2014年1月29日水曜日

安倍首相の「靖国神社の参拝」と、「東京裁判」を考える。

米国の日本への内政干渉が後を絶たない。
今回は。安倍首相の「靖国神社の参拝」についてである。

このことについて、1月24日の「ウォール・ストリート・ジャーナル」が次のような記事を載せた。

『【ワシントン】米政府関係者は、安倍晋三首相が中国と韓国を怒らせた靖国神社参拝を繰り返さないことを確約するよう日本に求めており、日本政府がこれまでの第2次世界大戦に関する公式の謝罪を確認することを検討するよう首相に要請すると述べている。
 しかし、米政府が冷静さを求めてはいるものの、韓国と中国は23日、安倍首相の靖国参拝に関する新たな発言に再び強く反発しており、米国による外交的な努力の難しさが示された格好だ。・・・

米政府関係者は、安倍首相が同首相の政策アジェンダに疑念を抱いている近隣諸国を刺激するような新たな発言や行動を控えることを確約するよう日本側に求めている。日米の一連の外交会合で伝えたという』(注①)

さて、「靖国」の問題は、多くの内容を含むものである。
安倍首相が、どういう「戦略と思い」のもとに、「靖国」に参拝したかは、安倍首相が明言し、マスコミが伝える通りかどうかは、不明だ。

だが、この事とは別に、米国のこのような行為は、看過できない。
そこで、あらためて靖国問題を検討してみることにする。

もちろん「靖国」の参拝が問題になるのは、「A級犯の合祀」のことであろう。
だから、まずはこの「A級犯の問題]の検討が必要であろう。

その「A級犯の問題」とは何か。
それは、「東京裁判」の事に関係する。(正式には、極東軍事裁判という)

この「東京裁判」において、「A級犯」として、裁かれた当時の指導者らのことを言う。、
この「A級」というのは、「一番重い」ということではなく、「A級」=「平和に対する罪」 という意味である。

また、
極東国際軍事裁判(きょくとうこくさいぐんじさいばん、The International Military Tribunal for the Far East)は、第二次世界大戦日本降伏した後の1946昭和21年)53日から1948昭和23年)1112日にかけて行われた、連合国が「戦争犯罪人」として指定した日本の指導者などを裁いた一審制の裁判のことである・・・・

これは1946昭和21年)119、ニュルンベルク裁判の根拠となった国際軍事裁判所憲章を参照して極東国際軍事裁判所条例(極東国際軍事裁判所憲章)が定められ」[7](wikidepediaより)
それに基づいて、行われたものである。
だから、この裁判が出発点である。
この裁判であるが、Youyubeに動画があるので、それをぜひ見て頂きたい。

この中に出てくる「ベン・ブルース・ブレクニー弁護人」の補足動議が、「東京裁判」の全てを物語っている。
「ウエッブ裁判長」は、このブレクニー弁護人の動議に対しては、真正面から答える事が出来なかった。

「理由は、将来明らかにする」と言ったままで、それは今日においても「明らかにはされていない」のである。

だから、この「東京裁判」は、今日においてもなお、検討されるべき性質のものなのである。
この裁判をどう受け取るかで、「靖国の問題」も変わってくるのである。

確かに、「サンフランシスコ条約」を受け入れたのだから、もう「東京裁判」の事は持ち出すべきではない、という議論がある事は、承知している。

だが、それは、「歴史の問題」としてである。

今日、日本に米軍基地があり、事あるごとに、「米国の政府」が日本の政府に注文を付けることは、「東京裁判」が出発点となっているのである。

だから、われわれ日本の国民としては、この「東京裁判」の今日的意味(裁判が正当なものであったかどうかを)しっかりと考えることが重要な事である。

この事を避けて通っている限りは、いつまでも、同じことが繰り返される、であろう。
その際に、考える材料になるのが、上に貼り付けた動画である。

この動画をよく見て、我々の「東京裁判」に対する観念を、変更することが是非とも必要である。
さらに記事は以下のように続ける。

『稲嶺進市長に基地移転を阻止する権限はないが、同氏の勝利は、既に18年間にわたって進展のないこの基地計画の実現可能性への疑問がさらに強まり、東アジアでの緊張が高まる中でアジア太平洋への米軍の広範な再配置計画に遅れが生じる可能性がある。
こうした要請がはねつけられた場合、米国がどう出るのかは不明だ。日本外務省の報道官はコメントを拒否した

この記事についても、大いに反論がある。
現在、米国は、以下のように、戦力を増強しつつある。

『米国は11隻の空母を保有しているが、この内 現在活用できる10隻中の6隻をアジア・太平洋地域に集中配置した。 太平洋司令部に属する米海軍の第7艦隊と3艦隊には当初6隻の空母が配置されていたが、エンタープライズ号の退役と国防費削減のせいで5隻の空母に縮小された。 しかし、オバマ行政府2期に入り強調されている‘アジア再均衡’政策に合わせて、現在建造しているジェラルド・フォード空母を2015年に配置し、アジア・太平洋地域に6隻の空母を維持することにした経緯がある。 今回のルーズベルト号追加配置でアジア・太平洋地域に6隻の空母を維持する計画を操り上げて実現するわけだ。(注②)
 米海軍は「インドシナ-アジア-太平洋の安保環境が米海軍にとって最も強力な戦艦を前陣配置することを要求している」として「今回の配置で米軍は海上作戦のみならず合同対応に最も迅速な体制を整えることになった」と明らかにした。 米海軍は今回修理に入るジョージ・ワシントン号が「2008年前陣配置の一環で日本に派遣された初の核推進空母」として「前陣配置能力を維持するのは日本の防衛と死活的なインドシナ-アジア-太平洋の安保・安定に対する米国の公約を後押しする・・・
(一方で)
米軍核潜水艦戦力の60%以上もすでに太平洋地域に集中している。 潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)等を搭載したオハイオ級核潜水艦14隻中の8隻が太平洋地域に配置されていると米国の核専門家であるハンス、クリステンスらが<核科学者会報>に最近発表』(注③)
した。

このような状況の中で、日本の各地にある米軍基地が必要であろうか。
もっと言えば「日米安保条約」が必要であろうか。大いに疑問である。

この事も真剣に検討されるべき課題である、と思う。
既に、いくらかは、このブログでも記事にしてはいるが、これは日本の国民全体の問題である。

この事も、現在の日本の状況に大いに関係する事であるからである。

≪参考にしたサイト≫
(注①)

(注2)

(注③)

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304402204579339710521565876.html?dsk=y
「昨日、次のような報道がありました。

 【ワシントン=吉野直也】米国務省のサキ報道官は27日の記者会見で、米政府が安倍晋三首相に靖国神社参拝を繰り返さないことを確約するよう求めているとの米メディアの報道を否定した。報道は23日の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)に米政府関係者の話として紹介された。

 サキ氏は首相参拝直後に米政府が「失望」を表明したことに触れながら「米政府の立場は変わらない」と指摘した。一方で同紙の報道は「誤っている」と語った。その理由として「米政府は(歴史認識など)慎重な対応が求められる問題について日本と周辺国の建設的な対話を促している」と説明した。(日本経済新聞 2014/1/28)
引用した記事が事実とすると、「米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)の記事」を書いた記者の「勇み足」ということになると思うのですが、この投稿文を書いている時点においても、訂正記事もお詫びの記事も出ていません。
ですので、私としては、今後の推移を見守りたい、と思います。
ただ、米国の日本の政府への内政干渉は、事実として存在していますから、この点に関しては、訂正の必要はないものと考えます。
(加筆      2014/1/29  7:04)