米国での、原爆製造に関わった技術者が、「長崎への投下は避けられたはずだ」と語った。
戦後70年が経過して、当時の事情を知る人びとは、ほとんどいなくなったことであろう。
◆ 47NEWS の記事より、引用_
米国が原爆を開発した「マンハッタン計画」に技術者として参加したジェームズ・ショーキ氏(91)は9日までに米フロリダ州の自宅で共同通信の取材に応じ、市民を巻き込む原爆の実戦使用には反対だったと証言、少なくとも「長崎への投下は避けられたはずだ」と述べた。
マンハッタン計画には、科学者のほか技術者、兵士などピーク時には約12万5千人が参加したといわれる。・・・
⇒長崎の悲劇「避けられた」 原爆投下、技術者も反対
◆ 2発目の投下が長崎であったことは、歴史の皮肉
91歳という高齢になり、原爆にまつわる事実については、語っておこう、という気持ちになられたのか。
どこかの国の総理大臣のように、わざわざ談話を出してまで、世界に向かって、謝罪をするお国柄ではないが、さすがに、心の痛みは和らがないのであろうか。
12万人にも及ぶ技術者が参加したなかで、いったいどれだけの人びとが、
ジェームズ・ショーキ氏のような気持ちをもっているのだろうか。
それとも、そんな気はさらさら、持ち合わせていない人びとのほうが多いのだろうか。
それにしても、2発目の投下が長崎であったことは、歴史の皮肉だ。
長崎こそは、日本のキリスト教発祥の地であり、そこには、多くのキリスト教徒が住んでいた。
江戸時代にキリスト教が禁止された後も、「隠れキリシタン」となり、脈々とキリスト教の精神を引きついできた。それらの子孫である、多くのキリスト教徒を、無残にも、焼き殺したのである。
それは、同胞を神の「いけにえ」にささげた、というに等しい行為だ。
これには、さすがの神様も、驚いたことであろう。
はたして、当時の米国の指導者は、この事実をしらなかった、のだろうか。
それとも知ってはいたが、「黄色いサル」のキリスト教徒など、考慮に値しない、と思ったのであろうか。
原爆による犠牲者の名簿は、2013年8月6日現在で、103冊。
犠牲者の数は、28万6818人。
これだけの尊い命が、一瞬にして奪われたのである。
このことをオバマ政権は、どう考えているのであろうか。
戦後に、その米国と軍事同盟を結び、今また、それをさらに強固なものにしようと安倍政権が、画策している。
現代に生きる我々、日本人は、原爆の犠牲者に対し、何といえばいいのであろうか。
「過ちは繰り返しませんから、安らかにお眠りください」という言葉は、単なる「お題目」でしかなかったのであろうか。
(2015年6月11日)
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