2015年9月23日水曜日

安保法案の議決と、「準自民党」化する「野党」 

それで、「補論」という意味で、番号をつけずに、ここで検討しておきたい。

◆ 大政翼賛会とは、いかなるものであったか

大政翼賛会を中心に太平洋戦争下での軍部の方針を追認し支える体制を翼賛体制という。1942年4月30日に実施された第21回衆議院議員総選挙では翼賛政治体制協議会(翼協)が結成され、466人(定員と同数)の候補者を推薦し、全議席の81.8%にあたる381人が当選した。(「wikipedea」以下の記述は、このサイトの記事を要約したものである))

「大政翼賛会」というのは、「公事結社」であって、こういう名前を持つ「政党」が存在したわけではない。よって、この結社が、直接的に、「政治活動をおこなった」訳ではない。

また、解散した各政党や内務省等も、大政翼賛会内における主導権を握るため協力的な姿勢をとったものの、団体内は一枚岩ではなく、一国一党をめざしたものと、とは、一概には判断することが出来ない。

議院内の会派は、旧来のまま存続したし、関連団体である翼賛議員同盟などが政治活動をおこなった、わけである。

だが、「欲しがりません。勝つまでは」という掛け声のもと、当時の議会が、いっせいに同じ方向を向いて、「活動していた」ことは、否定できない事実である。


◆ 今日の日本の政党の現状

では、今日の日本の現状は、どうなのであろうか。以下に、国会議員の構成について、取りまとめてみた。2015年5月1日時点の表にもとづいており、多少の変動があることを、前もって、注意して頂きたい。

現在の国会における勢力は、図に示したとおりである。
今回の、参議院での議決を考慮すると、与党は、自民=407、公明=55、次世代=8、元気=5、新党=1で、合計=476。

野党は、民主=132、維新=51、共産=32、社民=5、生活=5、沖縄=1、無所属=15で、合計=241。


(衆参両議院での構成 :2015年5月1日時点
政党名衆議院参議院
自由民主党(1955-)292115407
民主党(1998-)7359132
公明党(1964-1994, 1998-)352055
維新の党(2014-)401151
日本共産党(1922-1924, 1926-)211132
次世代の党(2014-)268
社会民主党(1996-)235
生活の党と山本太郎となかまたち(2012-)235
日本を元気にする会(2015-)055
新党改革(2008-)※2011
沖縄社会大衆党(1950-)※1011
無所属8715
(欠員)000

◆ 野党内にも、「準自民党」系議員が、存在する

この図からは、野党が占める割合は、約30%強、という事になる。
だが、問題は、野党に属する議員が、全て「反安倍政権」という訳ではない。

とくに、維新の党は、これまでのゴタゴタでも分かるように、大阪系の議員は「準自民党」的勢力といえる。

また、民主党も、一枚岩ではない。民主党は、今年3月18日には、「PKOに関する基本的な考え方取りまとめ」という「文書」を作成している。

それによると、民主PKO法改正案は、(安全保障総合調査会と外務・防衛部門会議で取りまとめた)(1)DDR(武装解除、動員解除、社会復帰)、SSR(治安部門改革)等平和構築分野の活動の実施のためのメニュー追加(2)宿営地の共同防衛(3)米・オーストラリア軍等のACSA(2国間の物品・役務相互提供協定)締結国に対する災害対処目的での物品・役務の提供についてのPKO法上の根拠の整備――といった内容になっている。

これを見ると、民主党は、PKOで、自衛隊を海外に派遣すること自体については、まったく「反対」という立場をとっているわけではない、ことが解る。自衛隊が、海外で活動すること自体は、「容認する」という姿勢のようだ。

そうだとすると、自衛隊が海外で活動するという事自体については、「(全面的に)自民党に反対である」という考えではない、という事が解る。

特に、、武装解除、宿営地の共同防衛などは、「武装した自衛員」が行うことになろう。つまり、「武装した自衛隊」が、海外で「活動」することになる。

つまり、この民主党の「案」をもとにすると、民主党も、自民党と「五十歩百歩」(たいして変わりがない)といえるのではないか。そうだとすると、民主党も、「準自民党」的勢力である、ということになる。

もちろん、すべての議員がそういう考えであるという訳でもないであろうから、民主党の全員を、「準自民党」的議員と断ずることは、出来まい。


◆ 「反自民党」系議員の数は、わずかに、7%あまり

そうなると、残りの勢力は、50人余りとなる。国会議員の総数は、現在717人である。これは、割合でいうと、約7%にあたる。つまりは、今の政界は、「大政翼賛会」という言葉が、よくあてはまる状況にある、ということになる

もちろん、この観方は、ひとつの「モデル」であり―したがって、モデルを作る過程において―、多くの点を無視(切り捨てたうえでの)していることに、特に、注意して頂きたい。

もっとも、「極端な考え方を取った」場合を示していることを、忘れないでいただきたい。


さて、安保法案が、参議院の委員会において、あのような形で「採決」されたこは、「無効」であると、言えなくもない。今後の推移に注目したい。

国会の審議中に盛り上がった「反安倍政権」の、今後動きにも、注目したい。早くも、野党共闘の動きが、出てきているようである。その中には、重大な動きもある。だが、その点については、別の機会に意見を述べることとしたい。

(2015年9月23日)