2013年8月22日木曜日

敵前逃亡にも等しい安倍首相の中東訪問。東電の汚染水問題はいいのか。

安倍首相が中東・アフリカ4カ国を訪問する予定だ。
日程が21日に固まった、と時事通信が伝えた。
(8/22)

安倍晋三首相による24日からの中東・アフリカ4カ国の訪問日程が21日、固まった。首相の中東訪問は昨年末の就任後2度目。原油や液化天然ガス(LNG)などを輸入している中東諸国と、安全保障や経済の分野での協力強化を図る。29日に帰国する。」

首相は今月の10日より20日まで夏休みを取っており、21日に公務に戻ったばかりだ。
ゴルフ三昧の休暇であったと報じられた。もちろん、休暇中━━国民としては大いに批判したいところだが━━に首相が何をしようが、勝手である。

だが公務に復帰したとたんに、中東諸国とのコンタクトを理由に、日本を離れることは、「敵前逃亡」に等しい行為である、と思う。

今更いうまでもなく、今の日本は平時ではない。非常時である。国家存亡の危機にある。
このことは誤解を恐れずに言うなら、いわゆる「戦争状態」にあるということである。

「非常時に現地にいない」と言うのが日本の外務省の戦前よりの、伝統であった。(例 「真珠湾攻撃」に際しての野村全権大使の取った行動)

首相もこの例を踏襲しようというのであろうか。
とんでもないことである。
そんなことは、けっして許されることではない。

安倍首相が責任を持つといった「東電の汚染水問題」が、完全に暗礁に乗り上げている。もう泥舟の東電には、どうにもできない状態だ。

「絶対にない」と東電がはっきりと否定していた海洋流出が、実は「ウソ」であったことが、わかった。
これは単に日本の漁業関係者や国民だけに関係することではなく、他の国々にも被害が及ぶ事柄である。
このような事態を放置して、日本にとって差し迫った状況でもない、中東諸国を訪問するのは、
「犯罪を放置する」ことにもつながるものだ。
絶対に取りやめるべきだ。そして、すぐに東電の汚染水の対策に取り組むべきだ。
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時事通信が報じたところによると、安倍首相の中東訪問は、原油や液化天然ガス(LNG)などを輸入している中東諸国と、安全保障や経済の分野での協力強化を図る。・・・(そして)バーレーン、クウェート、ジブチ、カタールと順に訪れ、 各国首脳と会談する」事がその目的とされる。

はたして、これは正しい判断であろうか。
我々は特にシェールガスについては、その判断は誤りであると思う。
シェールガスの輸入で、まず第一に配慮すべき国は、ロシアである。

次に、南アメリカの国々、━━ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチン━━である。
特にブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチンの4国が国境を接している地域は、今後莫大な資源が見込まれる地帯である。

これらの4国に対して必要な援助をし、技術協力を申し出ることこそが、急務である。
社会実録データ図録≪本川 裕(ほんかわ ゆたか)氏のそのブログ≫では、以下のように説明されている。

シェールガスは石油と異なり資源が中東・ロシアに偏在しておらず、世界への政治的な影響力にも激変が起こると見られている。今回の調査で最もシェールガスの埋蔵資源が多かったのは中国の36.1兆立米であり、これに米国、アルゼンチン、メキシコが続いていた。(2011年の時のデータ)】

上に地図でもわかるように、要するに中東は、シェールガスの資源の確保には、たいして関係のない国々なのである。
そのような国々を今訪問することが「敵前逃亡」でなくて何であろうか。

さらに、「カタールで首相はビジネスフォーラムに出席し、都市インフラ整備や医療・農業分野での日本企業の参入に向けトップセールスを試みる。」とのことである。

今企業の手先になって━━言葉は悪いが━━そんなことをしている場合ではなかろう。
ついでに原発の輸出もセールスしてくる気なのかもしれない。
仮にそうだとしてら、そんなことは絶対にやめるべきだ。

自国の原発の事故の解決も出来ないのに、安全をいかにして保障する、と話すつもりであろうか。
産業界からの要請があってのことであると思うが、安倍首相は「強い力を発揮して」断固要請を断るべきだ。
これ以上、世界に放射能汚染を拡散させることに、手を貸すべきではない。
そうすることが、原爆の被害を受けた唯一の国としての、日本の世界貢献である。

繰り返すが今は、危機である。
それも単なる危機ではない。国家存亡の危機である。
もし、今の安倍首相に、この認識がないのなら、そのような首相は国の先頭に立つ資格がない。
そんな「元首」は、今の日本には必要がない。

国家存亡の危機にあって、ノコノコトと他国を訪問するような、総理大臣は、今すぐに辞職すべきだ。
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マスコミも事実を報じるだけでなく、政府の無責任さをモット追及すべきである。
選挙前のTBSテレビの件で腰が引けたのか、安倍首相を正面から批判するマスコミがないのは、
情けなく、「言論の自由」はどこに行った、と声を大にして叫びたい。

本当に腹が立つ。感情で書くのは良くないことであるのは充分に承知してはいるが、どうも抑える事が出来ない
権力の監視役が出来ないようなら、さっさと辞めることだ。

小沢一郎氏の時にあれだけこぞって、彼を追い詰めておきながら、今の体たらくは何だ。
金権政治が批判されるのは、仕方のないことかもしれない。しかし、小沢一郎氏の金権問題が、
今の日本をつぶすほど重要なことか。

安倍首相の今の姿勢のほうが、今の日本にとっては、よほどその影響が大きい。
なぜ国民の前に出てきて、今後の対策について、しっかりと説明しようとしないのか。その点をマスコミは国民になりかわり、もっと追及すべきである。

                 ≪関連サイトの案内≫
安倍首相の中東訪問を伝える記事
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=201308210061    
本川 裕 氏の 統計データが載っている のブログ
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/index.html