2015年8月25日火曜日

公党の「私物化」だ 維新の党、松井顧問が「党を割る」

どうやら、一般社会とは、常識が異なるのは、「教育界」だけのことではないようだ。それは、「政界」においても、同様であることを、象徴する「出来事」である。維新の党、松井顧問が、「党を割る」と、公党の「私物化」をするがごとき、発言をした。


維新の党の松井顧問の言動や、党内の「内紛」が、報じられた。
柿沢幹事長の言動が、波紋を呼んでいるようである。


◆ そもそも、こういう事が、「顧問」に許されるのか、疑問なのだが

維新の党」の顧問である、松井大阪府知事が松野代表に対し、柿沢幹事長を更迭しない場合は、党を割るとの意向を伝えていたことが分かった、と「TV TOKYO」が、報じた。

≪柿沢幹事長の去就を巡って、党内対立が激しくなっている維新の党で、党顧問の松井大阪府知事が松野代表に対し、柿沢幹事長を更迭しない場合は党を割るとの意向を伝えていたことが、テレビ東京の取材で分かりました。・・・
こうした中、先週、松井知事が松野代表と電話会談した際に、「柿沢幹事長を辞任させなければ、我々は退く」と述べ、大阪系の議員を引き上げて、党を割る意向を伝えていたことが複数の維新の党議員への取材で分かりました。
 党分裂含みの情勢に最高顧問の橋下大阪市長が仲裁案として、柿沢幹事長と松井知事によるインターネット上での公開討論会を提案していますが、ある東京系の幹部も「いずれ党は分裂する」と述べるなど、状況は厳しさを増しています。≫

維新の党では、山形市長選挙への対応をめぐり、松井知事が柿沢幹事長の更迭を求めています。


◆ 「意思決定を行う権限は持たない」、「求められて高度な意見を述べる」こと

私の意見を述べる前に、「素朴な疑問点」を、確認しておきたい。それは、一般的に、「顧問とは、何か。いかなる役職を言うのか、という事でついてである。

普通には、「顧問」とは、「企業やその他の団体が行う業務について、意思決定を行う権限は持たないものの、求められて高度な意見を述べるために置かれる役職のこと、あるいはその役職に就いている者を指す」と、されている。

これが、いわゆる、社会的に認められている「常識」ではないかと思う。

「意思決定を行う権限は持たない」、「求められて高度な意見を述べる」ための「機関あるいは、役職」であるというのが、「普通」の観方である。

これに、異論を唱える人は、そう多くはなかろう。
このことを前提にして、考えてみたい。


◆ 二人が、これほどまでに、「強硬な姿勢」を取ることが出来る「理由」は?

まず、思うのは、何故、松井氏や橋下氏が、これほどまでに、「強硬な姿勢」を取ることが出来るのか、という事についてである。

特に、橋下氏は、顧問になることは、「絶対に、嫌。死んでも、嫌。」と明言した人物だ。

そのような人物が、何故、最高顧問を引き受けたのか。「不思議」と言えば、これほどの不思議なことはない。

松井氏が、柿沢氏に対し、「けじめをつけろ」と迫ったことは、多くのマスコミが取り上げている。

そうであるなら、まず「けじめ」をつけるべきは、橋下氏の方ではないのか。これが、世の中の「常識」というものであろうと、私は思うのだ。

まして、橋下氏は、「(任期後は)政治家を辞めます」と公言した。そうであるなら、いつまでも、「恋恋としていない」(未練がましく、しがみつく)で、潔く、すぐにでも、最高顧問を辞するべきだろう。

いや、そうではない。『党が、辞めたいといっても、辞めさせてくれないのだ」ということであれば、維新の党こそ、態度を「はっきり」とすべきだろう。

松井顧問も、「わがまま」が過ぎる。党を「私物化」しているとしか思えない、態度だ。

今こそ、維新の党は、決断を下すべきだ。
橋下氏とは、「縁を切る」と。あるいは、松井氏とも、「縁を切る」と。


◆ 維新」の党こそ、自らの「維新の断行」をすべき秋(とき)

維新の党は、いやしくも、―その出発点がどうであれ―天下の公党である。
現在、党に属する国会議員が責任を果たすべき相手は、日本の国民に対してである。

それは、大阪の市民に対してではない。(もちろん、国民の中には、大阪の市民が含まれることは、言うまでもないことであるが)

ましてや、松井顧問や、橋下最高顧問に対してでは、ない。

私は、この認識が、今こそ、重要であり、基本だと思う。

この認識に揺らぎがないのであれば、今すぐにでも、松井顧問や、橋下最高顧問に、「退場」を願う事である。そうすれば、この問題は「解決」する、と思うのだ。

維新の党の国会議員が、「腹をきめて」、「捨て身」で、事にあたる。そうすれば、それに「理解」を示し、応援をする国民は、少なくないだろう。(今のままでは、かって、国民から、「愛想をつかされる」だけの結果に、終わる気がする。)

もし、そうすることが出来ないというのなら、今の維新の党が、まず、すべきことは、「維新」という名の「看板」を下ろすことだ。

党、自らが、「維新」を断行することが出来ずして、日本の政治の「維新」を断行することなど、到底、実行することが出来ない、と思うからである。

(関連サイト案内)
維新の党分裂か 柿沢未途幹事長処遇で東西対立=日刊スポ
大阪維新、政治団体「関西維新の会」を届け出 近畿圏で活動 =日経
維新 与党との協議再開目指すも進展不透明=NHK
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(2015年8月25日)