2015年8月17日月曜日

戦後70年談話(Ⅲ) 安倍政権が進める「政策」とは、まったく正反対


安倍首相が出した「戦後70年談話」からは、捉えどころなない、まるで、「鵺(ぬえ)」のような談話である、という印象をもった。


このような「談話」なら、わざわざ、「出すほどのことはなかった」、のではないか。
そう思えるほどである。

2回にわたり、戦後70年談話について、検討してきた。

この回では、その総まとめとして、世論調査の結果や、米軍機の事故などをまじえて、論じてみたい。


◆ 安倍首相自身も、「満足」のいく談話とは、思っていないのでは

安倍首相の出した、戦後70年談話の「目玉」は、「(次の世代に)謝罪の
宿命を背負わせてはならない」という言葉にある。

ここが、唯一、「安倍カラー」を出すことができた箇所だと思う。
方々に「気を使った」結果、ほとんど、安倍首相の意に沿わない「戦後70年談話」になったのではないか。

そんな気がする。

共同通信社が実施した、全国電話世論調査によると、首相談話を「評価する」との回答は44・2%。逆に、「評価しない」は、37・0%だった、ようだ。

恐らく、安倍首相自身も、決して「満足のいく談話」に出来たとは、感じていないのではないか。
それは会見の時の安倍首相の表情にも、あらわれていたように思う。


安倍首相は、「謝罪の言葉は、必要がない」、と表明していた「前言」を押し通すことが出来ず、結局「繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました」という言葉を、―しかも、中途半端な形で―入れざるをえなかった。

安倍首相自身の言葉としては、「語ら」なかった。
「侵略」についても、文字としては入れられたが、まったく、意味をなさない形で使われた、に過ぎない。

このことについて、自民党の稲田政調会長は、11日に出演した日本のテレビ番組では、「未来永劫(えいごう)謝罪を続けるのは違う」と述べていた。

また、稲田氏は、「侵略」の文言についても「(明記に)こだわる必要はない」述べた。

稲田氏の、この「考え」に共感する人びとにとっては、70年談話は、「ほぼ、満足のいくもの」であったことであろう。それが、44.2%の数字に表れている、と思う。


◆ 安倍政権が進める「政策」とは、まったく正反対の戦後70年談話

逆に、評価しないと回答をした人々にとっては、「謝罪」の言葉を自身の言葉として語らず、「侵略」についても、日本の責任を曖昧にしたこの談話は、決して、容認できるものではなかろう。

談話では、「いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります」とのべるが、これほど、「恥知らずな言葉」は、なかろう。

この言葉は、今の安倍政権の推し進めている「政策」とは、まったく正反対のものになっている。
武器輸出の緩和、国連を軽視する米国への肩入れ、法の支配を無視する安保法案の提出などが、その代表例である。

これらの政策への「反対」が、37・0%という数字に表れている。


◆ 国民の知らないところで、米軍と一体化する自衛隊

つい先日も、沖縄県うるま市で訓練中の米軍ヘリコプターが、事故を起こした。

これは、米艦船への着艦に失敗した墜落事故である。
しかも、この訓練には、陸上自衛官が参加していて、負傷した。

負傷した陸上自衛官二人は、「陸上自衛隊の特殊部隊員」で、米軍特殊部隊の訓練中、事故にあった。だから、これは、たんなる事故とは思えない。

しかし、この事故の全体像は、日米地位協定の規定に阻まれて、詳しいことは、公表されないままだ。恐らく、今後も、詳しいことを、国民は知ることが出来ない、であろう。

国会における安保法制案の、審議における安倍政権の答弁とは、「裏腹」に、自衛隊の米軍との一体化が、どんどん、と推し進められている。

しかも、その実態は、まったく、国民には、知らされないままである。

日本の国民でさえ、十分に事実関係を知ることが出来ない、このような状況下にあって、韓国や中国など近隣諸国をはじめ、世界中の国々に、この70年談話が、「受け入れられ、理解される」とは到底思えない。


(関連サイト案内)
<社説>終戦70年式典 歴史認識が問われている=琉球新報
日本領海内で訓練 うるま沖ヘリ墜落、米国防総省が説明=琉球新報
【終戦から70年】原点に立ちいまを問う=高知新聞
戦後70年首相談話 真の和解とするために=東京新聞
終戦から70年 不戦の誓い、未来に継承を=北海道新聞

※ 一部、文章を削除し、加筆しました。2015/8/18

(2015年8月17日)