2016年6月17日金曜日

亀の甲より年の功「知恵に満ちた老人社会を目指せ」

《若いアメリカは歴史がないから未来志向で、知恵よりも知識を武器に発展しているが、横丁のご隠居さんを大切にするわれわれは、「亀の甲より年の劫」という言葉を生かしな
がら、知恵に満ちた老人社会を目指して、円熟した社会を作り上げるのが似合っています。》(藤原 肇『賢く生きる』)




以下は、対談者の言葉です。

即時的な満足 に押し流されて生きていれば、
それは「マクドナルド化」の現れであるし、
健全な家庭も健康な生活も破壊されてしまう。

家庭で母親がきちんと料理をしないで、
手軽だと弁当を買ってきて済ましていれば、
それは食事ではなく「エサ」になります。

料理の「理」は筋道をきちんと立てることであり、
それを毎日やり続けるのは大変だと感じるが、
当たり前のことの中に大切なものが潜んでいます。



それを受けての藤原氏の言葉が、
冒頭に書いた言葉です。


「当たり前のことを、当たり前に、
徹底してキチンとやる」
とい うのが--経営の神様と言われた--
松下幸之助の口癖であった。

__そうです。

一時流行った、「断絶の時代」という表現は、
世代・親子間の断絶についても当てはまると、思います。

長年にわたって積み重ねられてきた
お年寄りが持つ知恵を、
「古い」「時代に合わない」
と言って、否定してよいものでしょうか。

私には、とうてい、そのようには思えません。

(※)なお、文中「亀の甲より年の劫」となっていますが、
そういう使い方もあるようです。タイトルでは、
一般的に使われている「年の功」にしました。

(2016年6月17日)

1 件のコメント:

satoru Kinugawa さんのコメント...

この本は対談集です。副題にも、そうあります。 
引用したところの相手は、正慶 孝(しょうけい たかし)氏です。