2015年8月21日金曜日

武藤議員のスピード離党と責任追及の声 自民の対応は「官邸主導」か

「説明なければ、辞任を」という声が、出ている。
また、公認した自民党に対しても、「説明責任」が求められるという踏み込んだ認識も、示された。
この問題は、たんに武藤議員個人の問題ではない、という認識でもある。


武藤議員が離党したことで、一斉に、「攻撃の火ぶた」が切られた感がある。
自民党内はもとより、公明党からも、厳しい見解が示されだした。


◆ 問題の本質は、「未公開株」の取引きをめぐる金銭トラブル

「財形新聞」は、21日、次のような記事を掲載した。
 「報道されるところ(内容)が事実かどうか、本人がしっかりと説明責任を尽くすことが大事だ。疑念が掛けられた以上、離党だけでは済まない。国会議員として自らがきちんと事実を国民に説明することが一番求められている」
これは、公明党の山口那津男代表による、党中央幹事会での言葉である。

一方、民主党の郡司彰参院議員会長は、
「事実関係を把握してからだが、『政治とカネ』の問題はしっかりやっていく。今回の件では報道にあるような詐欺ということになれば政治とカネの問題だけではなくなる」(同上)
という見解を示した。

武藤議員の離党問題は、ともすれば、「だって戦争に行きたくないじゃん」というーデモをする若者を批判した―言葉に、焦点を絞った報道がなされている。

だが、ことの本質は、ここにあるのではない、と思う。(もちろん、このこと自体を軽視してよい、と思うわけではない。)問題の本質は、「未公開株」の取引きをめぐる金銭トラブル、というところにある。

それは、上に引用した二人の言葉にも、示されている。


◆ マスコミが追及すべきは、未公開株を巡る「不透明」な取引の有無

大手のマスコミは、ここをもっと追及すべきであるのに、この点については、あまり触れない。むしろ、避けているように見える。そして、それは、安倍政権に「遠慮」しての事のように、思えるのだ。

武藤議員の離党問題を、―議員が言った―デモをする若者を批判した言葉に「すり替える」ことで、事の重大性を「覆い隠そう」としているのではないか。

未公開株の発行元の、株式会社CRI・ミドルウェアは、平成26年11月27日に、「東京証券取引所マザーズに上場致しました」というお知らせを、ホームページの載せている。

現在、報道されている内容によると、武藤議員が、LINEで「やり取りをした」とされているのは、平成26年10月29日のことである。それは、「ミドルウェア」が上場をはたす、ひと月前のことである。

そうすると、週刊文春の報道は、まったく、「根も葉もない」事である、とは思えない。「火のないところに煙は立たない」という言葉もあるぐらいだ。

マスコミが、追求すべきは、ここだ。
ここで、再度、報道を確認しておきたい。


◆ 未公開株などの販売は、登録をうけた証券会社と発行会社が出来る

それは、次の様なものである。
「ソフトウェア会社の未公開株を『国会議員枠で買える』と知人に呼びかけ、この知人を通じて23人から約4100万円を集めた。金は武藤議員の政策秘書の口座に振り込まれた。しかし、実際には株は購入されず、出資者が返金を求めたが、武藤議員の秘書が一部を別の借金返済にあてたことから、現在6人に約700万円が返還されていない状態だという。」
未公開株とは、「証券取引所などの株式市場に上場されていない株」のことをいう。

この未公開株をめぐる、詐欺の典型的な手口は、「近々、上場する予定で、値上がりが確実」といって、”未公開株の購入を勧誘する”、というものである。

ところが、実際には、上場の予定はなく、購入後、業者からの連絡がなくなる。そこで、はじめて、「騙された」という事を知る。そのさいの「殺し文句」は、「上場間近で、必ずもうかる」というものだ。

だが、未公開株などの販売が許されているのは、登録をうけた証券会社と発行会社に限られる。そして、(通常は)「発行会社が、株式購入を直接勧誘することは、ありえない」とされる。

ましてや、『国会議員枠で買える』などという事は、とうてい、「まともな話」とは、思えない。もし、そんなことが現実におこなわれたとしたら、第二の「リクルート事件」ではないか。


◆ 異例の、武藤議員の「スピード離党」。これは、「官邸主導」を暗示か

エイチ・エス証券は、「武藤議員と弊社の間には取引関係がなく、この件に関してのやり取りもございません」とコメントした。(「J-CAST])

国会議員枠の未公開株についても、「特定の職種・業種等に対するIPO株式を優先的に配分する『枠』を設けるような制度は設けておりません」と否定している。

当然だろう。

専門的な知識がなくても、未公開株の購入について、「国会議員枠」などいうものが「設けられている」としたら、「取引の平等性、公平性」という点からしても、「問題がある」と思うのが、普通だ。

しかも、それが、当選2回の「未熟」な議員に持ちかけられた。(報道の通りであるととすると)仮に、「国会議員枠」というものがあったとしても、高々、2回当選したぐらいの国会議員に、そのような話が、「持ちかけられる」とは、思えない。

武藤議員がもちかけたとされる「未公開株」の話が、まったくの「架空のおとぎ話」であったのか。そうでなかったのか。「関与」した議員は、武藤議員だけか。

そこには、「大きな闇」が、「存在する」気がするのである。


それが、武藤議員の「スピード離党」が、「画策」された理由であり、今回の自民党の異例づくめの対応の、「真相」ではないかと思う。

そして、谷垣幹事長の言動が、短時間の間に「激変」したのは、このこと(スピード離党)が「官邸主導」により行われた、という事を暗示している。

そう思えるのである。

(関連サイト案内)
武藤氏自民離党 デモ批判幕引き許さぬ=東京新聞
徹底追及“武藤議員の金銭トラブル” 国会問題山積=テレ朝
武藤議員は説明できないなら辞職を…公明幹事長=読売
武藤議員問題 離党で幕引きはだめだ=信濃毎日
野党「武藤議員は説明責任を」総理「党に任せて」(いる)=ANN


(2015年8月21日)