2015年8月13日木曜日

トルーマン元大統領、「後悔している」 WSJ「原爆投下を神に感謝」(Ⅱ)

第2回目である。
今回は、原爆の投下を命令した、トルーマン元大統領を取り上げる。
原爆の投下について、トルーマン元大統領は、「神に感謝」する都は、述べていない。むしろ、「後悔している」と述べていた。

韓国の「聯合ニュース」が、11日に報じた記事を、ヤフーのニュースサイト
が取り上げて、掲載した。


◆ 元大統領は、ラッセル上院議員に「後悔している」、と手紙を出していた

「聯合ニュース」によると、書簡は、元大統領が長崎への原爆投下を承認後に、民主党のリチャード・ラッセル上院議員に送付された。
米国立公文書記録管理局のよって、第二次世界大戦終結70周年に合わせ、10日に公開された。

以下に、「ヤフーのニュースサイト」の記事から、書簡の中身に関する記述のみを、抜書きした。

① 「個人的には、一国の指導者の“強情”のために集団を全滅させる必要性があるのか、明らかに後悔している」
② 「一つ言っておくが、私は原爆が全体に必要でない限り、使用しない」
③ 「ソ連が戦争に介入すれば、日本は非常に短期間で降伏するだろう」

④ 「私の目的は、できるだけ多くの米国人の命を救うこと」
⑤ 「日本の女性と子供たちには人間として同情を感じている」
⑥ 「私は日本が非常に残酷で野蛮な戦争国家だと知っている。だが、我々も彼らと同じように行動しなければならないとは思わない」


◆ 原爆被害の惨状の衝撃で、朝鮮戦争での原爆の使用を断念

記事は、クリフトン・トルーマン・ダニエル氏(トルーマン元大統領の孫)への、聯合ニュースの、インタビュー(今年6月)に対する証言も、載せた。

ダニエル氏は、「祖父のトルーマン大統領は広島と長崎の原爆被害の惨状に大きな衝撃を受け、このために朝鮮戦争時に原爆を使用しなかった(と私に話した)」と述べている。

この氏の「証言」によると、トルーマン元大統領が、「原爆投下を神に感謝」していたとは、到底、思えない。

手紙に書かれたことと、朝鮮戦争での原爆の使用を断念したことは、見事に「符号」する。

特に、⑥で語られていることは、重要だ。

彼は、日本について、「非常に残酷で野蛮な戦争国家(である)」と認識していた。
が、原爆を投下したことで、米国が日本と同じような、「非常に残酷で野蛮な戦争国家になった」、と感じていた事が、この手紙の内容から、読み取れる。

WSJに記事が言うように、「広島と長崎への原爆投下は単に戦争を終わらせた恐ろしい出来事ではなかったということだ。多くの人々の命も救ったのである。」とは、トルーマン元大統領は、考えていない。


◆ 「原爆の投下」は、ソ連の日本の占領への関わりを避けるため

「日本を降伏に追い込んだのは、長崎への原爆投下よりも、その日に始まったソ連軍による満州侵攻だったのか」という、ブレット・スティーブンス氏の出した疑問点についても、明確に、③で回答をしている。

繰り返しておくと、「ソ連が戦争に介入すれば、日本は非常に短期間で降伏するだろう」と、いうことだ。

そうなれば、どうなるか。
恐らくは、日本は、朝鮮半島が「そうなった」ように、分断されていたことであろう。

東京あたりを境にして、ふたつに分けて、統治されていたことであろう。
ソ連は、当然「それを要求した」であろうし、そうなれば、単独で「日本を占領すること」は、出来なかったであろう。

そうなれば、「戦後の世界」は、大きく変わっていたことであろうし、米国の世界戦略にも、大きな影響がでた、ことだろう。

だから、「原爆の投下」は、米国のためであり、ソ連を日本の占領に関わらさないため、であった。こう、言える。

その意味において、WSJが、ブレット・スティーブンス氏が、「原爆投下を神に感謝」と述べているのは、「我々米国としては」という、但し書きが必要なのである。

※ 写真を差し替えました。

(2015年8月13日)