2015年6月26日金曜日

安保法制審議、「マスコミ批判」で、紛糾  「大変遺憾」で、済ますのか



そういう報道があることは、知らない。
もし、事実なら、「大変、遺憾」と、他人事のように、述べただけだった。
安倍首相は、最後まで、「申し訳ない」と、陳謝することはなかった。

今朝の、安保法制審議は、予想通り、「マスコミ批判」報道で、紛糾した。
昨日に続いて、自民党のマスコミ批判について、思うところを述べたい。

引用した記事が、長くなり、読みづらいものになり、恐縮ですが、最後まで、お付き合いを願いたい。

1) 正式であろうと、有志によるものであろうと、関係がない

今日の国会審議において、事実関係が、さらに明らかにされた。
まず、その時の「やり取り」を、「産経ニュース」の記事から、引用する。(以下の引用は、全て、産経のもの)

「寺田学氏 昨日の夕方、そして今日の新聞報道を見て、開いた口がふさがなかった。自民党の青年局長を務めている木原稔さんという方が代表だそうですが、党本部で「文化芸術懇話会」が開かれ、その場でさまざまなことがお話しされたそうです。
議員から「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番だ。経団連に働きかけてほしい。悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればよい」。ある種、自分たちの意にそぐわない報道をしているところを広告料収入を減らして、圧力をかけようじゃないかと取られかねない発言があったという報道がありました。
どなたが出席されていたのかをいろいろ聞いてみたところ、報道によると官房副長官の加藤(勝信)さんが出席されていたという報道があった。加藤副長官、この文化芸術懇話会にご出席されていましたか。
加藤勝信官房副長官 寺田委員にお答えしたいと思います。文化芸術懇話会、これは政治家に求められる教養と想像力を得るため、芸術家と共通する創作手法と成果の普遍性を追及し、世界の中で輝ける日本を創造し、デザインする上で必要不可欠であり、心打つ政策技術を立案し、実行する知恵と力を習得することを目的として開催されたものでありまして、
もそも自民党の正式な組織ではなく、いわゆる有志による内々の勉強会でございます。私自身も今、官房副長官とおっしゃいましたが、官房副長官としてではなく、一自民党の国会議員として出席したところでございます。」⇒百田氏「沖縄2紙潰せ」発言で紛糾・・・
加藤勝信官房副長官の答弁が、「面白い」
この会の目的が、「政治家に求められる教養と想像力を得る」ためであり、
「心打つ政策技術を立案し、実行する知恵と力を習得すること」にある、のだという。

その講師が、何かと「物議をかもしだした」、百田氏だ。
一体全体、ももとしから、「政治家に求められる教養と想像力」を得る事が、本当に可能である、と思っているのか。

百田氏は、NHKの経営委員のときにも、何かと、「問題発言」を繰り返したことで、よく知られた人物だ。
その人物から、「心打つ政策技術を立案し、実行する知恵と力」を得るような話が聞けると思っていたとしたら、相当「おめでたい」といわねばならないだろう。

さて、加藤副長官である。
また、例の「子供だまし」の、「言い訳」を使った。

この日は、「官房副長官としてではなく、一自民党の国会議員として出席」した、というのだ。
仮にも、官房副長官という要職にある。このような論理が、通用すると、いまだに思っているとしたら、大間違いだ。

まして、自民党の党本部で行われた会合である。
正式であろうと、有志によるものであろうと、関係がない。

認識違いも、はなはだしい。


2) これが、「政治家に求められる教養と想像力」を得る事ができる話か 

では、次に、その百田氏の話について、検討する。
これが、「政治家に求められる教養と想像力」を得る事になるような、「ためになる」、内容を持った話といえるのか。

「寺田氏 出席された議員からマスコミを懲らしめるという言い方でしたけれども、ご発言があったという報道がありました。その講演された百田さんがお話しされた内容を報道からお伺いしたのですが、正直、この場でお話しするのが控えた方がよいのではないかと思うような発言があるのですが、このような発言があったとしたら、本当に由々しき問題だと思いますので紹介申し上げます。
まず沖縄の件について、自民党の議員からご質問ありました。それに対して、その講演をされた方は「沖縄の2つの新聞は潰さないといけない。沖縄のどこかの島でも中国にでも乗っ取られたら目を覚ますのではないか」というような物騒な発言がありました。
その後、沖縄についての発言が続くんですが、違和感を感じるのは「もともと普天間基地というのは田んぼの中にあった。周りになんてなんにもない。民家はありましたけれども、田んぼの中にあった。基地の周りに行けば商売になるといって、何十年もかかってみんなどんどん住みだして、1970年ぐらいの航空写真がある。基地の周りは田んぼだらけ」。そのようなお話でした。「そこを選んで住んだのは誰やねんと言いたくなるんですけど、基地の地主さんが六本木ヒルズに住んでいる大金持ちなんですよ」といういご評価をご披露されている。
沖縄は本当に被害者なのか』と疑問を呈した上で、信じがたいんですが、あんまりテレビを聞かれている方が不快な思いをされるかもしれまんが、ご発言があったら重大なので申し上げますが、『沖縄の米兵がレイプ事件が起こしたことがある。過去何例もある。
けれども沖縄に住む米兵が犯したよりも、沖縄県全体で沖縄県自身が起こしたレイプ犯罪の方が率が高いですね。こういうことは絶対に言わないですね』と。
 その後、最後は「本当にその左翼の扇動に対して言語とデータで反論しなければならない」。私は、こういうことにヤジることが信じられないのですが、副長官、このような発言があったということの事実関係を確認したいのですが、副長官どうですか。」

話された内容については、「ひどい」内容である。
沖縄の県民の、痛みも、苦労も考えようとしない、「暴言」である。

沖縄県民を、「冒涜」(ぼうとく)するものである、と思う。
「許せない」とも、思う。

ただし、これは、今は「公職を離れた」人物の話であるから、(「けしからん」とは思うが)それ以上のことについては、言及することは、しない。

これに対す答弁であるが、 加藤副長官は、個人として参加したので、「私から、発言するのは、控えたいと思う」と、述べた。

加藤氏としては、このようにいって、「言い逃れする」以外の道は、なかったのだろう。

もし、これが、「政治家に求められる教養と想像力」を得る事ができる話か、と言い返されたら、反論のしようがない。


3) どちらにしても、これは、日本の「安全保障」上の危機だ

さて、最後は、安倍首相である。
さすがに、「懲りているのか」、まずい状況にあると、感じているのか、始終、低姿勢であった。
では、答弁を聴こう。

首相 そういう報道があるということは、存じ上げませんが、今、寺田委員が指摘されたような報道があって、それが事実であるとすれば、大変、遺憾ではありますが、だから党の正式な会合ではないわけでありまして、有志が集まった会合でありますし、その中の発言がどのような経緯で発言されたものか確認してみる必要があるんだろう、このように思います。
     (ここで、審議が中断した)
安倍晋三首相 私は報道を承知していません。また委員は伝聞を事実として、ここで述べているわけでありまして、報道自体を知らない訳でございます。また党において、さまざまな議論が行われるわけでありますが、私は基本的には自民党というのは自由と民主主義を大切にする政党でありますから、当然、報道の自由は民主主義の根幹であるという中においての議論であるとこのように思います。
寺田氏 別にインターネットの掲示板に書かれたという話ではなくて、全国紙、潰すべきだといわれた沖縄2紙の方々が大きく報じられて、自民党議員がこんなことを言っているんだと報道になっているわけですよ。しっかりとそこは事実と違うのであれば、報道されている以上、しっかりと事実を確認し、事実があるならばそれなりの対応し、事実がないのであればそれは報道した側に対する対応をするべきだと思います。お昼の間にしっかり対応されるということでしたので、次の質問に移ります。
(ここで、休憩にはいる)
寺田氏 では総理に伺う。まず一点、メディア、報道に対する非常な大きな発言があった。この質疑の端緒自体は、今、政府が提案している改正案自体がなかなか伝わらないのはなぜか。政府と党の広報の仕方に説明に問題があるという話をしていた。
憲法学者が違憲だというのが、大きなうねりになってきたが、政府として党としてしっかりと批判にも向き合って説明したいという趣旨で申し上げた。委員長の話によると、沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない、ないしはマスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい。そういうところに関しては経団連に言って広告料を召し上げたらいいという趣旨のご発言があったという発言があったことが確認されました。総理としてどう考えるか。
結局、安倍首相は、最後まで、「頭を下げる事」は、しなかった。
「事実であるとすれば、大変、遺憾ではあります」と述べるにとどまった。(注:遺憾(いかん)とは、一般には、「思い通りに事が運ばなくて残念だ」という意味で、期待したようにならずに、心残りに思うこと。残念に思うこと。「遺憾の意を示す」ということは「残念である」という意味で、謝罪をしているわけではない。)


さらには、「党の正式な会合ではないわけでありまして、有志が集まった会合で」あるから、私は関知しない、とでも言いたい風であった。


安倍首相は、報道を承知していない。
委員は、伝聞を事実として、ここで述べているだけで、報道自体を知らない訳なので、「答弁のしようがない」、と逃げた。

寺田氏も、反論しているように、全国紙、沖縄2紙などが、大きく報じていたことは、間違いがいない。
もし、本当に、安倍首相が、この記事を読んでいないとすれば、それこそ、「一大事」だ。

仮に、自分で読んでいなくても、官邸が、何も言わないはずがない。
もし、その報告さえなかったとしたら、「官邸が、不能」といわれても、言い訳ができまい。

どちらにしても、これは、日本の「安全保障」上の危機だ。
なにも、「軍備」だけが、「安全保障のすべて」、ではない。

むしろ、このような事態に、適切に対応できることこそが、安全保障上の要諦なのである。

こんなことでは、仮に、この安保法制案が、「成立した」ところで、日本の「安全保障上の危機」は、解消することは、出来ない。


(関連サイト案内)
首相、報道批判「大変遺憾」 野党は抗議、自民陳謝=47ニュース
百田尚樹氏「沖縄の新聞はつぶせ」自民勉強会で暴言連発=沖縄タイムス

(※ 記事のタイトルを変更しました。)
(2015年6月26日)

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