2014年1月20日月曜日

小泉進次郎氏よ、自民党を出て、「日本のディズレーリ―」になれ。


産経ニュースが、自民党内に波紋呼んだ進次郎発言 連日の舛添氏批判も「胸を張れる自民党を」』と題して、小泉新次郎氏のインタビュー記事を載せた。(2014/1/19)

すこし「意地悪な質問」に対しても、丁寧に答える氏の態度は、立派である。
そこで、この受け答えを再現し、進次郎氏への応援歌としたい。
         ◆         ◆          ◆
 ① 都連自民党から(舛添氏への)応援要請があった場合は受けないか(番号は、産経の記事には、ナシ。)
 「受けません。はい。自民党を除名された方を支援するということも、除名されたけど支援を受けるということも、両方とも私には良く分かりませんから。私は応援はしません」
② 父・純一郎氏が細川元首相を応援する、ということの評価は
 「まあ、今までを見ていれば、(父の行動は)そうだろうなと」
 ③ 事実上の自民党の対立候補に対する支援ではないか、総裁経験者としておかしいとの声が党内にはある
 「私は(批判は)当たらないと思いますね。だって自民党本部支援(推薦)じゃないんですから。もしもそうであれば自民党本部支援(推薦)をすればいいのであってね。できない理由は、やはり党内、さっき私が言ったような声があるんじゃないですか。一番自民党が苦しいときに、『自民党の使命は終わった』と言ったんでしょ。歴史的使命は終わっていなかった、ということですかね」
 「私は特に初当選が自民党が一番不人気のときでしたから。野党から始まった私の議員生活ですけども、その野党になって『もう自民党に先はない』とそういった形で出ていった方ですよね。それで自民党は除名をした。そして今回、除名はしたけど、支援する。そして除名をされた方も支援を受ける。そして党本部は支援をしない。私は応援する大義はないと思いますけどね」
④ 都知事選で、脱原発が争点になりそうだが、脱原発が争点化することについては
 「東京というのは最大の電力の消費地ですから。福島県のことを考えても、福島の生んだ電力を、東京はずっと使ってたわけですよね。その消費地である東京都が、そして東京電力の大株主である東京都が、この原発についてどういう考え方を持っている方が、トップとして都政を担うのかというのは、非常に関心があるところだと思いますけどね」
⑤ 原発だけがシングルイシュー(単一の問題)として争点化されるような選挙戦になってはいけない、という意見もあるが
 「そういったことを言う方は有権者を信じてないんじゃないですかね。だって、争点はいくらでもあるわけです。そしてそれを、シングルイシューにするかどうかっていうのは、報道の皆さんの、どういった形で報道するかもあるわけで。だけど、有権者の皆さんは今の時代、それぞれインターネット見たり、各候補者の、今はネット解禁の選挙ですから、それぞれ情報取れますから」
⑥ 原発を使って経済成長するのか、原発をなくしても経済成長できるか、2つに分かれるとしたら小泉政務官はどちらか
 「まあ、党内いろんな声あると思いますけどね。まあ、これから私としては東日本大震災というのは、将来さかのぼって2011年、そしてこの震災後の時代を、歴史的に振り返ったときに、あれが日本が変わるきっかけだったなと、21世紀の日本のあり方を形作っていったのは東日本大震災がきっかけだったなと、そう思われる道のりを歩むべきだと思っています」
⑦ 自民党が決めたことは、決めるまではいろいろあっても決めたからには一枚岩でいくという発言が過去にあった。今回についてはそのプロセスがなかったということか
 「今回は、まずは、党本部による機関決定はありません。それは昨日、全自民党員・自民党議員に送られてきた通達にもね、そこは書いています。そういった中で、自民党が本当に胸を張れるのか、そういったさまざまな思いを率直にぶつけていくことも所属している議員の務めじゃないですかね。それは自民党が今与党として、野党からもう一度与えてもらったのはラストチャンスだと思っています」
 ⑧ あえて、こういう声を上げていくことも必要だと
「なぜ野党に転落をして、なぜもう一度与党に戻れたのかを考えたら、自民党は、しっかりと胸を張れる、そういう姿勢を示していかないといけないと思っていますし、それができる政党が自民党だと思っていますから、そういった思いで発言をしただけです」
(以下は、産経のインタビューではないので省略します)
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①③は、筋の取った話である。

舛添氏や自民党の幹部は、この言葉を良く噛みしめるべきである。

④もその通りだ。
まして東京都は、東電の大株主のはずである。

⑤は、報道の皆さんの、どういった形で報道するかもあるわけ」でという所は、氏の真骨頂だ。報道側には、返す言葉はなかろう。

⑥の発言も立派である。
はたしてここまで考えている政治家がどれだけいる事か。

確かに今の日本は、危機にある。
ここが分かれ目であろう。踏ん張りどころである。


⑦⑧の、氏の思いは深刻であろう。
だが、進次郎氏よ、自民党が大事なのか、日本の国土と国民が大事なのか、良く考えてみて欲しい。

私は、進次郎氏の心を思ったうえで、あえて言う。
ここまで言うのなら、もう氏は、自民党を割って出るべきである、と。

先の選挙であれだけの議席を得ながら、都知事選に独自候補を立てる事が出来ないなどということは、常識では考えられないことだ。

自民党は、やはり「金属疲労」を起こした政党だ。
いや、「金属疲労」をとおり越して、「腐食した」政党だ。

そのような政党が今後の日本を治めていくことは、恐ろしい事である。

また今や、民主党は、政党ではない。公約をやすやすと破るような党は、「政党」ではない。
慣れないとはいえ、原発事故への対応は、致命的であった。

国民の生命や財産を軽んじるような政治は、政治以下である。

「結の会」なども、コップの中の出来事である。

安倍首相は「自己の理想を実現したいだけの」首相である。
「日本を取り戻す」と言いながら、米軍に加担する道を、着々と築きつつある。

日本の大多数の国民にとっては「危険な首相」だ。

だとしたら、希望は、進次郎氏のような人物が、自民党を割ってくれることに期待するしかない。

今のままなら、「大政翼賛政治」とならざるを得ない。
それは「いつか来た道」を行く事である。

断じてそのような事は避けなければいけない、と思う。
もし、そのような道を行くことになったら、それは、「靖国の英霊に背く道」である。

かって英国の政治家のディズレーリ―は、自分が属する政党の党首のピ―ル首相を批判し、言論の力で、彼を辞任に追いやった。

ピ―ル首相が、反対党の政党の政策を盗んだという理由からである。
たとえ自分が属する政党の代表者に対してであろうと、「公約を破るもの」に対しては断固として、反対を唱えたのであった。

そして、それを、「言論の力」で成し遂げた。
彼こそが、「民主主義の新しいルールを作った」と言われる所以である。(注①)

もう一度言う。
小泉進次郎氏よ 、「日本のディズレーリ―」になれ。自民党を出て、新党を結成せよ。

年が若いことなど、心配することはない。ブレーンを持てばよい。
ブレーンなど、掃いて捨てるほどいる。

(注① 小室直樹   日本人のための憲法原論   集英社)