2013年8月9日金曜日

福島事故の責任は、どこにあるか。

ネットをうろついていたら、桐陰横浜大学の河合幹雄教授の記事が目についたので、ここで取り上

げてみたい。


教授は以下のように言われる。

原発事故に対する損害賠償は、法学者から見れば、本来、原発の製造者の責任であって電力

会社の責任ではない。そこを曲げて電力会社の責任とする立法がなされたのは原発がGE製だ

ったからであり、これは一種の「日米地位協定」あるいは「不平等条約」である。

なぜこのような論理が成立するのか、法学者でないものにはわからない。
なぜ「本来そうであるのか」もう少し丁寧に、説明してほしい。それが学者の責任であろう。
無学なものに解るかという態度では、国民を納得させることは出来まい。

それにしてもこの論理には、納得がいかない。
法律論的な証明は出来ないが、常識論で考えてみる。

製造物責任法には輸入業者も含まれている。
だから原発の設備を輸入した東電には責任がある。

また、運転上の責任もある。
たとえば飛行機を操縦ミスで墜落せ、乗客が死亡したり怪我をすれば、責任を取らせれるのは操縦士であり、航空会社だ。製造会社ではない。

飛行機に何らかの欠陥があったのなら話は別だが。
ほかのことでもそうであろう。

福島の事故では、まだその原因が特定できているわけではない。
(あるいは東電が国民には隠しているだけで、もう特定しているのか。)
現在の時点では、原子炉の内部がどうなっているのかさえ、不明なのである。

その状態でどうして製造元のGEに責任があると言えるのか。
とても学者の説とは信じられない。

かりに100歩ゆずって、原発がこわれた責任がGEにあってとしても、電源を地下に持ってきて、事故を大きくした責任を逃れることは出来まい。

三重の備えがあるから充分安全であると言い続けてきた責任も、当然にある。
そして事故の通報をすぐに消防所にせず、先に東電本社との連絡を優先させて、その結果多くの住民を被曝させた責任は、当然取るのが、筋だ。それさえ責任がないといわれるつもりか。

事故の後、情報を国民に知らせず、今頃になって、汚染水が海に流れていることを認めた。
本当に東電に責任がないと考えるのなら、すべては明らかに出来るであろう。

それをせず、情報を隠してばかりいれば、何か後ろ暗いものがあると勘ぐられても仕方あるまい。

「事故の責任は当社にはありません。製造元のGEにあります。」
当社は全力で国民の皆さんを支えますから、GEに対して損害賠償の裁判を起こしてください、といえばいい。

≪サイト案内≫
① 河合教授の記事
http://astand.asahi.com/magazine/wrnational/2013080600004.html?ref=com_rnavi

② 東電原発の一号機の建設について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%801%E5%8F%B7%E6%A9%9F%E3%81%AE%E5%BB%BA%E8%A8%AD