2014年1月29日水曜日

「アーミテージ報告書(3)

先日より2回にわたって、「アーミテージ報告書」について記事にしてきました。
この報告書は、日米同盟をより強固なものにするために、日米両国の政府と軍隊に呼びかけたものです。


それを裏づけるかのように、次のようにCNNが、報じました。

『(CNN) 米海軍は16日までに、米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備されている原子力空母ジョージ・ワシントンを、原子力空母ロナルド・レーガンと交代させると発表した。正確な時期について明らかにはなっていない。ジョージ・ワシントンは点検や燃料棒の交換のために米バージニア州に移動するという。

米海軍は交代を発表するプレスリリースで「インド・アジア太平洋の安全保障環境から、米海軍は最も高性能な艦船を配備することを求められている」と述べた』

記事は、米国海軍が「最も高性能な艦船を配備」する予定である、と述べています。

原子力空母ロナルド・レーガンは、東北震災の時に、「トモダチ作戦」となずけられた日米両国の共同作戦の経験があります。

先の「アーミテージ報告書」でも、この経験を最大限に生かすべきである、と提言しています。
全く、報告書の提言どうりの事が行われようとしているようです。


また、一方で、2012年12月には乗組員8人が東京電力を相手取り、福島第一原子力発電所から放出された放射性物質によって被ばくし、健康被害を受けたとして損害賠償を求める裁判を起こしている。』

この事については、ハフィントンポストが、次のような記事を掲載しています。

『震災から2年が過ぎた2013年の3月11日(米国時間)、エニス氏は、救援活動に参加し、それ以降に健康問題が発生したという100人を超える兵士たちとともに、それらの健康問題は福島第一原子力発電所からの放射性降下物に関連があると主張する訴訟に加わった。連邦裁判所に申し立てられたこの訴訟では、米国政府を訴える代わりに、発電所を所有する東京電力(TEPCO)が被告とされている。

[翻訳注:ロナルド・レーガンの乗組員8名が、東電に対して総額1億1000万ドル(約94億円)の損害賠償などを求める訴訟を米連邦地裁に起こしたと最初に報じられたのは2012年12月末。2013年3月には、他の26名も訴訟に参加し、さらに100名以上が参加を準備していると報道された]・・・・

水兵たちの状況を詳しく述べた一連のブログ記事の中で、ウィザースプーン氏が強調しているのは、当時日本にいて被爆した可能性のある7万人近い米軍兵士や軍属、その家族に対して予定されていた連邦政府の医療記録が中止されるなど、福島での災害後に米国政府が行った疑わしい決定だ。
米国防総省は、「全身および甲状腺に取り込まれた可能性のある汚染物質の最大評価量は、今後の調査を行う根拠があるほど深刻なものではないと結論付けた」とウィザースプーン氏は報告している』

裁判の行方が今どうなっているのかということについては、日本のマスコミは報じていませんが、認められれば、莫大な金額になるものと予想されます。

8名で1億ドルです。
7万人とすると、単純計算では700兆円になります。

もしこれが認められれば、日本国内の訴訟にも影響が出るでしょう。
そうなると東電の事故による賠償金の額は、想像も出来ない金額になりそうです。

これでも、原発は安価な電力源なのでしょうか。

昨日に公示荒れた都知事選について」「原発について」は相転移するべきではない、とする論調委が後を絶ちません。


安倍政権の菅氏がその先頭に立っているようですが、とんでもない事ではないでしょうか。
この事について、昨日の産経ニュースが

「自民党は平成24年12月の衆院選の公約で「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す」と掲げており、河野氏は会合後に「公約に全く反しており、到底受け入れられない」と強調した」
と報じています。

これでは公約破りは明白であり、民主党となんら変わりはありません。

つい話が横に滑りました。元に戻します。
原子力空母ロナルド・レーガンは、全長約300mで、幅は77mもあり、速さは30ノット、艦載機は90機です。

そして、乗組員6000人という「まるで一つの街が動いている」ような船です。
このような空母があるのですから、米軍にとっては、実際には「日本にある米軍基地」は不要なのではないでしょうか。

「北や、中国の脅威」に対しては充分であると思われるのです。
ということは、米軍が「日本に居座っている」のは、別な意味があるということになります。

≪参考にしたサイト≫
(CNNの記事)
横須賀の米原子力空母、ロナルド・レーガンに交代へ
(ハフィントンポストの記事)
トモダチ作戦:米海軍の100名超、健康被害で東電を提訴
http://www.huffingtonpost.jp/2013/03/11/story_n_3176752.html
(産経ニュースの記事)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140123/trd14012317380010-n1.htm

(2014年1月29日)