2013年7月30日火曜日

電力会社とエネルギー■■■東電の「体質」を考える(2)

今から20年前のころ、たまたま買った「DAYS JAPAN」と言う雑誌で、石油はあと40年でなくなるという記事を見つけ、驚いたことがあった。


この雑誌は、読売が出しているとはとても思えないほどリベラルな内容の記事が載っている雑誌であった。が、惜しいことに「タレントのアグネスチャンの講演料」の記事でモメて、廃刊に追いやられた。今でも、たかだか講演料のことで、モメることはなかろうと、残念に思っている。

この件があり、ますますアグネスを嫌いになった。
その後まわりで何かと騒がしいことが続いたアグネスを見、「お騒がせ女」であることを知った。
この雑誌の廃刊は、おそらく誰かがそんなアグネスを見抜いて、利用した結果なのであると思うようになった。

その頃は間もなく常温核融合の技術が出来て、エネルギー問題は解決されると単純に考えていたので、石油がなくなると言う記事には驚いたが、深刻には思わなかった。

日また「石油はあと50年でなくなる」と騒がれている。
 石油の代替エネルギーが問題にされている。

天然ガスシェールガスなどについての報道が増えた。
地熱、太陽、風力などを利用して発電についても、議論される。

どころで、報道機関は、石油、天然ガス、シェールガスと分けて報道するが、実はこれらは、
みな同じものであると言うことを、最近になって知った。

在来型・タイトガス








在来型・タイトガス

シェールガス








シェールガス

一番下にある根源岩(シェール)がすべての源。これをシェールガスと呼んでいる。
地下3000kmから7000kmの所にある。だから、今まで取り出すのが、困難であった。
また、石油価格との絡みもあり、密かにその技術開発が行われた。

左の図で上の方にあるのが、タイトガス。これが従来から石油と呼ばれてきたものである。
この図にはないが、タイトガスより少し下にあるのが、いわゆる天然ガスである。これも、根源岩より、発生したものである。

報道機関は,故意か不勉強で知らないのかそれは分らないが,同じものをわざわざ分けて、別名で呼んで報道している。その注意書きを入れることもしていない。

これは国民を混乱させ、錯覚に陥れるものだ。
実は「シェール革命」とマスコミが報道しているのは、マヤカシであった。
何のことはない、もとをただせば、みな同じものであった。
ただ掘削技術が進歩し、地中深くまで掘れるようになっただけのことである。

石油はあと40年は持つと、一般には報道されている。
しかしこの報道の仕方は、正確でも科学的でもない。

JGMECOの伊賀 賢研究員によると、今の技術で採掘可能な天然ガス(従来から石油天然ガスシェールガスと呼ばれてきたものの総称)は、160年は持つと述べられている。



中部大学の武田教授は、石油・天然ガスは、550年。シェールガスは1万年持つと言われる。
                                     (教授のブログをみてください)
どちらを取るにしても、いますぐになくなると言う話ではない。

ところがマスコミは、同じものを別の呼び方(その注釈もつけずに)をし、石油がもうすぐなくなると煽る。国民をだまし、ペテンにかけて、不安に陥れる。
そして原子力発電に頼るしかないという、政府の肩を持つ。

このようなマスコミの姿勢を見ると、参議員選挙後の東電の会見に対する一連の報道の仕方や、
また報道を規制して国民に事実を知らせないと言う態度の、反日性が分る。

化石燃料は少なく見積もっても、今後160年はなくならない。
技術が進歩すれば、もっと伸びる。
日本の明治以後の150年間余りの技術の進歩を考えただけでも、今後の160年余りの技術の進歩は、想像を超えるものがあろう。

東電や他の電力会社が言うように、原子力に頼らずとも、電力の供給は、充分に出来る。
しかしCOの問題があるとの、反論があろう。
だから、次回は、この問題について、考えたい。

(注 従来からの化石燃料の呼び名を区別するため、色分けをした。紫の文字=従来の呼ばれ方、赤い文字=本来こう呼ばれるべきである呼び方)
(その2、終わり)