2015年9月30日水曜日

森田実氏のブログから 「腐敗しきった自民党総裁選は、日本の縮図」

これほど日本の国民を「馬鹿にした」話はない。
それとも、これを「深慮遠謀」と「讃えるべきか。
石破茂氏が、石破派を立ち上げた。その名も「水月会」という。


「心は、水に浮かぶ月のように澄んでいる」とでも、いうことなのであろうか。

石破氏の話題を「枕にして」、森田氏のブログにある、「腐敗しきった自民党総裁選は、日本の縮図」である、という指摘について、感想を述べてみたい。


1) 「何を今頃になって」というのが正直な気持ち

石破茂地方創生担当相が、水月(すいげつ)会を正式に旗揚げした。(「ヤフー=毎日新聞」)
石破茂地方創生担当相は28日、自民党内に自らが会長に就く石破派(正式名称・水月(すいげつ)会)を正式に旗揚げした。衆参20人の議員が参加するが、自前の勢力だけで総裁選に立候補できる21人には届かなかった。
 石破氏は28日、東京都内のホテルで開いた記者会見で「『私は首相にふさわしくない』と言うのは、逃げではないかと反省している」と述べた。これまでは首相に配慮して「総裁の座」を明言してこなかったが、この日は意欲を隠さなかった。≫
自民党の総裁は、二期までと決まっており、この時期に「旗揚げする」ことについては、「問題がない」という認識からのようだ。だが、「何をいまさら」というのが正直な感想である。

安保法案の審議の最中に、「あのゴタゴタ」を見せられた国民の中の大半は、「あきれている」ことであろう。とともに、石破氏の「いくじのなさ」に、愛想をつかしたことであろう。

あるいは、中には、これを「さすがに石破さん」と、その「深慮遠謀」をたたえる向きもあるかもしれない。もっとも、こちらの反応については、「それほど多い」とは思えないが。

森田実氏が、ブログを更新され、この総裁選についての記事を投稿された。
次に、それを見ていく。


2) 森田氏の自民党の総裁選の評価

森田氏は、この総裁選をどのように評価されたのであろうか。
その中で特に重要と思われるところを紹介したい。

森田氏は、「無投票再選」になったことについて、次のように記す。

安倍首相は、総裁選で自分への批判票が投じられ、面子をつぶされるのを恐れ、避けたかったのでしょう。しかし、政党が選挙を恐れたらおしまいです。多様な意見が存在し、内部で活発な議論が行われることによって、自民党の活力は維持されてきたはずです。議論を避けるような姿勢は、全く話にならない。
五箇条の御誓文に「広く会議を興し万機公論に決すべし」とある通り、日本は伝統的に議論を大切にしてきました。安倍首相は、この大切な伝統に蓋をしてしまったのです。
しかも、これまで安倍首相は、自由や民主主義といった「共通の価値観」による国際連帯を強調し、「その価値観を受け入れない国はだめだ」と言って中国を批判してきました。民主主義は選挙によって成り立つのです。だからこそ、安倍首相は自由な選挙を否定するような国とは一線を画す、と胸を張ってきたのです。」
森田氏は、安倍首相が「逃げの姿勢」を見せたことを厳しく批判する。そして、その姿勢は、「全く話にならない」と切り捨てる。

さらに、それは「日本の伝統」を壊すものであり、安倍首相のこれまでの「言動」と全く相反する行為だ、という。


◆ 自民党は、「だらしのない、無気力な人間たち」の集合体

また、安倍首相とその側近たちが行った「選挙妨害」についても、厳しい指摘をしている。
≪ところが、総裁選実施に最大の責任を負うべき安倍首相とその側近たちが、自ら選挙をさせなかったのです。安倍首相は、自民党の一般党員、国会議員の選挙権を奪ったのです。さらに、裏で露骨な圧力を加えて対立候補の出馬を阻止した。もはや安倍首相に、自由や民主主義を語る資格は全くありません。言っていることとやっていることが余りにも違い過ぎます。こんなペテン政治を続けさせていたら、日本はつぶれてしまいます。
彼らは、「選挙権」を奪った。しかも、露骨な「選挙妨害」を行った。そして、野田氏が選挙に出られないように「画策」した。これが、日本の政治の「司る」政府の姿である、こんな「ペテン政治」は日本をダメにする、という。

また、自民党の議員らについても、次のように指摘している。
男性は誰も立ち上がらず、ただ一人、女性の野田氏が立ち上がりました。しかし尾辻秀久元参院副議長以外、誰一人として公然と野田氏を支持することはなかった。自民党の国会議員は403人もいるのです。総裁選立候補に必要な推薦人の数は、そのわずか5%の20人です。これほどだらしのない、無気力な人間たちが国会議員を務めているのです。打算でしか行動できない、究極の「無気力アニマル」ですよ。 ≫
このことについては、私も「腰抜けどもの男たちに中で、野田氏はひとり、燦然と輝いている」と書いたことがある。

まさに、森田氏が言うように自民党は、「だらしのない、無気力な人間たち」の集合体になってしまった。「打算でしか行動できない」という指摘は、「耳に痛い」と思うのだが、それも彼らにすれば「馬の耳に念仏」であろう。


◆ 自民党の堕落、腐食は、まさに日本の縮図

森田氏の視線は、今の日本の状況をまで捉える。
≪この自民党の堕落は、まさに日本の縮図です。いま、あらゆる組織が腐ってきている。この腐敗の背景にあるのは、批判精神の欠如です。たとえ自分が少数派であっても、自らの主張を貫く勇気を持つことが政治家の基本的条件です。・・・・・
人間が全て自分の利害だけで行動すると考えるのは間違ってますよ。人間は、義憤に駆られ、利害を超越して行動することもあるのですよ」と。私が「野田さんの行動は単なる利害では理解できない。利ではなく義なのです」と、いくら説明しても、彼らにはそれが理解できないのです。≫
まったく同感である。いまほど、「腐った」状況は、戦前においてさえ、観られなかったことではないか。そう思えるほどに、「ヒドイ」ものだ。

とくに、「官の腐食」は、「行くところまで行っている」と言えるだろう。裁判官、検察官や警察官、教師、役人などが係る「不祥事」は、後を絶たない。職業倫理も、社会道徳も、「地に落ちた」。


≪政治家もジャーナリストも国民も、何が正義か、人間はいかに生きるべきかという基本を忘れてしまい、得か損かという発想に支配されてしまっているのです。日本人の魂は腐り切っていると実感しました。≫という、森田氏の指摘は、まったく正しい。

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(2015年9月30日)