2014年9月24日水曜日

有識者会議が「新たな安全神話をつくるようなことがあってはならない」と警告 _


これまでの審査によって、「川内原発の安全性が確認された」、という規制委の見解には、「大きな疑問が残されたままだ」と、記事は書いている。

有識者会議は、「現在の火山学では噴火の時期や規模を予知するのは極めて困難」だと、結論付けている。

1) 東洋経済online の記事より__


『・・・規制委が火山審査後に設置した、モニタリング方法を検討する有識者会合では、「現在の火山学では噴火の時期や規模を予知するのは極めて困難」(中田節也・東京大学地震研究所教授)と、予知やモニタリングの限界が指摘された。
また、巨大噴火の可能性が十分に小さく、モニタリングが可能とする根拠とされた海外の論文(ドルイット論文)について火山噴火予知連合会会長の藤井敏嗣・東京大学名誉教授は、「カルデラ噴火一般について述べたものではない。これは執筆者本人にも確認した」と指摘。

ドルイット論文という一例を、川内原発周辺を含めたカルデラ一般に適用しようとする、九電や規制委の判断根拠に疑念を示した
藤井氏は、巨大噴火に至るような状況ではないとした規制委の判断内容に関し、「いくつか疑義があるが、そのことについてもこの検討チームの中で議論するのか」と質問。

これに対して規制委の島崎邦彦委員長代理は、「そこまでさかのぼって全部ひっくり返してしまうと、この検討チーム自体が成り立たなくなる」と、慌てたように否定。専門家と規制委の認識のギャップを象徴するような一幕だった。


この有識者会合のメンバーではないが、火山地質学が専門の高橋正樹・日本大学文理学部地球システム科学科教授は、規制委が作った火山ガイドにおいて、階段ダイヤグラムという手法で噴火ステージを判断でき、地殻変動などのモニタリングによって巨大噴火も予測できるとしている前提を疑問視。

「規制委はできもしないことをできるかのように扱っており、科学的とはいえない新たな安全神話をつくるようなことがあってはならない」と警告する・・・・』=東洋経済online 9/21
http://toyokeizai.net/articles/-/48463?page=2 

2)もし、事故が起きれば、今度こそ、日本列島は、不毛の大地となる

中田節也・東京大学地震研究所教授が、「現在の火山学では噴火の時期や規模を予知するのは極めて困難と、予知やモニタリングの限界」を指摘した。

「ドルイット論文」という一例を、”川内原発周辺を含めたカルデラ一般に適用しようとする、九電や規制委の判断根拠”について、疑問を投げかけた。



これまでも、度々、指摘してきたように、原子力規制員会の役目は、原子力利用について、安全の確保をすることにある。

この事は、原子力規制員会設置法の第1条に規定されている事である。

その第1条は、「原子力利用における事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立って、確立された国際的な基準を踏まえて原子力利用における安全の確保を図るため必要な施策を策定し、又は実施する事務」をつかさどる、と述べている。

さらに、第3条では、「原子力規制委員会は、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資する」ために、万全の措置を取ることを要求している。

この”東洋経済online”の記者の記事は、そのことに、警告を発するものである。
まだ、「安全神話に懲りないのか」と、問いかけている。

緊急時における原子炉の停止や、燃料の搬出、住民の避難などについての不備。
これらの事を指摘したうえで、次のように述べる。

「こうした重要なことが未確定で、規制委の認可を受けていない状況では、審査はまだまだ終わったとはいえない。噴火の予知は困難なのに、適切な対処方針を定めることができるのか。原子炉から取り出した燃料は、最低5年程度は使用済み燃料プールで冷やす必要があるが、いつ搬出できるのか。どこに搬出先があるのか。疑問は尽きない」(=同上)

「まず、再稼働ありき」の掛け声の元、再び、原発が動き出しそうである。
だが、今度また、事故が起きても、今回と同様に「想定外の事故である」と、「いいのがれ」をして、誰も責任を取るものは、いないだろう。

そして、その「後始末」は、また、国民の税金で賄われることになるだろう。

そして、今度こそ、日本列島は、北から南まで、不毛の大地となるであろう。
原発の再稼働のようなことは、「亡国の政策である」、と言わねばならない。

(2014/9/24)