2013年8月8日木曜日

「東電」の汚染水流出報道にみる、新聞読み比べをしてみた。

政府は昨日、東電の事故による汚染水流出が、1日300トンに上るという試算を発表した。
そのせいか、今朝の新聞は、一面に持ってきている。
今までは政府の手前?汚染水についての報道を控えてきたが、ここにきて一斉に報じ始めた。


そこで毎日、朝日、読売の各新聞の取り上げ方について、見てみたい。
三紙を選んだ理由は特にない。
たまたまそうなっただけのことである。

一面のトップに持ってきているのは、毎日と朝日である。
読売は、トップのすぐ横に持ってきている。
3紙とも、汚染水 海に流出 1日300トン の文字が、大見出しで載っている。

読売は、「対策国が積極関与」の副題だ。
毎日の副題は、「政府試算 対策に国費」である。
朝日は、「福島第一 東電任せ 対策破綻」となっている。

朝日、毎日ともに、かなり詳しい図を載せている。
読売は、図を載せてはいるが、略図だ。それも毎日、朝日の4分の1の大きさである。

また朝日、毎日ともに、3面に詳しい解説を載せている。
読売は、ない。

海底のくぼみに、高濃度セシウムのホットスポットが見つかった事については、三紙とも囲み記事で、報じている。

3紙の社説の記事の見出しは、つぎのようである。

毎日は、「中部電力の越境」と「ドーピング」である。
朝日は、「最低賃金上げ」と「甲子園開幕」だ。
読売は、「最低賃金アップ」と「米軍ヘリ墜落」である。

読売、朝日、毎日ともに、どの新聞も汚染水について、社説では取り上げていない。

解説であるが、毎日は汚染水の海洋流出の経緯について、詳しい流れが分る表を載せている。
国が対策に乗り出した経緯を中心に解説している。
「場当たり的対策に限界」の文字が目につく。

朝日は、「汚染水対策 結局は税金」の見出しだ。「研究費名目 苦肉の支援」と続く。
主に対策費用を中心に解説している。
賠償、除染、廃炉についての表を載せている。

二紙とも東電まかせの汚染水対策の限界を強調したものになっている。

それにしても三紙ともが社説でとりあげていないのは、どうしてのだろう。
毎日が電力について取り上げているのは、まあいいとして、他の項目は、どうなのだろう。

読売のヘリ墜落は、8月5日のことだ。
最低賃金のことも、大切ではある。

三紙の社説で取り上げられた項目を見ると、今の報道の姿勢がわかる。
東電の対応や政府が対策に乗り出したことを報道するのは、当然だ。



しかし社説で東電や政府の姿勢を正さないのは、おかしい。
今の報道の姿勢は、まだまだ、東電や政府よりである。
危機意識が足りないのは、報道もあまり変わらない気がするのである。