2018年10月8日月曜日

「ブッダの感興のことば」第7 善い行い 、とは

<「ブッダの感興のことば」第7 善い行い >「善い行い」とは何か。第7章は、このことについてのブッダの言葉です。身体で、言葉で、心で、善い行いをせよ、と彼は説いています。


 善行を行え

身体で過ちを犯さないように、まもり落ち着けよ。
身体について、謹んでおれ。
身体による悪い行いを捨て、身体によって善行を行え。(7-1)

ことばで過ちを犯さないように、まもり落ち着けよ。
ことばについて、慎んでおれ。
語による悪い行いを捨てて、語によって善行を行え。(7-2)

心で過ちを犯さないように、まもり落ち着けよ。
心について、慎んでおれ。
心による悪い行いを捨てて、心によって善行を行え。(7-3)

 同時代に生きたソクラテス、孔子、釈迦

思想史上の偉大な人びと、ソクラテス、孔子、釈迦は、それぞれに生まれた場所が違いますが、生まれた時代はほぼ同時代と言ってよい、と思います。

今、その年表を示すと、以下のようになります。

・ー470年頃~399年   ソクラテス    (ギリシャ)
・ー550年~479年頃   孔子       (中国)
・ー565年~483年頃   ブッダ(=釈迦) (インド)
 (-は、紀元前であることを示す。)

これを見ると、だいたい100年の幅がありますが、大差はありません。
この間に、遠くはなれた、三つの場所で、この3人の偉大な思想家が誕生したということは、驚くべき事です。

もちろん、この時代の通信手段は、今日のように発達していませんから、お互いの思想を点検し合う、というようなことは無かった、はずです。

そういう中にあって、それぞれが揃って、人間存在の不思議と意義と可能性を追求してくれた。このことは、我々後世に生きる人間にとっても、感謝しきれないほどに有難い事です。

ただ、現代に生きるわれわれは、ただ、その言葉を良く噛み占めるだけでは、足りません。現代に生きるわれわれは、彼らの思想をよく吟味し、さらに深化、発展させていく必要があります。

というようりも、それは、後世に生きるものの義務です。

 抒情詩人のアルキロコス

最後に、抒情詩人のアルキロコス(-600年頃)の詩、を送ります。

心よ。すべなき苦難に乱れし心よ。
たて。たって敵より身を守り、猛(たけ)る胸もて伏兵にあたれ。敵におじけることなく堂々と間近くに迫って。
勝っても公々然とよろこぶことなく、敗けてもわが家に伏して嘆くのをやめよ。
よろこびあればよろこぶもよし、悲しみあれば悲しむもよし、ただ度をこさぬこと。
人の世にあり人を統(す)べる「リズム」のいかなるものかを知れ。
(『思想の歴史 1 ギリシャの詩と哲学 』平凡社 52貢)

(2018年10月8日)

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