」、と同然である、といわねばなるまい。

それで、米国に威信が成り立つか。
民主主義が、成り立つか。

大いに疑問である。

 (追加の予定あり)

            ≪関連サイト案内≫

”ISIS掃討の多国間作戦「司令官」にアレン氏、米退役大将” 
=CNN 9/13
http://www.cnn.co.jp/usa/35053768.html
*”オバマ米大統領「イスラム国を破壊する」、シリア領内の空爆承認”=ロイター9/11
http://jp.reuters.com/article/jpUSpolitics/idJPKBN0H604020140911

(2014/9/14)