2013年8月23日金曜日

地元だけの問題ではない、「原発問題」には国民的合意が必要だ

連日「東電の汚染水」の処理の問題で、盛んにマスコミが報じている。政府の関与が明らかにされた時点からのことだ。

今日の信濃毎日は、「汚染水が海に 被害の広がり防がねば」との見出しで、以下のように報じた。
(信濃毎日  8/23)

「事態の深刻さが日に日に明らかになっている。・・・・・・汚染水の漏えいは今に始まった問題ではない。東電の不手際を目の当たりにしながら、対応を任せきりにしてきた国や規制委の責任も重い。・・・・・
 炉心溶融した核燃料を冷やした後の水に大量の地下水が混ざり、汚染水が増え続けている。東電はタンクの増設を急いでいるものの、いずれ限界はくる。漏えいを防げたとしても、たまった汚染水の処分方法にめどは立っていない。・・・・・
 規制委の田中俊一委員長は、法定基準を満たす処理水や地下水を海に放出する必要性を説いている。仮にそうするにせよ、汚染水から放射性物質をどう取り除くのか。詰めるべき課題は多い。
住民不在で決めていい話でもない。信頼に足る技術と責任の所在をはっきりさせた上で、よほど説明を尽くさなければ住民の理解は得られないだろう。
中国と韓国が放射線量などの詳しいデータを送るよう要請してきている。事実、第1原発の港湾内では放射性物質の濃度は高まっている。」

事態が深刻な事は、前から解っていた。国や規制委が悪いのもその通りだ。
しかしでは、マスコミにはその責任はないのか。


もし汚染水の問題がこのようになれなければ、マスコミはこんなにも騒いだであろうか。東電に対して、疑問を投げかけたであろうか。どうも疑問である。

今までマスコミは、こぞって東電の事故を小さく見せようとしてきたのではないか。

放射能に汚染された食品、大気中の放射線濃度、汚染されたゴミの焼却を全国の自治体に負担させることによって放射性物質を全国にばら撒いたことなど、これらのことを伝える時、常に「基準値━━事故後国が勝手に決めた━━以下で安全ある」と言う言葉を使って、国民をだましてきた。

時にはまったく事故のことを報じようとしない時期もあった。
今後は今までの姿勢を新ためて、「国民目線」での報道を望む。

           *   *    *   

さて、信濃毎日の上の記事がいうように、「汚染水」の問題は、(地元)住民だけのことであろうか。

そうではない、と思う。
住民への説明は当然である。

しかしでは、「説明を尽くして」住民の理解が得られれば、それで済むのか。そんなことはあるまい。

これは単に関係自治体だけのもんだいではない。
確かに漁業権が関係すること間違いではなかろう。
だが,漁業権だけの問題ではないのである。

海は、だれのものでもない。

あえていえば、国のものだ。ということは、国民のものである。
だから、地元住民だけに限らず、国民への説明が必要なのである。

国民の合意がなければ、いくら基準値以下の汚染水であろうと、海に流すことは許されない。(特にストロンチウムは水に溶けてしまうと回収が出来ない物質であるから、余計にそうである。)

再稼働に関してもそうだ。

地元住民だけが問題にされがちだが、それは間違っている。そのことは、今度の事故ではっきりした。

今になっても地元の合意だけで━━今は、規制委のことはおく━━再稼働が出来るなどと思うのは、とんでもない間違いだ。

今までに何度か記事にしてきたように、国民の合意がいる。
これなしに事を進めるのは、許されることではない。

もしそれが許されると言うのなら、━━今後予想されるであろう莫大な補償金について━━電気料金に上乗せするのはやめてもらいたい。

また政府が、東電にだした援助金も国民に返還するべきだ。

地元住民がそんなに大事なら、地元だけに頼ればいい。(しかし、そんな事は出来まい。)だから、地元ばかりを強調するべきではない。

都会の危険を引き受けているのは地元だと言うのなら、そんな危険は引き受けなければいい。

再稼働に反対すればいい。
我々の土地には来てほしくありません、とはっきりというべきだ。

そのうえで、地元が発展する道を探るべきであろう。
もちろん、国は、しっかりと応援するべきだ。

再稼働に反対したから、援助はしませんなどという、ケチな事はいわないことだ。

むしろ今まで危険を引き受けてもらったことに感謝して、特に手あつい対策を取ることが、電力会社と国の義務だ。

「原発問題」はとかく地元が引き合いに出される。
だが、それは国民全体のことなのである。

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