2014年9月16日火曜日

「運転停止のまま廃炉に向け準備を」 「避難計画の策定は、不可能 」 

このままの状態で、廃炉に向けて、政策を転換してほしいと願う住民の意見が大半を占めた。

今回の東電の事故やその後の政府の対応から、住民は、自己防衛こそが、自らを守る手段である事を自覚した、ことも調査結果から解る。


また、この結果は、同時に、__東電の事故が、収束してもいないのに、__強引に再稼働を進める、政府に対する不信感の表れでもあろう。

1) 東京新聞の記事から__。

東海第二原発の近くの4市村に住む人たちに、原発への評価、問題意識を聞き、まちづくりの基礎データとする、調査をしている茨城大学の報告からわかったこと。

「原発の廃炉を求める声が再び強まり、過酷事故時の避難計画策定を困難とする見方は6割を超えた」という結果が出た

茨城大は2014年の原発に対する住民意識調査「地域社会と原子力に関するアンケート」の結果をまとめた。

日本原子力発電(原電)東海第二原発(東海村)近くの4市村に住む人たちに、原発への評価、問題意識を毎年聞き、まちづくりの基礎データとする調査。原発の廃炉を求める声が再び強まり、過酷事故時の避難計画策定を困難とする見方は6割を超えた。 (林容史)


東海第二原発の今後のあり方についての設問では、「運転停止のまま廃炉に向け準備を」とする回答が最も多く44・2%。減少傾向をみせた前年から5・2ポイント増え、二年前の数字にほぼ戻った。調査に当たった渋谷敦司教授は「原電が東海第二原発の適合審査を申請し、再稼働に向けて動きだしたことに危機感が強まった。今、反対しないと再稼働で押し切られると考えたのでは」と説明する。

 今回初めて、原発から三十キロ圏の市町村に策定が義務付けられた原発災害に備えた避難計画について質問。有効な計画の策定を「かなり難しい」とする回答が60・8%で、「十分可能」の19・1%を大きく上回った。・・・

東京電力福島第一原発事故の際、情報が地元自治体に伝えられず、住民の避難が後手に回ったことから、不信感が根強く残っているとみられる。事故時の行動を聞くと、「情報を集めて自分で判断し行動する」が30・5%と最も多かった・・・』=東京新聞 9/11


2) 「運転停止のまま廃炉に向け準備を」、という意見が大半を占めた
  

今後のありかたについては、<運転停止のまま廃炉に向け準備を>進める方が良い、という回答が、44・2%になった。 

この傾向について、調査をした渋谷敦司教授は、「原電が東海第二原発の適合審査を申請し、再稼働に向けて動きだしたことに危機感が強まった」という見方を示した。

また、原発災害に備えた避難計画について質問では、<有効な計画の策定を「かなり難しい」とする回答が60・8%>となった。

<「十分可能」とする回答>は、19・1%であった。

この事については、「情報が地元自治体に伝えられず、住民の避難が後手に回ったことから、不信感が根強く残っている」のではないかと、記事は述べる。

事故時の行動」では、<情報を集めて自分で判断し行動する」が30・5%と最も多>い、という結果になった。

この事は、充分に理解できることである。
ココ結果は、今回の東電の事故で、政府__しかも、民主党政権であったことが、重要__が、十分な情報を出さなかったことが、原因であろう。

その運用、開発に約130何億という税金をつぎ込んで作られた「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」は、__少なくとも、福島の住民には__まったく役には立たなかった。

しかも、政府は、事故後のおいてさえ、政府は、「放射性物質の放出量データが乏しい。試算図は実際の拡散状況と異なり、誤解を招きかねない」という理由で、 福島第1原発事故後に、2千枚以上の拡散試算図が作成されていた中の、わずか2枚だけを公表した。注①

このような事で、どうして、国民が、政府や安全委員会を信用することが出来ようか。
出来る訳がないのである。

情報を集めて自分で判断し行動する」という住民が多かったことは、もはや、自己防衛しか残されていない、という判断をするようになった結果であろう。

現在の安倍政権の避難民への無策、汚染水処理が進まないこと、__本来なら、刑務所に入っていなければならない人々が__誰ひとりとして、責任を取らないことなどへの不信観の表れであろう。


この調査結果から、渋谷教授は、

「安倍政権の経済政策への期待が沈静化し、福島第一原発事故の体験や不安、危機意識を再確認する時期に入ったのでは」

「現実的な避難計画の策定は困難とみている上、使用済み核燃料や放射性廃棄物の処理が進まず、子どもの健康に対する不安もある状況が、『まず廃炉を決めて』との声につながっている」

、と指摘している。

東電の事故が今もって、収束できず、溶け落ちた燃料の行方も解らない。
このような、今の状況からすれば、無理ない調査結果であろう、と思う。

注①

拡散の試算図2千枚、公表は2枚 放射性物質で安全委=2011/4/18

http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041801000775.html


(2014/9/16)