2015年8月3日月曜日

NSAの「盗聴疑惑」 菅長官は、米政府に「事実確認中」

到底、「許されること」ではない。
「火のないところに、煙は立たない」という、ことわざがある。
まったく「根も葉もない、噂話」とは思えない。
前例が、あるからだ。
NSAの「盗聴疑惑」について、菅長官は、米政府に「事実確認中」と会見で述べた。

米国のNSA(国家安全保障局)の、「盗聴疑惑」の続報。
安倍政権の動きなどについて、思うところを書いてみたい。

1) ANNの記事から

「内部告発サイト「ウィキリークス」がアメリカ政府が日本の省庁などを盗聴していたと公表したことについて、菅官房長官はアメリカ政府に事実関係を確認していることを明らかにしました。
菅官房長官:『仮に事実であれば、同盟国として極めて遺憾だというふうに思っております。我が国としては、引き続き事実関係の確認というものを強く求めていきたい』
 菅長官は、アメリカのクラッパー国家情報長官に事実関係の確認を求めていることを明らかにしました。」

これは、3日午前の会見で述べたことである。
はたして、事実はどうであろうか。

オバマ政権に「べったり」の安倍首相に、そのようなことが「出来る」のであろうか。
「事実関係を確認している」というのは、表向きのことで、実際には、何も「していない」のではないか。

8月1日の時点においては、米国務省のトナー副報道官は、「日本側から抗議を受けてはいない」と述べたと、報道されている。

してみれば、この時点においては、まだ、安倍政権は、「米国への要求をしていなかった」という事になる。


2)

このことについては、東京新聞が、NHKなどとは違った視点で、記事を載せべている。

「ウィキリークスが公表した米機密文書の内容が事実とすれば、国益追求のために同盟国政府も容赦なく盗聴の対象とする冷徹ぶりを示す一方で、米企業へのサイバー攻撃をめぐり対中非難を強める米国の二重基準が浮き彫りになる。
 日本を標的にした米国の盗聴疑惑は過去にも指摘されてきた。米国、カナダ、英国、オーストラリア、ニュージーランドの英語圏五カ国による通信傍受網「エシュロン」による産業スパイ疑惑が二〇〇〇年前後に浮上し、被害を受けたという欧州諸国が問題視。この傍受網は、一九九五年の日米自動車協議でも暗躍したと批判された」
東京新聞の記事は、まさに「正鵠(一番の狙いどころ)を得た」記事になっている。

また、 米国、カナダ、英国、オーストラリア、ニュージーランド」の五か国による「スパイ疑惑」についても、情報を提供してくれた。


ドイツのメンケル首相が、「自分の携帯電話の盗聴疑惑に激怒し、オバマ米大統領に直接抗議」した事件は、まだ記憶に新しい。

その際、メンケル首相は、「ドイツと米国のような長年の友人の間で、このような監視があってはならない。(真実ならば)信頼を破る行為で、重大な結果を招くことになる」と、抗議をしている。

安倍首相も、「事実関係を確認」中だ、などと「生ぬるい」ことを言っていないで、「厳重に抗議」すべきである。

たとえ、それが言いにくい相手であっても、「抗議すべき時には、抗議」する。
そうしてこそ、初めて、「本当の信頼関係」が生まれるのではないか。

このまま「黙っている」ことは、安倍首相のためばかりではなく、オバマ大統領のためにも、よくない。
お互いに「心から信頼関係」があってこそ、「日米同盟が、強固」になる。

私は、今の状況―日米間の「ねじれた関係」―には、「賛成」しないが、「日米関係」の重要さは、理解できるつもりだ。 

むしろ、日米関係が、今のような関係ではなく、本当のー対等で、平等で、強固な信頼に基づいた―自由なものになることを、願っている。

その意味で、安倍首相が「卑屈」にならずに、「堂々」と、オバマ大統領に「抗議すべき」である、と思う。

(関連サイト案内)

 米、盗聴の二重基準浮き彫り=日本企業も標的=時事ドットコム
 盗聴疑惑で米に確認要求=菅長官=時事ドットコム

(2015年8月3日)