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東京都都知事選が過熱している。
さて、少し古い話になりますが、昨年の参議院選挙の前に、DIAMOND onlineが、山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]の
「善人の不寛容自民独走の参院選挙情勢 が招いた野党分立」
と題する記事を掲載しました。
参議院選挙に向けての記事ですが、この記事の持つ意義は,都知事選においても通用する論理を含んでいると思います。
ですから、この記事を検討することで、今回の都知事選の在り方についての感想を述べてみます。
記事で、山田氏は次のようにいいます。
◆ ◆ ◆
『実現不可能と思われる大衆迎合の公約を並べたりする政党が、世の中に大事な基本政策で選挙協力をしない。人々の声をまとめ議席にして国会に積み上げていくのが政党の務めではないのか。
「届かなかったが、一生懸命やった」という敗北の美学に手応えを感ずる前に、妥協を重ねても候補者を一本化するしたたかな手腕を期待したい。冷徹な駆け引きは欠かせないが、より大事なのは他党との信頼関係だ』
と。
上に言われている意味では、今回の選挙では、自民党も民主党も党から独自の候補者を出していません。
そして、自民党以外の少数政党は、連帯して自民党と対決するのではなく、それぞれが独自候補者や推薦者を出しています。
これでは、とても、自民党の推薦する候補者には、勝てないでしょう。
負けることが解ってながら、どうして、連帯しようとはしないのでしょうか。
山田氏は、それは
『・・・ところが活動家にありがちな「小さな違いを許せない潔癖さ」が障害になる。外から見ればひと括りにされてもおかしくない集団の中で、「許せない相手」を作ってしまう。・・・
TPPも聖域5品目の農産物を「例外品目」にしたかのような宣伝で交渉参加を決めた。「まやかし」であることは、遠からず明らかになるだろう。不都合な事実を隠しながら選挙に駆け込んだ自民党は、政策で切羽詰まっている。野党が結束すれば追いつめることは出来たはずだ』(注①)
からだ、といいます。
かって、戦前には、「日本の陸軍は、陸軍第一、国家は第2、第3である」と悪口を言った人があります。
私も、少数政党の動きを見ていると、この言葉を思い出さずにはおれません。
どうして、小異を捨てて、大同に付くことが出来ないのでしょうか。
今の安倍政権の動きは、日本の今後の方向を大きく変えう、とするものです。
しかも、それらの事は、衆参の両選挙においては、公約として掲げられたものではありません。
麻生氏がいつか言ったように「静かに、いつの間にか」行われたことなのです。(もっとも、参議院の採決の際には、揉めましたが)
少数野党も、責任ある政党であるなら、(税金を受け取っているのですから、国民に対して責任があるはずです)その責任を十分に果たすべきです。
◆
毛利元就の「三本の矢の教え」を引くまでもなく、力は一つになった時こそ、最も最大になりま
す。
現在の情勢では,細川氏か舛添氏の一騎打ちという所でしょう。
確かに、選挙は資格があるものであれば、誰が立候補しようと自由です。
しかし、事前にある程度の情勢判断をするべきでしょう。
特に政党(なかでも、野党勢力)は、特定の目的を持って結集しているのですから、なおさらです。
しかし、よく考えてみて欲しいのですが、「結集している」のは何故なのでしょう。
単に数合わせのためなのでしょうか。
その裏には、「国民の幸福と福祉の貢献する」という大戦略があるはずです。
国民あっての「政党である」はずです。
であるのなら、「今回の選挙で問われていることはにか」ということをよく考えてみて欲しいと思います。
冒頭にも書いたように、今回の選挙で問題にすべきことは、「安倍政権の成立後の政策に対する是非」を問うことです。
この事は、都政とも大きくかかわる事です。
そうであるからこそ、菅官房長官は「原発ゼロ」が争点にならないように、「必死で努力している」のだと思います。
それを争点にされると困るのでしょう。
しかし、安倍政権が、今までにやってきたことは、選挙公約にはなかったことです。
それも、それらの事は国民の「命と財産と人権」に直結することがらです。
特定秘密法。
日本版「NSC」。
東日本震災の際の、東電の事故対策のこと。それに伴う、原発の再稼働のこと。
もっと言えば、国にエネルギー政策をどうするのか、といったこと。
自民党と安倍政権は、ひきようにも、今回の選挙で独自候補を立てることをしませんでした。
これは「戦わずして負けを認めた」と同じことです。
自民党と安倍政権の自信のなさの表れです。
いまこそ一つになれば、自民党に「勝てる」のです。
自民党と安倍政権は、事もあろうに、舛添氏を後援しているのです。
その舛添氏は「自民党の役目は終わった」と言って自民党を出て行った人です。
自民党も彼を、除名したのです。
昨日の敵は「今日の友」ということなのでしょう。
かって、「政界は、魑魅魍魎が住んでいる」と言った人もいたように、政治の世界は「何でもあり」
の社会のようですが、いくらなんでも、ひどすぎます。
都知事選の有権者は、1000万人を超えるそうです。
これは一地方選挙という規模ではありません。
その意味からも、国政選挙に近いものです。
少数野党は。この際、日本の国民の将来をよくよく思案して、大同団結してほしいものであると思います。
それは今からでも、決して遅くはありません。
真に国民の事を思うなら、「出来る」はずです。