2013年8月3日土曜日

 集団的自衛権の行使は、違憲の上に違憲を重ねるものである。

 安倍首相の私的懇談会が、集団的自衛権の全面的な容認を、提言する見通しである事が分った。
読売新聞が、会の座長代理を務める北岡伸一氏への取材で得た情報による。


これまでは内閣法制局が、「違憲である」としていた解釈に、変更を迫るものである。

選挙で多数を獲得しながら、何故正当な手段での見直しをしようとせず、性急な手段で自衛隊の性格を変えようとするのであろうか。


本来、憲法の精神からすれば違憲である自衛隊に、集団的自衛権を持たせて、何をしようというのであろうか。
自衛隊に集団自衛権を持たせると言うことは、軍隊に格上げするということになる。

これは安倍首相の言う「美しい国」とどうつながるものなのであろう。「自立した国」を目指すことにつながるものなのであろうか。とてもそうは思えない。

軍事同盟である日米安保条約のもと、積極的に海外に出かけて行って戦争をして、どんな国益があると言うのであろうか。
海外へ出て行ってアメリカの国益の追及の片棒を担ぐことが、日本にとって何の利益をもたらすと考えているのであろうか。

本気で日本を真剣に自立した国にしたいと思うのなら、まず日米安保条約を解消することが先決であろう。
今なら、すぐにでも、出来ることである。

自国の軍隊を持ちながら、他国の軍隊を駐留を許すなどということはおかしい。
そんなことでは、独立していないのに等しい。

それを解消するために、軍隊を持つと言うのであれば、それはそれで理解できる。しかし、日米安保条約をそのままにして、軍隊を持つことには反対である。

軍隊を持つならまず日本にあるアメリカの基地をなくし、アメリカ軍に出て行ってもらうことである。
そのうえで、アメリカと平和条約を改めて結べばよい。

そうなれば、沖縄の問題も解決する。
それであれば大多数の日本の国民も納得するであろう。
そのことなしには、軍隊を持つことは、とても容認できることではない。

そんなことは今すぐに出来ることではないというのなら、アメリカに安保条約を終了させる意思の通告だけでもするべきだ。それでも一年間は効力があるのだから、安全を保障するための準備期間としては、充分であろう。②

ゼロから始めるわけではないのである。
規模からいえば自衛隊は、世界中でそう劣るものではないであろう。
もちろん、実践経験のない隊員ばかりであるから、すぐに戦争が出来るかどうかは疑問な所はあるだろうが。

どちらにしても、膨大な予算を使って維持しているのであるから、まったく使い物にならないと言うことはなかろう。もしそうだとしたら大変な事である。③

安倍首相は自衛隊を軍隊に編成替えをしたいのなら、姑息な手段で変えようとせず、堂々と国会と国民に諮ったうえで、そうすべきである。

そうでなければ自衛隊は、いつまでも、「日陰者」でしかないことになろう。

(参考にしたサイト)
①  http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130802-OYT1T01468.htm?from=ylist
    読売の記事
②  http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/jyoyaku.html 
    外務省のサイト   日米安保条約の条文
③   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A
    自衛隊