2015年8月20日木曜日

維新の党は、対案を出すな 国民を裏切り、安倍政権を助けるだけ

今、この時期に出すことは、断じて避けるべきだ。それは、大方の国民願いを裏切るものである。
同時に、それは、急速に国民の信頼を失いつつある安倍政権を助けるだけのことである。

維新の党が、安保法案の「対案」を、20日に参院へ提出する。

本当に「懲りない」政党である。
衆議院の「二の舞」を演じるつもりなのか。


◆ 維新の党が、単独で5法案を参院へ提出へ

日本経済新聞によると、20日、安全保障関連法案の対案としてまとめた8法案のうち5法案を参院へ提出する、と報じられている。

「維新の党は20日、安全保障関連法案の対案としてまとめた8法案のうち5法案を参院へ提出する。対案では政府が集団的自衛権を行使できるとする「存立危機事態」を認めず、新たに「武力攻撃危機事態」を設けた。提出後に自民、公明両党との修正協議を再開する見通しだ。」
これは、維新の党が、単独で提出する対案である。
維新の党は、さらに、民主党との、共同提案の「対案」も、模索中だ。

 「日本への武力攻撃に至らないグレーゾーン事態対処のための「領域警備法案」など残りの3法案を巡っては、共同提出を模索する民主党との協議を続ける。まとまらなければ、維新単独で週明けにも提出する方針だ。」

どちらにせよ、民主党との協議がどうなろうとも、対案を出す事には、変更がないと思われる。


◆ 今、野党がすべきことは、安倍政権を倒し、安保法案を廃案にすること

冒頭で述べたように、私は今この時期に対案を出すことは、断じてやるべきことではない、と思う。

それは、国民の願いを無視するものであり、裏切る行為に他ならない、と思うからだ。

14、15日に、共同通信社が実施した全国電話世論調査によると、「参院で審議している安全保障関連法案の今国会成立に反対は62・4%、賛成は29・2%」であった。

国民の6割が、この法案を成立させることに反対している。

それは、国会周辺をはじめとして、全国的な規模で、連日行われている安保法案に反対するデモのことを考えただけでも、よく解る。

この暑いさなか、誰に命令されたわけでもなく、頼まれたわけでもないのに、多くの人びとが、反対の声を上げ、デモで汗を流している。

この秋(とき)にあって、今、野党がすべきことは、この国民の声に全力で答えることである。それは、安倍政権を倒し、安保法案を廃案に追い込むことである。

そのタイミングは、今しかない。
昨日は、武藤貴也議員が、離党をした。


◆ 今回の対応は、異例。それだけに、大きな「疑惑」がもたれる

これまでの自民党議員による、数々の「不祥事」への対応からすれば、あまりに素早い動きである。

このことは、武藤議員が、言っているような「自身のプライベートに関する件で、さらに党に多大な迷惑をかけた」という程度のことではなく、もっと深刻な問題を孕んで(隠されて)いる、のではないか。だから、こんなにも、早い幕引きを謀ったのではないか。そう思われるのである。

武藤議員の一連の発言は、与党にとっても、―また、何よりも―安倍政権にとって、「頭痛の種」であった、ことだろう。

これをほっておいては、政権に命取りになりかねない。
そこで、「一芝居」打った。そう、思えるのだ。


未公開株に関しては、1988年のリクルート事件が、思い出される。
「リクルートの関連会社であり、未上場の不動産会社、リクルートコスモス社の未公開株が賄賂として譲渡された。贈賄側のリクルート社関係者と、収賄側の政治家や官僚らが逮捕され、政界・官界・マスコミを揺るがす、大スキャンダルとなった。」(wiki)
今回は、賄賂との関係は、取りざたされていないが、無関係であるとも断言できない。

名指しされた会社は否定しているが、もし「国会議員枠」というものが存在するとすれば、それは、大問題であろう。

どちらにしても、これまでの対応からすれば、今回の対応は、異例である。
その速さといい、対応の仕方と言い、これまでとは、格段の差がある。

そのことは、武藤氏の「トラブル」が、それだけ大きな問題を含んでいるという事の、証しなのではないか。


◆ 安倍政権に、適当に利用されて、「廃案」にされるだけのこと

だから、今は、「対案」を出すべきではない。

どうしても、「法案」を出したいのであれば、今の安保法案を廃案に追い込んでから、改めて、維新の党の「独自の法案」として、出せばよい。

それこそ、国会議員の本来の役目であるのだから。

繰り返しになるが、 今、安倍政権の安保法案に、「対案」を出すことは、政府に与する(仲間入りする)だけの事であり、何の意味もない。

安倍政権に、適当に利用されて、「廃案」にされるだけのことである。
それは、衆議院の結果を見れば、明らかなことだ。

もっとも、それが、我々(維新の党)の「真の願いである」というのなら、話は別であるが。


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(2015年8月20日)