2015年6月5日金曜日

安保法制審議 憲法審査会の「憲法違反」見解で、ようやく白熱化へ

憲法審査会の参考人
国会で審議中の安保法制案の議論がようやく、白熱化しつつあるようだ。

昨日の衆院憲法審査会において、自民党など各党の推薦の参考人、憲法学者3人が、いずれも「憲法違反」との見解を示した。集団的自衛権を行使可能にする新たな安全保障関連法案についての意見である。


国会の場で法案の根幹に疑問が突きつけられたことで、政府・与党からは、今国会中の成立をめざす法案審議に影響を及ぼしかねないと、懸念する声が上がっている、と朝日新聞が報じた。

安保法制、3学者全員「違憲」 憲法審査会で見解=朝日デジタル


◆ 憲法審査会の参考人の見解につての、ニュースから見えてきたこと

興味深いのは、自民党自らが参考人として選んだ、長谷部恭男早大教授の意見である。

朝日の記事は、憲法改正に慎重な立場の長谷部氏が、集団的自衛権の行使を認める安保関連法案について「憲法違反だ」とした。「個別的自衛権のみ許されるという(9条の)論理で、なぜ集団的自衛権が許されるのか」と批判した、と書いている。

一方で、読売もこれを記事にした。
読売は、次のように書いている。

「与党推薦の参考人が安保関連法案を「憲法違反」と指摘したことについて、自民党内では波紋が広がった。佐藤勉国会対策委員長は審査会終了後、同党の船田元・審査会筆頭幹事に会い、「参考人の人選には十分配慮してほしい」と語った。自民党幹部は4日夜、「国会で今、何を議論しているのか、審査会の自民党議員は全く分かっていない」と激怒した。審査会メンバーは「中川氏の質問は予想を超えていた」と釈明した。 ★自公推薦の憲法学者、安保法案は「憲法違反」
この記事も、とても興味深い内容を含んでいる。
これに関しては、人選ミスだ、党(自民党)の責任だ 、と自民党の幹部が述べたというニュースも報じられている。

つまりこれは、今ある各種の政府の審査会や調査会が、自民党にとって都合のいいことを述べるであろう、ということを前提とした人選を行ってきた、という証明になっていると思う。

安倍首相の諮問機関や、政府主催の有識者会議なども、これと同様ではないか。
これらの機関が、中立な機関であるという認識は、取り消す必要があろう。

◆ 疑念が1点も残らないところまでの、徹底審議を期待する

昨日の衆院憲法審査会においての参考人の違憲という発言を背景に、今日の朝からの平和安全特別委員会は、議論が振り出しに戻ったかのようであった。

一番にたった辻元清美委員は、開口一番に、昨日の憲法審査会で、安保法制案は憲法違反である、という専門家の見解が示された。
この法案は、取り下げるべきではないかと、迫った。

今迄に審議における議論は、あまりに細微にわたる議論が多く、安倍政権が上程したこの安保法制案に対する是非といった本質的議論が少なかったように思う。

そのことは、辻元委員自身が、「国民がよく解らないままに進めている。」と述べている(自身が言っていることに矛盾をかんじたのか?、途中で話をかえたが)ことでもわかる。

本来であれば、この国会の審議は、このことにこそ、重点を置いて、議論をするべきであり、そうであってこそ、意味もある。
国民にとってよく解らないところがあるからこそ、徹底して、その点について質問をし、政府の見解をただすことが、野党としての責任であろう。

自民党の二階総務会長も述べるように、1点の疑念も残ることがないところまで、徹底して、審議してもらいたい。

とくに、日米安全保障条約約や、日米ガイドラインとの関係についても、詳しくただすことが重要だ、と考える。
また、特定秘密保護法との関連も、見逃すことができない。


何よりも、安倍首相は、中谷大臣に任せずに、自ら答弁に立つべきだと思う。
野党も、中谷大臣のほうが『攻めやすいから』などという姑息なことを考えずに、安倍首相みずからの、責任ある答弁を引き出すように、正面からの議論をしてもらいたい。

(関連サイト案内)
自民党・二階総務会長「慎重に審議すべき=日テレニュース24
谷垣自民幹事長、安保法案に理解不十分=二階氏は「徹底審議必要」=時事ドットコム
新安保法制は違憲」見解受け、野党追及「法案撤回すべき」=JNN

(2015年6月5日)