2016年6月13日月曜日

切り捨てずに生きる「古さの中に、新しさを発見する」

『古いものの中にある良さ、現代にも通用する新しさを発見することが大切である。』
と、鎌田勝氏は言う。



『江戸時代とまでは言わなくとも、戦後生まれの世代が国民の過半数を占め今日、明治、大正生まれの世代の考え方や生活態度の中には、今日再評価され、復活させるべきすぐれたものがたくさんあるはずである』と、いうわけである。

「古きを温(たず)ねて新しきを知る」事が、大切であると孔子も述べる。何も新しいものがすべてよく、古いものはだめという事にはならない。

物事は、それほど単純ではない。だいいちに、古いものが価値がないのなら、「骨董屋」という商売は成り立たない。

名所、旧跡も、誰も見向きもしないだろう。名画と言われるものは、古いものがほとんどだ。それが、時には何億円もの値段がつく。

同じように、思想あるいは考え方も、古いからダメ。新しいから、良い。そういうことには、ならないだろう。

思想あるいは考え方は、それが生み出された背景や歴史を抜きにして、評価することはできない。

時代的なものを考慮しつつ、その中に含まれるよい要素を取り出し、現代に生かす。そうしてこそ、人間は進歩発展することができる。

その意味では、「老人こそが宝」である。「年をとったから」という理由だけで、老人をないがしろにして、良いわけがない。

生産的活動に従事していないからといって、「除け者」のように扱うのは間違っている。
彼らこそ、「知恵のかたまり」、「いきた手本」なのだから。

(2016年6月13日)


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