過去にアメリカの政府の主導により行われた戦争の際の、軍事介入のための「でっち上げ」の例を、以下に示します。いずれもウィキペディアの記事によります。)
① ベトナム戦争時の、「トンキン湾事件」
④ イラク戦争と「大量破壊兵器の保有疑惑」
① ベトナム戦争時の、「トンキン湾事件」
【アメリカ軍は、1964年8月2日と8月4日にトンキン湾で発生した北ベトナム海軍の魚雷艇によるアメリカ海軍の駆逐艦「マドックス」への魚雷攻撃事件・・への報復を口実に、・・・北ベトナム軍の魚雷艇基地に対する大規模な軍事行動を行った。・・・・8月7日には、上下両院で事実上の宣戦布告となる「トンキン湾決議」が可決され、民主党と共和党の議員の多くがこれを支持しジョンソン大統領への戦時大権を承認、本格的介入への道が開かれた。・・・・
1971年6月にニューヨーク・タイムズの記者が、ペンタゴン・ペーパーズと呼ばれるアメリカ政府の機密文書を入手し、8月4日の2回目の攻撃については、ベトナム戦争への本格的介入を目論むアメリカが仕組んだ捏造した事件であったことを暴露し、マクナマラ国務長官も1995年に同様の内容を告白している。
捏造は8月4日の事件であり、8月2日に行われた最初の攻撃は、アメリカ海軍の駆逐艦を南ベトナム艦艇と間違えた北ベトナム海軍の魚雷艇によるものであることが北ベトナム側も認めている。】
② 湾岸戦争時における「ナイラ証言」
【「ナイラ」なる女性(当時15歳)が1990年10月10日に非政府組織トム・ラントス人権委員会にて行った証言。イラクによるクウェート侵攻後、イラク軍兵士がクウェートの病院から、保育器に入った新生児を取り出し放置、死に至らしめた経緯を涙ながらに語った事で知られる。
当時のマスコミはクウェートへ入れなかったため、この証言が信憑性のあるものとされ、広く喧伝された。アメリカ合衆国上院議員や大統領も幾度となく引用しており、湾岸戦争の布石を敷くこととなる。
当初はアムネスティ・インターナショナルや避難民からの証言により、裏付けの取れたものであった。しかし、クウェート解放以後、マスコミが同国内に入り取材が許された結果、新生児の件は虚偽であった事が発覚。
また、1992年に「ナイラ」なる女性は苗字がアル=サバーであり、何と当時クウェート駐米大使であったサウード・ナシール・アル=サバーの娘との事実が暴露された。
その上、証言自体がクウェート政府の意を受けた、ヒル・アンド・ノウルトンによる自由クウェートのための市民運動広報キャンペーンの一環であったのも明らかとなる。爾来、単なる戦時プロパガンダとして広く認知された。】
当時のマスコミはクウェートへ入れなかったため、この証言が信憑性のあるものとされ、広く喧伝された。アメリカ合衆国上院議員や大統領も幾度となく引用しており、湾岸戦争の布石を敷くこととなる。
また、1992年に「ナイラ」なる女性は苗字がアル=サバーであり、何と当時クウェート駐米大使であったサウード・ナシール・アル=サバーの娘との事実が暴露された。
その上、証言自体がクウェート政府の意を受けた、ヒル・アンド・ノウルトンによる自由クウェートのための市民運動広報キャンペーンの一環であったのも明らかとなる。爾来、単なる戦時プロパガンダとして広く認知された。】
③ アフガニスタン戦争と、「9,11」
【2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件が発生した。12日、アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領はテロに対する闘いを宣言した。・・・この中で、ターリバーン政権の関与が示唆され、ドナルド・ラムズフェルド国防長官はウサマ・ビン=ラーディンが容疑者であり、また単独の容疑者ではないと発言した。
(しかし)
同時多発テロ当時、アルカーイダによる犯行声明などは行われておらず、アルカーイダを犯人と推定したのはアメリカ当局によるものであった。
(その後、10月2日、空爆が開始された。)】
④ イラク戦争と「大量破壊兵器の保有疑惑」
【開戦前にブッシュ大統領やチェイニー副大統領が「イラクは大量破壊兵器を保有している」とメディアを通して繰り返し広言していた[50]ため、開戦後に大量破壊兵器が発見されなかった・・・この戦争の『大義』が失われたという批判が巻き起こる結果となった。・・・
2004年1月28日には、当時のデビッド・ケイ大量破壊兵器調査団長(CIA 顧問)が・・・・「私を含めてみんなが間違っていた。・・・・生物・化学兵器が発見される可能性はもうないだろう」と証言した[69]。
同年10月にはアメリカが派遣した調査団が「イラクに大量破壊兵器は存在しない」との最終報告を提出。・・・
サッダーム・フセインは、拘束後のFBIの取調べで、イラクが査察に非協力的だったのは「大量破壊兵器を保持している事をほのめかす事でイランや国内の反政府勢力を牽制しようとした」ためで、化学兵器などの大量破壊兵器は「湾岸戦争後の国連の査察ですべて廃棄させられたため最初から無かった」と証言した。】
これだけ例を上げれば充分であろう。
これでも尚且つ、今回のシリアの疑惑を肯定することが出来るであろうか。
オバマ大統領が正しいと言えるのであろうか。
アメリカは今見てきたように過去においては、疑惑をでっち上げては、他国に軍事介入する口実にしてきた。
今回だけが、例外であると考えることは可能であろうか。
そう
思う人がいたら、よほどのお人好しか、・・・・・である、と考える以外にはない。
次回は、米国と日本の政府による、サリン製造の事実についての記事を書きます。
同年10月にはアメリカが派遣した調査団が「イラクに大量破壊兵器は存在しない」との最終報告を提出。・・・
サッダーム・フセインは、拘束後のFBIの取調べで、イラクが査察に非協力的だったのは「大量破壊兵器を保持している事をほのめかす事でイランや国内の反政府勢力を牽制しようとした」ためで、化学兵器などの大量破壊兵器は「湾岸戦争後の国連の査察ですべて廃棄させられたため最初から無かった」と証言した。】
これだけ例を上げれば充分であろう。
これでも尚且つ、今回のシリアの疑惑を肯定することが出来るであろうか。
オバマ大統領が正しいと言えるのであろうか。
アメリカは今見てきたように過去においては、疑惑をでっち上げては、他国に軍事介入する口実にしてきた。
今回だけが、例外であると考えることは可能であろうか。
そう
思う人がいたら、よほどのお人好しか、・・・・・である、と考える以外にはない。
次回は、米国と日本の政府による、サリン製造の事実についての記事を書きます。