2018年10月4日木曜日

読書メモ「紙ー二千年の歴史』中国紙漉き工房 Ⅱ

★ 12

*画期的な技術的躍進

・車輪
・ガラスの製法
・ブロンズや鉄の精錬法


これらは起源が不明である。

それに対して、現在では、紙は、ある程度まで、確実なことが分かっている。

*蔡倫 =西暦105年、和帝の宮中にあって、道具、武器の製作に当たった人

・紙を発明し、正式に奏上した。
(300年後)
・范曄(ハ二ヨウ)=南朝宋の宮中歴史家、が、
「(范曄が)樹皮、麻、ぼろ布、魚網から紙を作る方法を考案した」と記述している。

*現在では、蔡倫に先立つこと、数世紀以前より、紙は作られていたことが、考古学的発見により裏づけられている。

★13

考古学的発見=シルクロード、敦煌、で発見された。
探検家、サー・オーレル・スタインは、
敦煌のチャイム洞で、5万巻の巻物、美術品を発見。

そこは、甘粛省ゴビ砂漠のオアシスとして栄えた場所(土地)



*「金剛般若経」=世界最古の印刷物



中国唐王朝で、868年に印刷された仏像の絵

グーテンベルク(可動式金属活字を発明)に先立つこと、500年

*他にも、スタインは、「万里の長城の望楼の遺跡からも、多くの文字が書きつけられた紙を発見した。(この紙は、868年よりも、700年以上さかのぼるものである。)

*銭存訓(1909年 中国江蘇の生まれ、シカゴ大学哲学博士)、は、

「現存する最古の紙は、1957年に陝西省の古墳で発見された紀元前140年の断片であろう」と記述している。

紙の製法は、数世紀にわたり、ゆっくりと発達していた、と思われる。

*中国による「紙」の定義

「廃棄物の繊維を薄く伸ばしたもの」

「紙は再生材料がかなり含まれた最初の工業製品と言える」と著者は書いている。

*14、原著の注 より

「筆記面に黒インクをまとい、そこに言葉の麦畑を生い茂らせて、この上もなく甘い実りを、何度でも望むだけ読む者の心に届ける。
また、それは人の行いの忠実な証言者であり、過去を語る忘却の敵である。

人の記憶は、過去の出来事をとどめても、言葉を書き換えてしまう。だが、パピルスが伝える言葉は安全に守られ、いつ耳を傾けても、その言葉は永遠に変わらない」
=カッシオドルス『雑録』(Variae) 第11巻 383~386貢

参考:「カッシオドルスは6世紀の大分裂の原因となっていた、文化的な断絶を埋めることも試みている。すなわち東と西、ギリシャ文化とラテン文化、ローマ人とゴート人、カトリックの人々と彼らを支配していたアリウス派の王との間の橋渡しである。西暦を考案したディオニュシウス・エクシグウスについて、カッシオドルスは「綱要 Institutions」のなかで好意的に語っている。
引退後は、イオニア海辺の彼の家族の土地に、ウィウァリウムの修道院をつくり、著書も宗教的なものになっていく。[(wiki)

*ペーパー paper  、は、
パピルス papyrus 、に由来する。

・しなやかさ
・原料が植物 これは紙の特徴

*エジプト人はパピルスの輸出を何年にもわたって、一手に握り、他国との交渉でそれを自分たちに有利な取引材料とすることができた。

当時の小アジアの都市国家ぺルガモンに対して、パピルスの輸出が停止されたことは有名だ。

(この都市には)アレクサンドリアの図書館に匹敵する規模の図書館を所有していた。困ったベルガモンは、「パピルス の代わりに羊の皮を使うようになった。」

羊皮紙(パーチメント)、は、「ペルガモンより」を意味するラテン語に由来する

※「★ 12」は、本書のページ数を示しています)

(2018年10月4日)

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