動画には、「Monkeys(猿達)」と明記、されていた。
夏が終わったが、沖縄が熱い。
翁長知事が、国連で演説を行ったことで、世界中からも、にわかに注目を浴びるようになった。だが、その一方で、驚くべき報道があった。
辺野古への米軍基地移設の抗議活動を行っている、反対派の住民を基地内から撮影した動画が、youtubeに投稿されたのだ。
既に削除されたのか、今はいくら探しても、見つからない。しかし、「Monkeys」は、絶対に許せない。この言葉は、「戦時中に、敵国である」日本人を「侮辱」する言葉であったからだ。
何よりも、人間の尊厳を、沖縄県民の尊厳を、日本国民の尊厳を傷つける言葉である。
これは、未だに「米国人が日本人をどう見ている」かを示すものだ。戦前、米国は、日本人を「黄色いサル」と呼び、見下していた。この「動画」は、今もって、この「偏見」から、抜け出していないという事をしめすものであり、けっして、「看過する」ことは出来ない。
◆ 抗議活動を、基地内から撮影した動画が、youtubeに投稿
沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前で行われている抗議活動の様子を、基地内から撮影したとみられる動画が、インターネット上に投稿されていた。
『朝日デジタル』の記事より、引用する。
≪沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前で行われている米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設計画への抗議活動の様子を基地内から撮影したとみられる動画が、インターネット上に投稿されていることがわかった。シュワブでは、抗議活動を今年2月に撮影した監視カメラの映像を外部に流出させたとして、当時の在沖縄米海兵隊の政務外交部次長が更迭されている。
映像は6月10~13日、動画投稿サイト「ユーチューブ」(YouTube)に、同じ投稿者名で少なくとも3本投稿された。反対派が抗議の声を上げながらフェンスを揺さぶる様子などが映っている。≫池宮城紀夫弁護士(埋め立て訴訟の弁護団長)は、「警備員のすぐ近くで撮影されており、基地内でカメラを回すことを許された人間が撮影しているのは間違いない。だれが投稿したのかわからないが、米軍側の意図がなければ外部に投稿されるはずがない」と批判した、と記事は書いている。
つまり、米軍側が意図的にyoutubeで流すことを、「画策」した、と推測される。
◆ 米軍に厳重な抗議を行うよう、安倍首相に働きかけをすべき
これは、到底、許されるべきことではない。
日本の政府は、「人権蹂躙」事件として、厳重に、抗議をすべきである。
もっとも、こんなことを言い立てても、安倍政権には、「馬の耳に、念仏」であろうが。我が国の、憲法を自らが蹂躙しても、「テンとして、恥じることがない」安倍首相にしてみれば、「痛くも、痒くもない、出来事」であろう。
そもそも、安倍首相に「人権」が、「理解出来るのかどうか」さえ、疑問がある。安倍首相に理解できるのは、恐らくは、「自分にとって、都合のいい」、「勝手気ままな人権」だけのように思える。
自分が認めることが出来る行動についてだけ、人権を認めることが出来るのだと思う。安保法案に反対する「デモ」についても、「認めた」のは、法案が「可決」された後のことであった。
法案が可決され、米国との約束が果たせた後に、おいてのことであった。「ホットした気持ちもあった」のであろう。また、こういう「ポーズ」だけでも見せておくことが、政権にとって「プラス」になる、と判断したのかもしれない。
安倍首相にすれば、彼らの行動(沖縄の人びと)は、到底、「容認すること」は、出来まい。そうであれば、彼らの行動を「人権に基づくもの」とは、認めまい。そうであれば、米軍に抗議するはずがない、という結論になる。
ここは、政治家の出番である。野党の国会議員の出番である。米軍に厳重な抗議を行うよう、安倍首相に、強く、強く働きかけるべきである。
もし、安倍政権が、こういう抗議でさえ「出来ない」ということであれば、集団的自衛権の行使の判断において、米軍の「要請」を独自に判断をする、という答弁が「ウソ」であったことになる。それを証明することになる。
これは、たんに沖縄の県民だけが「侮辱」された事件ではない。日本の国民のすべてが「侮辱」を受けた事件である。安倍政権は、事実をしっかりと確認をし、もし、「事実である」という事が判明した時は、「外交ルートを通じて」、オバマ政権に厳重に抗議をするべきである。
(関連記事案内)
・政権批判の民意高揚に期待 次期国政選挙で沖縄知事=西日本新聞
・米中首脳会談、サイバー攻撃問題などで合意 溝も=CNN
・沖縄に基地を置く真犯人は誰なのか」翁長知事ら国連でシンポ=沖縄タイムス
(2015年9月26日)