2014年9月22日月曜日

LS:環境省の新聞広告で、指定廃棄物を「原子力施設で発生した放射性廃棄物ではない」と記述__

使用済み核燃料などとは違うことを説明したかった」、という詭弁は、通用しない。

はっきりと、「東電の原発事故よって大気中に放出された放射性物質」の事である、と説明するべきであった。
また、「文言を修正する」というような事では、済まされることでもない。


そもそも、何故、環境省が、ホームページに乗せている説明を、そのまま載せなかったのか。
それを、そのまま載せれば済むことである。

それをしないのは、明らかに、意図的な誤報である。
むしろ、「捏造情報である」、と言ってもよいぐらいである。

1) 東京新聞の記事より__

環境省が、東電の原発事故で出来た、指定廃棄物について、ウソの新聞広告を出していた。

指定廃棄物について、「原子力施設で発生した放射性廃棄物ではない」と説明していた。

『福島第1原発事故で飛散した放射性物質を含む指定廃棄物をめぐり、環境省が新聞広告で「原発施設で発生した放射性廃棄物ではない」と説明、住民から「国はうそをついている」などと反発が相次ぎ、今後の広告では文言を修正することが22日分かった。

 環境省の担当者は「使用済み核燃料などとは違うことを説明したかった。次回から誤解がないよう文言を修正する」と釈明した。


環境省によると、新聞広告は昨年7月から計17回、指定廃棄物が発生している宮城、栃木、千葉各県の地元紙や全国紙の地方版に掲載された。

指定廃棄物についての説明や地元での最終処分に理解を求める内容だった』=東京新聞 9/22


2) 初めから、誤魔化すつもりであったことは明白である

「原子力施設で発生」したものでないとすれば、一体どこで発生したものになるのか。
「馬鹿も休み休みに言え」と言いたくなってくる。

「指定廃棄物についての説明や地元での最終処分に理解を求める内容」である広告に、どうして、「原子力施設で発生した放射性廃棄物ではない」という説明を入れることが、必要になるのか。

指定廃棄物とは、何か。
それは、環境省のホームページを見ればわかる。

そこでは、次のように説明されている。

平成233月に起こった原子力発電所の事故によって大気中に放出された放射性物質は、風にのって広い地域に移動・拡散し雨などにより地表や建物、樹木などに降下しました。

この放射性物質が、私たちの生活の中で排出されるごみの焼却灰や浄水発生土、下水汚泥、稲わらやたい肥などに一定濃度を超えて含まれているものを指定廃棄物と呼び、国が処理を行います。しかし、処理体制が整わず、やむを得ず一時的な保管をお願いせざるを得ない状況が続いています』

3・11の地震による、東電の原発事故の由来するものであることが、明確に述べられている。

この説明を、そのまま載せれば済むことではないか。


3) 放射性廃棄物であるものを、「指定廃棄物」と呼ぶ事がおかしい


そもそもが、元々は、放射性廃棄物であるものを、「指定廃棄物」と呼ぶことにしたこと自体が、「誤魔かし」である。

ここには、放射能を感じさせる言葉が一つも、含まれていない。
この事自体に問題がある。

だから、「使用済み核燃料などとは違うことを説明したかった」などいう、とぼけた言い訳が、通用するはずがない。

「東電の事故に由来するものである」、とはっきりと記述するべきであろう。
まして、至る所に、除染の際に出た、放射性の汚染物が、放置されているのである。

「地元での最終処分に理解を求める」ものであれば、「なおのこと」、初めから、誤魔化すつもりであった、と見る方が、正解であると思う。

そう断ぜざるを得ないのである。
それを、このような言い訳をすれば、ますます、不信感が深まるばかりである。

それにしても、「昨年7月から計17回」も、掲載されていたのに、誰も気が付かなかったのが不思議である。

今頃出てくること自体、新聞社の対応に、問題があったと言わねばならないであろう。

このような広告を無批判に掲載していたとなれば、朝日と同罪ではないか。

          ≪関連サイト案内≫

*”福島原発、3種の止水材投入検討 10月中旬にも工事へ”東京新聞
      =東京新聞 9/22
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014092201002211.html
(2014/9/22)