2013年8月22日木曜日

いつまで続く東電の「欺瞞体質」。「東電」に当事者能力はない。

東電の「ウソ」が止まらない。
「汚染水」のことである。よく平気でいられるものだ。

それにしても政府はいつまで東電に任せるつもりなのだろう。

お金だけ出せばそれで事足りると思っているのであろうか。
東電がタンクから漏れた汚染水が、海に流れ出たことを、今日になって認めた。47ニュース が伝えた。(8/21)

「福島第1原発の地上タンクから汚染水が漏れた問題で、高濃度の汚染水がタンク近くの排水溝を通じ直接、外洋に流れ出ていた可能性が高いことが21日、東京電力の公表した資料などで分かった。東電はタンクから漏れた約300トンの大半が地中に染み込んだとみているが、排水溝内で21日、毎時6ミリシーベルトの放射線量が計測された。東電は「(海への)流出を否定はしない」としている。

 これまで原子炉建屋東側の敷地から原発港湾内への汚染水流出は確認されている。直接外洋に流出していたとすれば、より深刻な事態だが、既に海水に混ざって確認は困難な状況だ。」

日テレ が伝えたところでは、昨日は、海への流出の可能性は低いとしていた。(8/20)

これはタンクから漏れ出た量としては過去最大で、大半は周辺の土壌に染みこんだとみられている。しかし、海につながる排水溝の水の濃度は上がっていないことから、東京電力は海に流出し可能性は低いと説明している。」
 
ところが、それを二日もしないうちに、「否定はしない」と言うような、国民をバカにした表現を用いて,昨日の「ウソ」を否定した。

この汚染水の漏れについて、河北新報が詳細に伝えているのでそれを見てみる。(8/21)

【東京電力はタンクから継続的に汚染水が漏れていた可能性を指摘する。「政府主導」を掲げ、汚染水対策の強化に乗り出した安倍晋三政権は、新たな漏えいを許す悪循環を断ち切れないままで、地元の不信感は募るばかりだ。・・・・・
・・・・いわき市では、国や東電が漁業者に汚染水問題を説明。出席者から「いつになったら漁を再開できる・・・東電側は汚染水対策の一つとして、原子炉建屋に入る前の地下水をくみ上げて海に流す「地下水バイパス」の実施に理解を求めたが、福島県漁業協同組合連合会の野崎哲会長は「(タンクの水漏れが)大きなネックになると思う」と話した。
 「東電だけでは限界がある」(首相周辺)と、汚染水対策を国費で支援する意向も示したが、抜本的な解決策は示せないままだ。】
 
安倍首相の「決められる政治」の姿とは、これか。
誰がどう見ても、東電がもう終わっているのは明らかだ。
いつまでもグヅグヅとしていないで、すぐに手を打つべきだ。

少なくとも、安倍首相自らが会見をして、今後の方針を丁寧に国民の前で、明らかにするべきである。
東電をどうするのか。潰すのか、本気で救済するのかも明言すべきだ。
汚染水の処理をする企業を入札するなりして、東電に変わらせる考えはあるのかどうか。

国内で無理なら、外国の企業でもいいではないか。むしろその方が、情報が出てきやすいであろう。
安倍首相が、今後の方針を明らかにしない限りは、再稼働の審査は中断すべきである。

【原子力規制委員会は14日、第1原発の廃炉作業の安全対策をまとめた東電の「実施計画」を認可したばかり・・・・・
「少量の漏えいが続いていたのに気づいていなかった可能性もある」。東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は、タンクから継続的に汚染水が漏れていた可能性に言及した。コンクリートのせきの内側に残っていた汚染水の量が約4トンと少なかったことから、以前から汚染水がにじみ出し、雨水と一緒に周辺に流れていたとの見立てだ。
 事実なら、毎日午前と午後2回の巡回をしながら、汚染水漏れを見逃していたことになる。】

廃炉も東電に任せるのは、よくない。
日に2回も巡回をしながら気づかなかったのだから、いい加減である事もはっきりとした。
どんなに「東電に事故の責任がある」と言ってみたところで、もう東電には当事者能力がないことは明らかだ。
別会社にやらせるべきだ。

【「タンク内の水がいつか漏れるのでは」。ある作業員は不安を抱えながら作業に当たった。タンク組み立ての資材は大急ぎで調達されたためか、さびたボルトや亀裂が入ったものも混ざっていたという。
 タンクからの汚染水漏れはすでに5例目。すべて今回と同じ種類のタンクで発生している上、現在も敷地内でこのタイプ約350基が運用中だ。新たなトラブルがどこで起きても不思議ではない状況が今も続いている。】

地震のすぐ後で、ずさんな工事がなされたであろうことは、容易に想像がつく。
厳しい条件下の工事でもあっただろう。
丸投げをして、下請けにでも任せきりであったのだろう。

汚染水の問題は、事故収束の要であろう。
国は全精力を傾けて解決に当たるべきだ。国が一括管理して、正確な情報を国民に伝えることも重要なことである。
何かというと、マスコミは「風評被害」が盛んに言い立てるが、その原因を作っているのは東電である。
東電の情報を隠し、あるいは小出しにするやり方が、国民の不信感を生むのである。
政府も、都合に合わせて法律をいじったりしないで、事故前の法律を守るべきだ。緊急避難的措置を取る時期はずっと前に終わっている。

政府が国民の安全保障に本気で取り組まない限りは、風評被害は続く。
地に落ちた政府の権威を取り戻すのは、安倍首相の重要な使命である、と思う。
自分の政権がしたことではないと言う言い訳は、通用しない。原発を推進してきたのは自民党であり、原発施設の事故対策に責任があったことも、同様である。

      ≪関連サイトの案内≫
         海への流出を認めた東電の記事
http://www.47news.jp/news/2013/08/post_20130821213622.html
         東電が 「否定していた」当初の記事 http://www.kahoku.co.jp/news/2013/08/20130821t63015.htm

         汚染水の詳細な内容を伝えた 河北新報 の記事
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/08/20130821t63015.htm