2015年8月5日水曜日

下村文科相が「爆弾発言」 安倍首相に「見直しを進言した」

記事にしたのは、読売新聞。
今度は、「爆弾発言」が、飛び出した。
安倍政権内のことである。
下村博文・文部科学相が、新国立競技場について、「他の案で見直すべきだ」と安倍首相に進言していたことを、公表した。
それは、安倍首相の「鶴の一声」が出る、
「ひと月も前」のことだった。

1) 「後のない」下村文科相が、「爆弾発言」

これは、読売新聞が、報じた記事である。

「下村文部科学相は4日の参院文教科学委員会で、新国立競技場について、安倍首相が計画の白紙撤回を表明する約1か月前に『他の案で見直すべきだ』と首相に進言していたことを明らかにした。
 下村氏によると、6月中旬に建築家の槙文彦氏のグループの案を含め、他の案に見直した場合のメリットとデメリットを報告し、首相から『引き続き研究してほしい』と指示を受けたという。首相は7月17日に計画の白紙撤回を表明した。」
ツイッターでは、「ほんとかな」という書き込みも、見られる。
わたしは、「本当であろう」と、考える。

なぜなら、下村文科相は、国会において、野党から激しい追及にあっている。「辞任要求」も出されている。
おまけに、「進言をした」、安倍首相からは、「降格人事」を受けた。

もう、「後がない」
こういう時に、「ウソ」は言わない、と思う。

(誤解を恐れずに言えば)ある意味において、下村文科相は、完全に「終わっている」と、いえる。
人間は、「死に際」においては、「本当のこと」をいうものである。(中には、「墓場」まで、持っていく人もいるようだが)

これまでも、「献金疑惑」などで、厳しい追及をうけ、窮地に陥ったこともある。
何とか、「持ちこたえている」ようだが、「限界」が来た、のではないか。
そう思えるのだ。

今のままだと、無事に「開催に間に合わせること」さえ、危ぶまれる状態である。仮にそうなれば、下村文科相は、「歴史に汚点を残す」ことになる。

それは、「耐えがたい」ことであろう。
いまの「タイミング」なら、国民は、「さもありあん」と、受け取ってくれることであろう。

「すべてが終わって」しまってから、「こういう発言」をしたところで、「後の祭り」になる。批判は、下村氏に「集中」することだろう。


2) 「末期症状」の安倍政権。残る道は、法案の「撤回」しかない。

だが、当の安倍首相にとっては、もうこれは、「非常事態」。
今、首相は、「四面楚歌」の状態にある。

そういうなかにあって、これは「致命傷」にも、なりかねない「事態」であろう。

また、あのタイミングでの、安倍首相の「見直し」の発表は、やはり、「強行採決」の話題を「そらす」目的で、行われた。下村氏の発言は、それを「裏書」するものだ。

この発言は間違いなく、国会において、「追及材料」にされることになろう。
野党側は、「手ぐすねをひいて」、待っているのだから。

さらにいえば、これは観方によっては「造反』とも、「取れる」発言である。今の、この「タイミング」で言う事は、安倍首相にとっては、「おおきな痛手」になることは、「目に見えている」のだ。

それは、下村文科相も、「解っている」ことであろう。
それをあえて、公にした。「造反」と取られても、「弁解」は出来まい。

だが、国民においては、「モヤモヤ」がとれて、「スッキリ」した。
こういう感想を持つ人びとが、大方(ほとんど)ではないか。

安倍首相の「一言」で決まるのなら、もっと「早く」に、結論を出すことが出来たはず、だからだ。


今や安倍政権は、「末期症状」を呈しているかのように、見受けられる。
事ここに至っては、「残された道」は、安保法案の「撤回」しかない、のではないか。


(関連サイト案内)

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(2015年8月5日)