2015年9月9日水曜日

森田実氏のブログから(Ⅰ) 解党すべきは民主党ではなく、公明党だ


森田実氏が、そのブログにおいて、民主党を始め、野党に対し、「解党」すべきだ、という見解を示されている。
だが、私は、解党すべきは、公明党である、と思う。
実に教えられることが多い、ブログである。


以前にも、書いたことであるが、最近になって、森田実氏のブログを読むようになった。

今はテレビへの出演はないようであるが、森田氏の政治評論家としての「名声」は、世に知れ渡っている。

森田氏のブログを読むようになってから、私の安保法案、安倍首相や安倍政権に対する「理解」が、進んだ。

また、森田氏の「歯切れの良い」記述や、文章にも、魅了された。
このブログの記事を読ませていただくことで、私の知識は、より幅広い者」になってきつつある、と感じている。

そのような森田氏なのであるが、私には、ひとつだけ「納得できない」ことがある。

それは、氏の、民主党などの野党に対する「認識」と、公明党に対しての認識との違いについて、である。あまりに、その「落差」が大きいのである。

以下、このことについて、森田氏のブログの記事を引用しながら、思うところを述べてみたい。


◆ 森田氏の民主党への認識と、その批判

森田氏の民主党への認識と、その批判は、次のようなものである。

≪さらに悲惨なことは、大多数の民主党の国会議員が、自らが「生ける屍」状態にあることすら自覚していないことです。民主党は、現在の日本国民にとって無用の存在と化してしまっているのです。いまや、日本の中央政界には、健全なる批判勢力としての野党が存在していないのです。・・・


このような独裁者・安倍首相の大きな罪過を、阻止することは野党の第一の責任です。この安倍独裁を阻止することも批判することすらもできないような野党は、無用です。そんな野党は解党すべきです。≫

ここまで激しい言葉で、民主党を「攻撃」される森田氏でありながら、何故か、公明党に関しては、その追及の「姿勢」は、「穏やか」である。

森田氏は、ご自身の立場について、「中立的」な立場をとる、と述べておられる。

実際に、そのような立場(中立的)をとることが出来るかどうかは、別にして、氏の、公明党の現状に関する見解は、私には「納得ができない」のである。


◆ 森田氏の公明への認識とその「批判」

以下に、森田氏のブログから、公明党に関する記述について、その代表的なものを、引用させていただく。(数字は、日付。「その**」とあるのは、氏のブログ記事の番号)

[8/17 その9]
公明党も、安倍首相がどんな過激な発言をしても沈黙しています。一時、山口代表が批判的発言しをしたことがありますが、今はおとなしくなったように見えます。安倍首相がホルムズ海峡に機雷掃海のため自衛隊を派遣すると発言しても、公明党執行部は沈黙したままでした。平和の党として「和して同ぜず」(孔子)を貫いてほしいと思います。・・・
公明党についても同じことが言えそうです。国民の間から、「公明党は自民党の一部になってしまったのか、自らを『平和の党』と言ってきたが、安倍首相と一体化して平和主義を捨ててしまったのか」という疑問の声が増えています。
[8/24 その1]
自民党が強行するとしても、公明党まで自民党に追従するでしょうか。・・・
 しかし、公明党は同じことをするでしょう? 公明党内には自民党寄りの幹部もいますが、多くの人は「大衆とともに」を貫いている政治家です。私の想像ですが、公明党内では「自民党とともに」派議員と「大衆とともに」派議員のギリギリの綱引きが行われているのかもしれません。 
[8/7 その4]
ちなみに公明党について言いますと、バランスを崩し、踏み込み過ぎた感があります。公明党は安倍首相のホルムズ海峡への自衛隊出動の発言には不同意を表明すべきだった、と私は思います。安倍首相のホルムズ海峡発言によって新3要件の厳しい制約は無意味なものになってしまったのです。
公明党は「平和の党」として、もっと厳しく頑張ってほしかったと思います。・・・・
参議院公明党は、衆議院公明党の路線を「平和」の方向へ少しでも戻すために努力しているように、私の目には映ります。参議院公明党は、たとえ微調整であっても、平和の方向へ戻すために、感情的になりやすい安倍首相を刺激しないように配慮しながら、一歩一歩努力しているのです。
以上の結論として、森田氏は、今の公明党に対し「本質的には平和の党だと私は思います。これから真のブレーキ役を果たしてもらわなければなりません。だから私は公明党の友人であり続けます。」と、述べておられる。


◆ 公明への批判

上に引用したように、森田氏の「公明党」への評価は、きわめて、「好意的」な記述に始終している。多少、批判的な内容を含んではいても、それは「直接的」な表現で記述されていない。

だが、公明党の現状に対する、大方の見方は、森田氏とは違う。
今や、公明党を支持する「創価学会」の中からでさえ、疑問の声が上がっている。

8日には、創価学会員の天野達志氏が、安保法案の白紙撤回を求める、およそ9000人分の署名を山口代表に手渡すため、公明党本部を訪れた、とマスコミが伝えた。(「TBS」)

 天野氏は、「9143筆の署名を頂き、党の代表である山口さんの方にまず声を聞いていただきたいと思い、公明党は原点に帰ってきてほしいという思いで署名を携えてまいりました」と、今の公明党への「不満」を表明した。


このような現状にあっても、なお、森田氏は、公明党に希望を抱いておられるように見受けられる。

しかも、それは、「公明党のみ」を、と表現するほうがより正確であろう。

今や、森田氏が、「期待」を抱いておられる政党は、公明党だけのようだ。
自民党を含め、全野党については、まったく、希望を持っておられないように見受ける。
 

◆  公明党が賛成しなければ、集団的自衛権の行使容認の閣議決定は出来なかった

だが、私は公明党こそ、解党すべきある、と思う。
今の公明党には、「平和の党」の看板は、「不釣り合い」である。

この「平和の党」の看板を掲げ続ける事は、支持者への、さらに国民への「裏切り」行為である。この看板をこれからも掲げ続けるというのであれば、即刻、解党すべきだ。

最早、公明党にブレーキ役を期待することなど、「幻想」にすぎない。

そもそも、公明党が賛成をしなければ、安倍首相が、集団的自衛権の行使容認の閣議決定をすることは出来なかった、のである。

そのことを思えば、公明党こそ、「万死に値する」政党である、と言わねばならない。


※ 自民党への批判については、次回に回したいと思います。

(2015年9月9日)