最近、森田実氏のブログ『森田実の言わねばならぬ』の読者になった。
その最新の記事で、「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」より、もっと「恐ろしい」レポートがあることを知った。それは、ジョセフ・ナイ氏の「対日超党派報告書」。中国軍と自衛隊に「戦争」をさせ、米国が「漁夫の利」を得るという「戦慄のシナリオ」だ。
◆ 「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」=米国からの日本の政府への「要請」
山本議員が、8月19日に、国会で取り上げたことで、「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」の存在が、浮き彫りにされつつある。
さらに、東京新聞も、この「レポート」を取り上げ、詳細な記事を新聞紙上に掲載した。
山本議員の質問に対し、岸田外相は、この「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」について、民間のレポートであり、「見解を述べる立場にない」と言い逃れの答弁をした。
一方で、中谷大臣は、正直に「重なる部分もございます」と、一部「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」の「要請」を受け入れたことを認める「格好」の答弁をした。
このレポートは、「ありてい」(率直)に言えば、米国からの日本の政府への「要請」であり、もっと言うならば、「命令」ともとれる文書である。
安倍政権の立場からすれば、―国民への手前―絶対に「認める」ことのできない文書であろう。
さすがに、存在そのものを「知らない」とは、言うことは出来ないにしても、その「評価」については、岸田外相の「認識」を押し通す以外に、対処の方法はなかろう。
◆ 中国軍と自衛隊に「戦争」をさせ、米国が「漁夫の利」を得るという「戦慄のシナリオ」
さて、ここからは、問題のジョセフ・ナイ氏の「対日超党派報告書」について、である。
「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」という名称でわかるように、ジョセフ・ナイ氏は、このレポートに関与している人物である。
その、ジョセフ・ナイ氏が、単独で作成したのが、「対日超党派報告書」である。
これは、米国の、対アジア「大戦略」についての、「シナリオ」である。
その中身は、中国軍と自衛隊に「戦争」をさせ、米国が「漁夫の利」を得るという「戦慄のシナリオ」だ。
森田氏の記事をお借りして、そのまま転載しておく。
★ ★ ★ ★
《①東シナ海、日本海には未開拓の石油、天然ガスが眠っており、その総量はサウジアラヒア一国に匹敵する。米国は何としても、それを入手しなければならない。
②チャンスは中国と台湾が軍事紛争を起こした時であり、米国は台湾側に立ち、米軍と日本の自衛隊は中国軍と戦争を行う。
③中国軍は必ず、日米軍の離発着、補給基地としての沖縄等の軍事基地に対して、直接攻撃を行ってくる。本土を中国軍に攻撃された日本人は逆上し、日中戦争は激化する。
④米軍は戦闘の進展とともに、米国本土からの自衛隊への援助は最小限に減らし、戦争を自衛隊と中国軍の独自紛争に発展させていく作戦を米国は採る。
⑤日中戦争が激化したところで米国が和平交渉に介入し、東シナ海、日本海において米軍がPKO活動を行う。米軍の治安維持活動のもと、米国はこの地域のエネルギー開発でも主導権を握ることかでき、それは米国資源獲得戦術として有効である。
⑥この戦略の前提として、日本の自衛隊が自由に海外で「軍事活動」ができるような状況を形成しておくことが必要である。》
★ ★ ★ ★
◆ 「戦争に次ぐ戦争」に明け暮れてきた米国
これは、もともとは、『日本と日本人を危うくする安保法制の落とし穴』(ビジネス社)の中で、紹介されている文書のようだ。
私は、初めて、この文書の存在を知った時、「恐ろしさ」に身がすくんだ。
今も、この記事を書きながら、「戦慄」を覚える。
ただ、このレポートが、米国において、特別異例のものとは、思わない。
おそらくは、これに似たような「シナリオ」は、これまで、「無数」に出されてきたのではないか。
ジョセフ・ナイ氏は、それらを、中国、台湾、日本に「当てはめてみた」だけのことではないか。
そう思うのである。
建国以来、「戦争に次ぐ戦争」に明け暮れてきた米国であってみれば、当然の「備え」なのかもしれない。
このような米国を相手に、果たして「互角」にわたりあっていく「覚悟と度胸」が、安倍首相にあるのかどうか。
心もとないことである、と思うのは、私のみではなかろう。
(2015年8月27日)
その最新の記事で、「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」より、もっと「恐ろしい」レポートがあることを知った。それは、ジョセフ・ナイ氏の「対日超党派報告書」。中国軍と自衛隊に「戦争」をさせ、米国が「漁夫の利」を得るという「戦慄のシナリオ」だ。
◆ 「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」=米国からの日本の政府への「要請」
山本議員が、8月19日に、国会で取り上げたことで、「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」の存在が、浮き彫りにされつつある。
さらに、東京新聞も、この「レポート」を取り上げ、詳細な記事を新聞紙上に掲載した。
山本議員の質問に対し、岸田外相は、この「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」について、民間のレポートであり、「見解を述べる立場にない」と言い逃れの答弁をした。
一方で、中谷大臣は、正直に「重なる部分もございます」と、一部「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」の「要請」を受け入れたことを認める「格好」の答弁をした。
このレポートは、「ありてい」(率直)に言えば、米国からの日本の政府への「要請」であり、もっと言うならば、「命令」ともとれる文書である。
安倍政権の立場からすれば、―国民への手前―絶対に「認める」ことのできない文書であろう。
さすがに、存在そのものを「知らない」とは、言うことは出来ないにしても、その「評価」については、岸田外相の「認識」を押し通す以外に、対処の方法はなかろう。
◆ 中国軍と自衛隊に「戦争」をさせ、米国が「漁夫の利」を得るという「戦慄のシナリオ」
さて、ここからは、問題のジョセフ・ナイ氏の「対日超党派報告書」について、である。
「第3次アーミテージ/ナイ・レポート」という名称でわかるように、ジョセフ・ナイ氏は、このレポートに関与している人物である。
その、ジョセフ・ナイ氏が、単独で作成したのが、「対日超党派報告書」である。
これは、米国の、対アジア「大戦略」についての、「シナリオ」である。
その中身は、中国軍と自衛隊に「戦争」をさせ、米国が「漁夫の利」を得るという「戦慄のシナリオ」だ。
森田氏の記事をお借りして、そのまま転載しておく。
★ ★ ★ ★
《①東シナ海、日本海には未開拓の石油、天然ガスが眠っており、その総量はサウジアラヒア一国に匹敵する。米国は何としても、それを入手しなければならない。
②チャンスは中国と台湾が軍事紛争を起こした時であり、米国は台湾側に立ち、米軍と日本の自衛隊は中国軍と戦争を行う。
③中国軍は必ず、日米軍の離発着、補給基地としての沖縄等の軍事基地に対して、直接攻撃を行ってくる。本土を中国軍に攻撃された日本人は逆上し、日中戦争は激化する。
④米軍は戦闘の進展とともに、米国本土からの自衛隊への援助は最小限に減らし、戦争を自衛隊と中国軍の独自紛争に発展させていく作戦を米国は採る。
⑤日中戦争が激化したところで米国が和平交渉に介入し、東シナ海、日本海において米軍がPKO活動を行う。米軍の治安維持活動のもと、米国はこの地域のエネルギー開発でも主導権を握ることかでき、それは米国資源獲得戦術として有効である。
⑥この戦略の前提として、日本の自衛隊が自由に海外で「軍事活動」ができるような状況を形成しておくことが必要である。》
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◆ 「戦争に次ぐ戦争」に明け暮れてきた米国
これは、もともとは、『日本と日本人を危うくする安保法制の落とし穴』(ビジネス社)の中で、紹介されている文書のようだ。
私は、初めて、この文書の存在を知った時、「恐ろしさ」に身がすくんだ。
今も、この記事を書きながら、「戦慄」を覚える。
ただ、このレポートが、米国において、特別異例のものとは、思わない。
おそらくは、これに似たような「シナリオ」は、これまで、「無数」に出されてきたのではないか。
ジョセフ・ナイ氏は、それらを、中国、台湾、日本に「当てはめてみた」だけのことではないか。
そう思うのである。
建国以来、「戦争に次ぐ戦争」に明け暮れてきた米国であってみれば、当然の「備え」なのかもしれない。
このような米国を相手に、果たして「互角」にわたりあっていく「覚悟と度胸」が、安倍首相にあるのかどうか。
心もとないことである、と思うのは、私のみではなかろう。
(2015年8月27日)